2020年7月18日土曜日

美女でも美しい身体でもない

ボクは若く身体の美しい女が好きだけどさ、でも基本的にはフェティシストだからな。真に惹かれるのは美女でも美しい身体でもないよ。足というわけでもないけどな、前回の映像の女たちのあるところにひどく惹かれたのさ


ある男がいる。現在、女の性器や他の魅力 [das Genitale und alle anderen Reize des Weibes]にまったく無関心な男である。だが靴を履いた固有の形式の足にのみ抵抗しがたい性的興奮[unwiderstehliche sexuelle Erregung ]へと陥る。

彼は6歳のときの出来事を想い起こす。その出来事がリビドーの固着[Fixierung seiner Libido]の決定因だった。

彼は背もたれのない椅子に座っていた。女の家庭教師の横である。初老の干上がった醜いオールドミスの英語教師。血の気のない青い目とずんぐりした鼻。その日は足の具合が悪いらしく、ビロードのスリッパを履いてクッションの上に投げ出していた。

彼女の脚自体はとても慎み深く隠されていた。痩せこけた貧弱な足。この家庭教師の足である。彼は、思春期に平凡な性行動の臆病な試み後、この足が彼の唯一の性的対象になった。男は、このたぐいの足が英語教師のタイプを想起させる他の特徴と結びついていれば、否応なく魅惑させられる。彼のリビドーの固着は、彼を足フェチ[Fußfetischisten]にしたのである。(フロイト『精神分析入門』第22章、1916年)