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2022年3月19日土曜日

この臆病者を見ろ。彼はウクライナのために戦おうとしていない

 ゼレンスキーの国民総動員令ってのはこういうことが起こるんだよなあ。


「みんなトラウマになる」「この臆病者を見ろ」「どこの国境でも人種差別」...ウクライナ難民ルポ SEEKING SANCTUARY

ダイアン・ハリス、ファトマ・ハレド、ハレダ・ラーマン

Newsweek 2022年3月18日

アメリカ人でフリージャーナリストのマニー・マロッタは、現地の様子を取材するために2月半ばにウクライナ入りしたが、戦闘が始まったため、20時間以上も歩いてポーランドに逃げ戻った。

彼によれば、国境地帯ではウクライナ軍の兵士たちが、若い男性が出国しないようチェックしている。家族から引き離し、家に戻って国を守るために戦ってくれと説得する。

「子供たちが理由を理解できないまま、父親は家族から引き離されて連れて行かれる」と彼は言う。

「ある男性が、妻と一緒にいたいと主張する場面に遭遇した。すると兵士は群衆のほうを向いて『この臆病者を見ろ。彼はウクライナのために戦おうとしていない』と叫んだ。群衆の間からは男性に対して非難のブーイングが起き、男性は結局、兵士に付いて行った」






「愛すべき」軍事評論家の小泉悠はこういう事態をどう考えてんだろ? これは例の名高い「非国民」ってヤツそのままだよ、ーー《自分や自分の家族の安全・生活を戦争遂行のための集団行動よりも優先させるような姿勢を持つこと》(Wiki)。非国民現象も徹底抗戦のためにはしょうがないと受け入れちゃうわけ?


ボクはこのところいろいろゼレンスキーや国際政治学者について書いてんだけど、肝のひとつはここなんだな



BSフジLIVE プライムニュース 『ロシア停戦のカギとは プーチンの誤算と不満専門家が読み解く結末』ウクライナは降伏するべきか論から #primenews

2022年3月16日(水)20:00-21:55

小泉悠「自国が侵略を受けているとき、戦う以外に言うことがありますか。日本が侵略を受けた時、戦わないと言いますか。抵抗し、負けない期間を引き延ばし、停戦交渉で主権を守ることが繋がる。抵抗しなければ交渉が困難なことを、日本人も理解すべき」


小泉悠「市民が侵略に対し武装して戦うのがそんなにおかしいですか?ロシア軍は、既に民間を攻撃している訳です。一般市民が自国を守る為に戦い国を守るのは歴史的な例がある」


小泉悠「ロシアに対して市民が降伏しても、それで助かるかは分からない訳です。国を守る為に戦うか、すぐに降伏するかは、これは哲学の問題で、どちらにすべきということを部外者が言えない」


ーー小泉さんは日本が侵略されたときに逃げないんですか?


小泉悠「私はそのとき、逃げるという選択は選びたくない」


ーー女性なら逃げるのが当たり前では?


小泉悠「ウクライナの女性も銃をとって戦っている。逃げる男もいるだろうし、戦う女性もいるだろう」



池内恵はこんなのリツイートしてるけどさ。




ボクはどうしたってついていけないんだよな、こういった連中に。



それにくらべ、同じ国際政治学者でも、例えば塩川伸明さんはいいこと言ってるなあ。


当事者たちは、たとえどんなに情報が乏しかろうと、熟考するための時間が限られていようと、現に目の前で起きている事態に対して直ちに判断し、選択し、行動しなくてはならない。ひょっとしたらその判断は間違っているかもしれないが、その場合には、最悪の場合、その人は自らの命でもって判断の帰結を引き受けることになる。これに対して、遠くにいる人々にはそのような切迫性はない。自ら「気楽だ」と思ってはいないだろうが、「お気楽なものだ」と言われても仕方ない、そういう位置に否応なしにおかれている。自分が傷つく可能性のないところでの発言は、「自分は犠牲者たちに連帯し、不正義を糾弾する正義の味方だ」という自己満足や「余計なお世話」に終わる可能性もないではない。(塩川伸明「ウクライナ戦争をめぐって」2022 年 3 月 13 日





あなたはプーチンです。さて、あなたならどうしますか?

