2019年11月22日金曜日

恋に恋して

前回も記したようにヌリア・リアル Nuria Rialは1975年カタローニア生まれだから、下の映像は41歳のときとなる。じつに美しい。

■Francesco Cavalli: L'Amore Innamorato(恋に恋して), Non è maggior piacer, Christina Pluhar, 2016




ひとりの歌手に惚れるといままで一度も聴いたことのない曲まで聴くようになるという効用がある。

それにしてもNuria Rial - Rinaldo, Lascia ch'io piangaの3;00からの数十秒は絶品だ、20回ぐらいきいたけれどまだ鳥肌が立つ(たぶん映像効果もある、ーーああオッカサン!)。

さらにふたたび  ライネル・マリア・リルケ 堀辰雄訳

さらにふたたび、よしや私達が愛の風景ばかりでなく、
いくつも傷ましい名前をもつた小さな墓地をも、
他の人達の死んでいつた恐ろしい沈默の深淵をも
知つてゐようと、さらにふたたび、私達は二人して
古い樹の下に出ていつて、さらにふたたび、身を横たへよう
花々のあひだに、空にむかつて。


2年ほどまえ聴いてウナサレ続ケタ Bernarda Fink「夜咲きすみれ Nachtviolen」 の後半(1:38~)と同じぐらい衝撃的だ。


愛の歌   リルケ  富士川英郎訳

お前の魂に 私の魂が触れないように
私はどうそれを支えよう? どうそれを
お前を超えて他のものに高めよう?
ああ 私はそれを暗闇の なにか失われたものの側にしまつて置きたい
お前の深い心がゆらいでも ゆるがない
或る見知らぬ 静かな場所に。
けれども お前と私に触れるすべてのものは
私たちを合わせるのだ 二本の紘から
一つの声を引きだすヴァイオリンの弓の摩擦のように。
では どんな楽器のうえに 私たちは張られているのか?
そしてその手に私たちを持つ それはどんな弾き手であろう?
ああ 甘い歌よ