2019年6月24日月曜日

エベーヌのアツい男たち

前回、エベーヌのプレストを貼り付けたのだけれど、なんだか考え込んじゃったよ。






第1ヴァイオリンのピエール・コロンベ Pierre Colombet はとても魅力的な演奏家でこの5年ぐらい前から彼のファンなんだけど(というかビオラのマチュー・ヘルツォクもいい男でそれもふくめてエベーヌの大ファンなのだけれど)、過剰なアツサで前のめりになり過ぎたりアンサンブルのバランスを崩すということが時にあるのかもしれないな。


エベーヌカルテット Quatuor Ebène は、15年来のメンバー、ビオラのマチュー・ヘルツォク Mathieu Herzog が2014年にグループから離れた(彼は現在指揮者をやっている)。


なぜ抜けてしまったのか、とても惜しまれると素朴に思っていたが、すこし考えてみれば、若く熱い魂が15年もいっしょにやっていれば1人ぐらい抜けるのも当然ありだな。

遠い視野。――甲。しかしこの孤独はどういうわけだろうか? ――乙。僕はだれに対しても怒りをもたない。だが僕は、友人たちと一緒にいるときよりも、ひとりでいるときの方が、彼らを一層はっきり美しく見るように思われる。そして僕が音楽を最も愛し、感じたとき、僕は音楽から離れて生活していた。物事をよく思うためには、遠い視野が僕には必要に思われる。(ニーチェ『曙光』485番)





ーーいやあピアソラのこの曲ってこんないい曲だったんだな、なんたって冒頭のクラリネットが遠くからやってくるようでうますぎる。


 Mathieu Herzog の後釜は、約3年のあいだ Adrien Boisseau だった(彼は今ソロ奏者をやっていて内田光子との共演もある)。そして2017年からマリー・シレム Marie Chilemmeである。





マリー・シレム Marie Chilemme は以前もほかのカルテットのメンバーをやっていてとっても上手いんだけど、とはいえマチュー・ヘルツォク Mathieu Herzog が抜けた穴は大きいんだろうな。

美人で、カルテットに1人か2人女性がいるのはとってもいいんだけどさ。

こんな映像があってなかなかツワモノみたいだね。





チェロのラファエル・メルラン Raphaël Merlinなんかは、だいぶアブナイんじゃないかな。いやいや全アブナイかもな。





(以下略)

・・・マチュー・ヘルツォク Mathieu Herzog は、Ensemble Appassionatoを2015年に創設して、最近の映像をみると、エベーヌの第二ヴァイオリン奏者ガブリエル・ル・マガデュール Gabriel Le Magadureも参加している(コンサートマスターで)。






マチューはトリュフォーの映画に出てきそうな人を惹きつける情熱キャラで、Ensemble Appassionatoはこれから売れるんじゃないかな(このモーツアルトの40番は長いあいだ聴いていなかったのでエラそうなことは言えないが、記憶にあるのとは違った音がきこえてくるな、ここでも41秒あたりからのクラリネットだ)。

で、ガブリエル・ル・マガデュールもエベーヌから抜けてしまうなんてことはないんだろうかな。