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2018年5月24日木曜日

ぼくもういかなきゃなんない

ぼくもういかなきゃなんない
すぐいかなきゃなんない
どこへいくのかわからないけど
さくらなみきのしたをとおって
おおどおりをしんごうでわたって
いつもながめてるやまをめじるしに
ひとりでいかなきゃなんない




どうしてなのかしらないけど
おかあさんごめんなさい
おとうさんにやさしくしてあげて
ぼくすききらいいわずになんでもたべる
ほんもいまよりたくさんよむとおもう



トリュフォー、大人は判ってくれない、1959


よるになったらほしをみる
ひるはいろんなひととはなしをする
そしてきっといちばんすきなものをみつける
みつけたらたいせつにしてしぬまでいきる
だからとおくにいてもさびしくないよ
ぼくもういかなきゃなんない


ーー谷川俊太郎「さようなら」   
 


突然炎のごとく、1962


ひるもよるもいろんなおんなにほれる
やったらほかのおんながよくなる
きっとしぬまでくりかえす
どうしてなのかしらないけど
おかあさんごめんなさい


ピアニストを撃て、 1960


ぼくもういかなきゃなんない
すぐいかなきゃなんない
どっといったらしずかにいかなきゃなんない

肌身とはぴつたり合つて、女の乳房わが胸にむず痒く、開中は既に火の如くなればどうにも我慢できねど、こゝもう一としきり辛棒すれば女よがり死するも知れずと思ふにぞ、息を殺し、片唾を呑みつゝ心を他に転じて、今はの際にもう一倍よいが上にもよがらせ、おのれも静に往生せんと、両手にて肩の下より女の身ぐツと一息にすくひ上げ、膝の上なる居茶臼にして、下からぐひぐひと突き上げながら、片手の指は例の急所攻め、尻をかゝえる片手の指女が肛門に当て、尻へと廻るぬめりを以て動すたびたび徐々とくぢつてやれば、女は息引取るやうな声して泣きぢやくり、いきますいきます、いきますからアレどうぞどうぞと哀訴するは、前後三個処の攻道具、その一ツだけでも勘弁してくれといふ心歟欺。髪はばらばらになつて身をもだゆるよがり方、こなたも度を失ひ、仰向の茶臼になれば、女は上よりのしかゝつて、続けさまにアレアレ又いくまたいくと二番つゞきの淫水どツと浴びせかけられ、此だけよがらせて遣ればもう思残りなしと、静に気をやりたり。 (永井荷風『四畳半襖の下張り』)