 すばらしいね、このミスターKanAugustのツイートは(表現や論理が単純化され過ぎているのはツイッター上の挑発メッセージとして許容すべきだ)。

日本のウクライナ応援一辺倒のインテリ、あるいはアメリカ&NATOのポチ国際政治学者たちに是非反論してほしいね。


@KanAugust Mar 18, 2022


1/


あなたはロシア(青)のリーダーです


NATO(赤)がロシアへ向かって年々拡大してます。

NATOがウクライナとジョージアの参加を検討すると言いました。


NATOの仮想敵はロシアです。


さて、あなたならどうしますか?


https://en.wikipedia.org/wiki/Member_states_of_NATO





2/


まずは国際社会に訴えますよね。

2008年:

https://www.reuters.com/article/us-russia-nato-putin-idUSKBN1K92KA





3/


次に、脅しますよね。

「ウクライナをNATOに入れたり、NATOの軍入れたりしたら、ロシアの生死に関わる脅威とみなすぞ、コラ!」

ってかんじですね。

2021年11月:

https://abcnews.go.com/International/wireStory/putin-warns-west-moscow-red-line-ukraine-nato-81466257





4/


しかし、2014年の暴力革命以来、アメリカの傀儡であるウクライナ政府は「反ロシア」を煽り続け、国内のロシア人を攻撃し、ロシア語を廃止。


https://www.reuters.com/article/us-ukraine-parliament-language-idUSKCN1S111N



5/


ウクライナ内部でアメリカに支援された軍隊、軍事訓練が行われる

2021年9月

https://www.reuters.com/business/aerospace-defense/ukraine-holds-military-drills-with-us-forces-nato-allies-2021-09-20/





6/


ウクライナ内部にアメリカ支援の25もの生物兵器研究所が作られる

ヌーランド国務次官の証言

https://twitter.com/KanAugust/status/1501791766164520964




7/


ロシアの武力を使った侵攻は非難されるべきだと思います。


しかし、こういった背景を考慮することなしに、

ロシアが一方的に悪い、ウクライナは正義だ、と叫び続けるのなら

おめでとうございます、あなたは正真正銘の「平和ボケ」です。

8/


そんなあなたには、日本の国防を語る資格はありません。

もちろん核の装備の話をする資格もありません。


先の大戦で日本を守るために戦った先祖に失礼です。

9/


ゼレンスキーがアメリカ議会で、ロシアの侵攻を日本の真珠湾攻撃に例えたのは正しい


どちらも「窮鼠猫を噛む」の状態まで追い込まれたという点で。そしてその後一斉に欧米から弁解の余地のない避難に追い込まれたという点でも。


もう一度言います。武力による侵攻は非難されるべき。

10/


しかし、日本人ならロシアの置かれた状況に同情することができるはず。

できなければ、日本の保守派の人たちがこれまで主張してきた

「大東亜戦争」に関するロジックが完全崩壊してしまう。


ここを、いわゆる保守と呼ばれる人たちは理解できてない。

11/


あまりにも、中国とロシアを重ねて見てしまっているから、

あまりにも、ロシアとソ連を重ねて見てしまっているから、

ロシアとウクライナの関係の真相がぼやけてしまっている。


今からでも遅くない、気づいて欲しい、目覚めて欲しい。


以上。



なおさるネオコン脳が《最初から事実認識が間違っている。NATO2008年からずっとウクライナの加盟を拒否してきた。》と反論しているようなので、20084月のNATOブカレスト宣言の公式サイトからも貼り付けておく。





上のたぐいの脳軟化症者はさておき、少しでも批評精神のある者は、最低限、2014年以降のウクライナ、あるいは現在の大統領ゼレンスキーが「アメリカの操り人形でない可能性」が少しでもあるのかを問うてほしいね。



Godard, Adieu au Langage, 2014




現実はない。現実はたんに幻想によって構成されている[il n'y a pas de réalité.La réalité n'est constituée que par le fantasme](Lacan, S25, 20 Décembre 1977)





ロシアとウクライナの間には高徳の人がいる

 


「ロシアとウクライナの間に敵意をあおり、両国の関係悪化に並々ならぬ関心を持ち、この地域に不安定さを必要とする誰かがいる」(ゴルバチョフ財団法人声明、2022年2月26日


