篠田英朗も池内恵も現在は「表面上は転向」したのかも知れないが、この2人は宇露戦争初期のどっちもどっち論への強い非難の急先鋒だった。
この2人の発言は河瀬直美さんの東大入学式祝辞に関わる。
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令和4年度東京大学学部入学式 祝辞 映画作家 河瀨直美、2022年4月12日 |
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例えば「ロシア」という国を悪者にすることは簡単である。けれどもその国の正義がウクライナの正義とぶつかり合っているのだとしたら、それを止めるにはどうすればいいのか。なぜこのようなことが起こってしまっているのか。一方的な側からの意見に左右されてものの本質を見誤ってはいないだろうか?誤解を恐れずに言うと「悪」を存在させることで、私は安心していないだろうか? |
さらに池内恵は、西谷修の記事にも「アホか」とコメントしていた。
◾️タッカー・カールソンによるジェフリー・サックスインタビュー、2024年5月28日 Excerpt from remarks by Professor Jeffrey Sachs, American economist and academic, in an interview with Tucker Carlson, May 28, 2024. Source: Jeffrey Sachs: The Untold History of the Cold War, CIA Coups Around the World, and COVID's Origin |
タッカー・カールソン:私たちが知っていることの1つ、2022年2月にロシア軍がウクライナ東部に侵攻したことについてわれわれが聞いたことは、それが挑発されてない[unprovoked]ということです。次のものは、これについて私たちが知っていることのセレクションです。 |
Tucker Carlson :So the one thing that we know, we heard about the movement of Russian troops into eastern Ukraine in February of 2022 was it was unprovoked. Here's a selection of what we know about that. |
カールソン:で、「挑発されない(unprovoked)」って何なんでしょうね? ジェフリー・サックス:ええ、私たちは何度もそれを聞きました。実にそうだった。私は実際に、2022年2月から2023年2月までの1年間にニューヨークタイムズで何回それを聞いたかを数えてもらうよう、私の研究助手に頼みました。彼らの意見では、26回の挑発されない[26 times unprovoked]だった。もちろん、事態は「挑発されない」ではない。 タッカー・カールソン:ほとんどブランド名になっています、「挑発なき侵攻(the unprovoked invasion)」という表現は。 ジェフリー・サックス:それは、実際に何が起こっているのかを考えようとしない怠け者の言い逃れです。そして、間違っているので非常に危険です。それは全体の話を完全に間違ったものにします。米国としての私たち自身がウクライナを今のような絶望的な混乱に深く深く深く追い込むように仕掛けた罠を誤解させます。 カールソン:では、どのような意味で挑発されたのですか?これは何が始まったのですか? サックス:基本的に、それは非常に単純なことから始まった。 つまり、米国政府ーー米国民とは呼ばないでおきましょう、彼らはこの件に何の関係もないですからーーしかし、私たちの米国政府は、ウクライナを我々の側に置き、ロシアとの2100キロの国境まで行くつもりだと言ったのです。私たちは軍隊とNATO、そしてミサイルを、何でも好きなように配置するつもりだったのです。 …… |
Carlson : So was it unprovoked? Jeffrey Sachs : Well, we did hear that a lot of times. Yes, we did. I actually asked research assistant of mine to count how many times we heard that in the New York Times in that first year, from February 2022 to February 2023, in their opinion, was 26 times unprovoked. Of course, things aren't unprovoked. Tucker Carlson : It's almost a brand name, the unprovoked invasion. Jeffrey Sachs :It's the lazy person's dodge for actually trying to think through what's going on. And it's very dangerous because it's wrong. It gets the whole story completely wrong, and it misunderstands the trap that we set for ourselves as the United states to push Ukraine deeper and deeper and deeper into this hopeless mess that they're in right now. Carlson : So in what sense was it provoked? What started this? Sachs : Basically, it started very simply, which is that the United States government, let's not call it the us people, they had nothing to do with this. But the us government said, we're going to put Ukraine on our side and we're going to go right up to that 2100 kilometer border with Russian. We're going to put our troops and NATO and maybe missiles, whatever we want, because we are the sole superpower of the world and we do what we want. |
何度も掲げてきた元外交官浅井基文氏の2022年3月21日時点でのコラムからいつもよりはもう少し長く引用しておくよ。
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◼️東アジアの平和に対するロシア・ウクライナ紛争の啓示、浅井基文 3/21/2022 |
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(ロシア非難・批判一色に染まった日本) 伝統的にロシア(ソ連)に対して悪いイメージが支配する日本の政治・社会がロシアのウクライナに対する武力侵攻に対してロシア非難・批判一色に染まったのは、予想範囲内のことでした。しかし、一定の肯定的評価を得ている学者、研究者、ジャーナリストまでが一方的な非難・批判の側に組みする姿を見て、私は日本の政治・社会の根深い病理を改めて思い知らされました。〔・・・〕 日本の政治・社会の際立った病理の一つは、「赤信号一緒に渡れば怖くない」という集団心理の働きが極めて強いということです。ロシア非難・批判一色に染まったのはその典型的現れです。今日の日本の政治・社会を支配している反中・嫌中ももう一つの現れです。1989年の天安門事件以後、日本人の中国に対するイメージが急激に悪い方向に向かってきたという事情があり、そこに「巨大な中国が目の前に現れた」ことを素直に消化できない複雑な感情が合わさって、反中・嫌中・親台としての集団心理が自己主張する形を取ることになっているのです。 |
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ちなみに、「鬼畜米英」を唱えていた日本人が敗戦と米軍による占領を契機に一夜にして「徹底親米」に豹変したことはよく知られています。この現象も集団心理の働きを抜きにしては理解不能なことです。ちなみに、アメリカに対する印象に関する内閣府による世論調査結果は、ほぼ一貫して80%前後の日本人がアメリカに対して好感を持っていることを示しています。直近(2021年)の調査では実に88.5%です(ちなみに、ロシアについては13.1%、中国は20.6%でした)。しかも、日本のメディアは圧倒的にアメリカ・メディアの影響力の下にあります。したがって、アメリカ発のロシア情報が垂れ流しかつ土砂降りで入ってきて、日本の政治・社会を徹底的に洗脳しているというわけです。 |
篠田英朗も池内恵も、当時ロシア絶対悪を言い募った日本の中堅の国際政治学者連中大半やジャーナリストらと同様、洗脳系だったとしか私には思えない。
何はともあれ、2022年のあれらの発言を「忘れてくれ」というわけにはいかないよ。