ゴルバチョフがこう言ってんだから、誰かがいるんだよ、決まってるさ。高徳の人たちがね。


「国家」或は「共和国」とも言われているこの対話篇には、「正義について」という副題がついているが、正義という光は垣間見られているだけで、徹底的に論じられているのは不正だけであるのは、面白い事だ。正義とは、本当のところ何であるかに関して、話相手は、はっきりした言葉をソクラテスから引出したいのだが、遂にうまくいかないのである。どんな高徳な人と言われているものも、恐ろしい、無法の欲望を内に隠し持っている、という事をくれぐれも忘れるな、それは君が、君の理性の眠る夜、見る夢を観察してみればすぐわかる事だ、ソクラテスは、そういう話をくり返すだけだ。(小林秀雄「プラトンの「国家」」1959年)


例えば噂の「プーチン親衛隊」オリバー・ストーンは◼️Revealing Ukraine 2019(乗っ取られたウクライナ)でこの高徳の人たちをしっかり示しているし、最近のツイートならこうだ。


@TheOliverStone Mar 4

the legion of Russian haters, who finally got what they've been dreaming of for years, i.e. Biden, Pentagon, CIA, EU, NATO, mainstream media -- and don't overlook Nuland and her sinister neocon gang in D.C.


オリバーはビクトリア・ヌーランドのボスだったヒラリー・クリントンももちろんネオコンギャングにあげていたが(上にリンクした映像作品で)、この高徳な美女の2人が写っている写真はネット上に一枚しか行き当たらないな・・・



ほんとは2人とももっと美しいんだけどな・・・


さてもちろんこれ自体ーー《すべてを疑え!(デー・オムニブス・ドゥビタンドゥム De omnibus dubitandum)》(マルクスーー妹とたちの問いに答えて、1865年)ーー態度で接したらいいのだけど、ゼレンスキーをマガオで持ち上げてる国際政治学者たちに対しては「最悪」って言葉は使えないってことだけは確かだよ。


最悪じゃない、「これは最悪だ」と言えるうちは。The worst is not. So long as we can say “This is the worst.”(シェイクスピア『リア王』)



ところでこういう情報に行き当たったんだけど、どうだい? 信憑性を自ら調べてみたら。ボクは半日ほどかかって先のほうはテレビ局2つじゃなくて3つのーーZIK, NewsOne, and 112 Ukraineーー違法閉鎖なのがわかったけど、ネオナチのアゾフ連隊のほうはまだわかんないや。







ところで、「トランプ親衛隊」のペンタゴン長官元代行補佐官 ダグラス・マクレガーDouglas Macgregor はこんなこと言ってんな


「ああ、ゼレンスキーは操り人形だと思う。彼は自分の国の膨大な数の国民を不必要な危険にさらしている…そして率直に言って、ウクライナから出てくるものは24~48時間以内に嘘として暴かれる」

Oh I think Zelensky is a puppet & he is putting huge numbers of his own population at unnecessary risk… and quite frankly what comes out of Ukraine is debunked as lies within 24-48 hours” Retired US Army colonel on Fox News





ま、でもこういう話はそろそろ退屈してきたよ、ソクラテスが言う通り、アッタリマエの話だからな、とくに高徳のポジションに置かれたら、人はみな権力のフェティシズムの罠に嵌まっちまうんだ。


日本で流通してる戦闘評価の通説とはまったく異なるこっちのほうはまだいくらか関心があるけどさ。




in the West there is no true and there is only wishful thinking. …


the entire Russian Operation is focused on the Military Destruction of the Ukrainian Army.  The Russian Army is largely successful in this goal, but it is going slow, because of the Russian intent to maintain critical infrastructure. (Col Macgregor)


願望思考wishful thinkingってのは寝言ってことだな・・・マクレガーさん、こんなのほんとにアリかい?


※追記


The Sun Snorer Press

@taiyonoibiki

緊急速報

「戦争の勝敗は既に完全に結している」


前ペンタゴン軍事顧問ダグラス・マクグレゴー大佐に訊くロシア-ウクライナ戦況分析

/マックス・ブルーメンソール(聞き手)&アロン・マテ(聞き手)


Former top Pentagon advisor Col. Doug Macgregor on Russia-Ukraine war 2:30-14:37(部分訳)


①マックス・ブルーメンソール:大佐、最初にあなたがThe American Conservativeに書いた記事 ”Is There A Path To Peace In Ukraine? (ウクライナに平和解決の道はあるか?)”から始めたいと思います。記者会見でジェン・サキ報道官が記者と交わしたやりとりは、まさにこの記事のコアですね。


②「昨日もまた弾道ミサイルで多くの人が死にました。数え切れないほどのウクライナとドンバスの犠牲者を出さないために、バイデン大統領はウクライナ軍にこれ以上武器を送って戦争を煽る代わりに停戦交渉を開始するべきではないのですか」という記者の質問に対し、


③ジェン・サキ報道官は「いいえ。アメリカはこれからも武器を送り続けます。それはロシア軍が敗走するまで続けられます。アメリカはすでにロシア経済を破壊しました」と答えました。なぜ、バイデンは交渉や事態の沈静化にこれほど反対しているのでしょうか?


④ダグラス・マクグレゴー:現在、政府全体がありとあらゆる全ての平和的解決に反対しています。ロシアが優位にあるということを口にすることすらできない雰囲気です。今やウクライナはもう二の次になり、ロシアを破壊し、ウラディミール・プーチンを倒すことが作戦の目的になっています。


⑤そして何の根拠も証拠もないのに、何かとてつもない大惨事が近々ロシアに起こってプーチンが失脚するといった希望的観測があたかも現実性のある予測のように語られています。もちろん、そんな事が起きる僅かな兆しも見えません。


⑥しかし、ワシントンでは全員がロシア・ヘイト・キャンペーンに飲み込まれて、たとえ事実がどうであれ、それは今後も少なくともしばらくは続くでしょうね。事実無視と過大評価と極端な誇張は酷いレベルにまで達しています。


⑦アロン・マテ:軍事的に、客観的に戦況について質問します。アメリカでは「ロシア軍は壊滅寸前だ。ウクライナ軍がロシア軍を追い出すのは時間の問題だ。プーチンはそれを予測していなかったので、今、苦境に陥っている」という論調が支配的ですが、事実、そうなのですか?


⑧ダグラス:戦況を率直に説明すると、すでにウクライナ軍は完全に包囲され、補給路を断たれ、いくつかの街や都市で孤立している。彼らは時おり些細な抵抗を試みるのが精一杯で、もちろんそれが大勢に影響することはありません。


戦争の勝敗は既に完全に決したのです。


⑨ロシア軍の関心事は最初からいかに市民の犠牲を出さないで作戦を遂行するかという事でした。また軍事施設以外のインフラを破壊しないことでした。プーチンはそれを軍に厳しく命じていました。それが開始後数日間、作戦をソフトなものにしてしまった原因です。


⑩しかし、それはウクライナ軍と西側に「ロシア軍は強くない」という誤った印象を与えてしまうことになりました。しかし、事実はその正反対で、ロシア側に圧倒的勝利だったのです。すでに勝敗が決した今、戦いを続けていたずらに犠牲者を増やすのはバカげています。


⑪それにもかかわらず、ワシントンは今後も戦争を継続するために、武器を送り続けることで満場一致しているのです。あたかも明日にでもロシア軍にとんでもない大惨事が起きて壊滅するというようなことを信じようとしているのです。しかし、それはあり得ないですね。


⑫今朝の東ポーランドのロシア人投票を見ると、70%がプーチンを強く支持するという結果になっています。歴史上、どの戦争どの大統領をみても、これほどの強い支持を得た例はありません。


⑬三週間で2000人の兵士が死にました。私に確認する術はありませんが、20万の軍隊のうち死者2000という数字は納得のいく数字だと思います。キエフは自分を有利に見せるために敵方の犠牲者数を過大に公表し、味方の犠牲者数を控えめに公表するでしょうが、そこに真実があるというわけではありません。


⑭今、一番問題なのは、ワシントンが現実の冷静な分析を放棄して、希望的観測に支配されているという事でしょう。


⑮しかし、いくらウクライナ軍が勝ちロシア軍が負けているという嘘の印象を作り出そうとしても、事実はロシア軍が連日、イギリスとアメリカがウクライナ軍に宛てて送った大量の武器弾薬がすべからくロシア軍によって押収されているのだからどうしようもありません。


⑯マックス:ここに3月14日南部戦線の地図があります。赤い部分がロシア軍支配地域です。これは私の印象ですが、北部のキエフが赤で取り囲まれているのが確認できると思います。さらに東ウクライナでロシア軍だけでなく、ルガンスク軍とドネツスク軍の進撃も目を見張るものがあると思います。


⑰ポケットがありますが、私はそれらを「混沌の釜 Cauldron」と呼びたいと思います。この地図を見て、大佐の3月14日の時点における軍事的評価はどうですか?


⑱ダグラス:南東側から下部に向かって、ロシア軍が「混沌の釜」と呼ぶ範囲の中に60,000人ものウクライナ兵士が完全に包囲され、閉じ込められています。すでに数週間が経過し、中でどのようなことが起きているのか誰にもわかりませんが、おそらくは弾薬はおろか水も食料も尽きていることでしょう。


⑲ロシア軍は彼らが降伏するように勧告しています。すでに降伏した部隊もあります。このままでは60,000の軍が全滅してしまうという圧力が内部で高まっていることでしょうね。もちろん、ロシア軍はそんな事はしたくありません。


⑳すでに私たちは、ロシア軍が注意深く人口の多い地域への侵攻を避けていることに気づいています。なぜなら、そこはウクライナの穀倉地帯だからです。ロシア軍は穀倉地帯に入ることを厳しく禁じられているのです。なぜなら、春の種蒔きの時が近いからです。ロシア軍はそれを損いたくはない。


㉑小麦や大麦の収穫を損ないたくないのです。いつもの年のようにウクライナ人に農業をしてもらいたいと思っているのです。それらのことを考慮すると、ロシア軍は今のところ、コントロールすべき全ての事をうまくコントロールしていると評価していいでしょう。


㉒ところが、西側のメディアは「ロシア軍はまだ支配テリトリーを拡大していない。だから作戦はうまくいっていない」と盛んに言っています。ロシア軍はテリトリーに興味はありません。作戦はその第一日目から、ウクライナ軍の破壊(解散)に集中していました。そこで一番の問題がマリアポールです。


㉓そこに約3,000のAzovの狂信的軍団がいて、マリアポール市民が脱出することを許さない。今朝、私が見た新しい動画でも、Azovが市民たちに市の外に出ることはできないと言っていました。いくらロシアが人道的回廊を開いて脱出を促しても、Azovは市民を人質にとっている。


㉔そのことを西側メディアは全く報道していません。なぜなら、それを報道すると「ロシア人が市民を虐殺している」というナレティヴを損なってしまうからです。ロシア軍はAzovを強引に壊滅させることは簡単ですが、それをやると多くの市民が巻き添えを食って犠牲になってしまう。


㉕どうやってこの難局を打開するか、それが一番の問題です。

人が頭の中で何を考えているのか知る事は困難です。もしかしたら上部ではコレを終わらせる決定をすでにしているのかもしれません。しかし、ゼレンスキーが頑固に今の主張を繰り返していれば、ウクライナ軍が殺される事になるだけでしょう。


㉖ですから、アメリカやヨーロッパがどんなにたくさんの武器弾薬を送っても、結果は同じだということです。つまり、それらはウクライナ軍の元には届かず、ロシア軍の手に落ちるだけだと。


㉗しかし、その事実をここでは誰も見ようとしません。相変わらず、「ロシア軍は負けている」「プーチンは邪悪だ」「プーチンは侵略者だ」「ロシア軍は敗走する」という自己満足のナレティヴにみんながすっかり浸りきっているのです。


㉘ワシントンの議論から完全に抜け落ちている事は、2014年のクーデターで14,000人もの市民が殺されたという事実です。2014年以来、ウクライナ軍はドンバスを攻撃し続けているという事実です。これらの事実が完全に無視されています。


㉙議論の余地なく、これは悲劇です。しかし、時が経てば真実が現れるでしょう。そして戦争は終わるでしょう。その時、初めの予定通りにロシアが勝利者になっているはずです。そして、私はそれを見たくはありませんが、ウクライナ軍は破壊されるでしょう。


㉚プーチンもそれを見たくないと希望していると思います。なぜなら、プーチンが戦っているのは、プーチンと同じ人々だからです。ですからプーチンにそれらの人々を殺したいという気持ちは毛頭ありません。ところがテレビで毎日やっているのは「ロシア軍は意図的にウクライナ市民を殺している」です。


㉛全くバカげています。ナンセンスです。これほど事実とかけ離れた話はない。ロシア軍はミステイクを犯すでしょう。誤って市民を爆発に巻き込むこともあるでしょう。それはどの軍隊でもあることです。私たちもそうです。ベトナムでも中東でも軍が意図的に市民を殺すということはありません。


㉜アロン・マテ:異論があります。キッシンジャーがカンボジアの「動くものすべて、飛ぶものすべて」と言いました。ジェノサイドを意味しています。


ダグラス:アロン、君はその戦争を誰か別の人とする事ができる。だが一人のアメリカ軍兵士として私の経験を通じて意図的に市民を殺す事はないよ。


㉝アロン・マテ:わかりました。それについてはまた別の機会に議論することにしましょう。では、アメリカ合衆国がウクライナ軍に武器を送ることについて質問をさせてください。


㉞エイミー・クロブシャーやロバート・ポートマンはポーランドからウクライナ軍にジェット機を送れば戦況は一気に味方に有利に好転すると言っています。もっとたくさんの武器をウクライナ軍に送りさえすれば、潮目が変わるという意見です。


㉟ダグラス:潮目が変わることは絶対にありません。ワシントンは彼らのパトロンたちのために戦争をエスカレートしたい、戦争を長引かせたい、それだけです。「ロシア軍は強くない」とか「プーチンは風前の灯だ」というのは事実とかけ離れています。


㊱もし、私たちは本当に本格的に戦争を始めるとなると、その時は戦火は北アメリカの本土にも波及し、核戦争に発展していくことになるでしょう。

(了)




2022年3月18日金曜日

英雄は真っ平御免

 


ボクがツイッターで観察している限りでの、何よりも「国際秩序」を重視する政治学者たちの考えはほぼ次のようなものだ。


軍事的に劣勢にある国が軍事大国から侵略を受けた場合、停戦の交渉は不可欠だが、軍事行動と外交交渉は連動しており、劣勢国は少しでも交渉が自国に益するように「国民総動員」を発令しても徹底抗戦をすべきだ。したがって当面、戦死者が膨れ上がっても交渉のための捨て駒としてやむ得ない事態である。さらには、核戦争を避けるためには、被侵略国に対しての他国の援助は武器供給程度に押し留める他なく、他方、侵略国に対しての制裁は事実上、経済的なものしかない。つまり破滅的な衝突を避けるためには、他国(あるいは軍事同盟)による直接的な軍事介入は不可能であり、事実上傍観せざるを得ない。


ボクが気に入らないのはまず「英雄」ゼレンスキーによる国民総動員令の発令だな、闘いたくはない人・逃げたい人・あるいは逃げる余裕のある人(老いた両親などがいて留まらざるを得ない理由のある人を除く)は逃げたらよい、むしろ逃げるべきだと思うね。


現在のウクライナは、かつての日本の状況とは内容的には異なるかもしれないが形式的には十全な相同性がある。


たえがたきを忍び、忍びがたきを忍んで、朕の命令に服してくれという。すると国民は泣いて、外ならぬ陛下の命令だから、忍びがたいけれども忍んで負けよう、と言う。嘘をつけ! 嘘をつけ! 嘘をつけ! 


我等国民は戦争をやめたくて仕方がなかったのではないか。竹槍をしごいて戦車に立ちむかい、土人形の如くにバタバタ死ぬのが厭でたまらなかったのではないか。戦争の終ることを最も切に欲していた。そのくせ、それが言えないのだ。そして大義名分と云い、又、天皇の命令という。忍びがたきを忍ぶという。何というカラクリだろう。惨めとも又なさけない歴史的大欺瞞ではないか。しかも我等はその欺瞞を知らぬ。天皇の停戦命令がなければ、実際戦車に体当りをし、厭々ながら勇壮に土人形となってバタバタ死んだのだ。(坂口安吾 「続堕落論」1946年)


最初期のロシア侵略によるウクライナ人の共同体感情なんていつまでも続くもんじゃ決してない。ボクは愛国心やら祖国愛やら、ましてや国際秩序のために捨て駒になるのは真っ平御免だね。


我々は靖国神社の下を電車が曲がるたびに頭を下げさせられる馬鹿らしさには閉口したが、ある種の人々にとっては、そうすることによってしか自分を感じることが出来ないので、我々は靖国神社についてはその馬鹿らしさを笑うけれども、外の事柄にについて、同じような馬鹿げたことを自分自身でやっている。そして自分の馬鹿らしさには気がつかないだけのことだ。(坂口安吾 「堕落論」1946年)



ところで、フランスは第一次世界大戦では四年も頑張ったのに、第二次世界大戦ではナチに一ヶ月で落ちたな、あれはパリの話としても、事実上、無条件降伏だ、いや無抵抗降伏と言っておこう。状況によれば、無抵抗降伏のほうがいい場合があるんだよ、その後のフランスの経緯を見れば。こう書くと、プーチンはチェチェンやシリアやらで何やってきたのかしらないのか、お前さん、と言ってくる半可通のヤツがいるだろうがね。ま、馬鹿ってのはどうしようもないよ。



第二次大戦におけるフランスの早期離脱には、第一次大戦の外傷神経症が軍をも市民をも侵していて、フランス人は外傷の再演に耐えられなかったという事態があるのではないか。フランス軍が初期にドイツ国内への進撃の機会を捨て、ドイツ国内への爆撃さえ禁止したこと、ポーランドを見殺しにした一年間の静かな対峙、その挙げ句の一ヶ月間の全面的戦線崩壊、パリ陥落、そして降伏である。両大戦間の間隔は二十年しかなく、また人口減少で青年の少ないフランスでは将軍はもちろん兵士にも再出征者が多かった。いや、戦争直前、チェコを犠牲にして英仏がヒトラーに屈したミュンヘン会談にも外傷が裏で働いていたかもしれない。


では、ドイツが好戦的だったのはどういうことか。敗戦ドイツの復員兵は、敗戦を否認して兵舎に住み、資本家に強要した金で擬似的兵営生活を続けており、その中にはヒトラーもいた。ヒトラーがユダヤ人をガスで殺したのは、第一次大戦の毒ガス負傷兵であった彼の、被害者が加害者となる例であるからだという推定もある。薬物中毒者だったヒトラーを戦争神経症者として再検討することは、彼を「理解を超えた悪魔」とするよりも科学的であると私は思う。「個々人ではなく戦争自体こそが犯罪学の対象となるべきである」(エランベルジェ)。(中井久夫「トラウマとその治療経験」初出2000年『徴候・記憶・外傷』所収)


旧ソ連を何よりもまず特徴づけるのは、第二次世界大戦の外傷神経症だよ。ナチトラウマだ。




上の数字は現在はインフレして、「独ソ戦は歴史上稀に見る残虐な戦争でした。その凄惨さは数字を見るだけでわかります。ソ連は'39年の段階で1億8879万3000人の人口を有していましたが、第二次世界大戦で戦闘員、民間人合わせて2700万人が失われたとされています。

一方ドイツも、'39年の総人口6930万人のうち、戦闘員が最大531万8000人、民間人も最大300万人を失ったとされています」(大木毅)らしいが。


さっきの表には中国のってないな。



おお、中国は民間人がたくさん死んでるね、どこが殺したんだっけな、主に国民総動員制国家だろ。


ウィンストン・ゼレンスキー」とか言って持ち上げているお花畑系国際政治学者を始めとして現代日本の主流世論がかつてと同様染まっている「ホモ・センチメンタリス」が殺したんだよ、きっと。


感受性は、それが一つの価値あるいは真実の判断基準、ある行為の弁明としてみなされるようになったとたんに、恐るべきものに変身する。愛国心という、もっとも高貴であるはずのものが、もっとも残虐な行為を正当化するということが起こりうるのだ。(クンデラ『ジャックとその主人』「序文」)

ホモ・センチメンタリスは、さまざまな感情を感じる人格としてではなく(なぜなら、われわれは誰しもさまざまな感情を感じる能力があるのだから)、それを価値に仕立てた人格として定義されなければならない。感情が価値とみなされるようになると、誰もが皆それをつよく感じたいと思うことになる。そしてわれわれは誰しも自分の価値を誇らしく思うものであるからして、感情をひけらかそうとする誘惑は大きい。(クンデラ『不滅』第四部「ホモ・センチメンタリス」)