高橋悠治「めぐる季節と散らし書き」
遠くからやってくるな
沈黙と語り合うようだ
ゆらめく閃光のようだ
閃光はゆらめかないだって?
光の裂け目の向こうに
世界がひろがるんだ
閃光は未来の扉さ
悠治はどもるんだ
沈黙を歌っている
文体とは、自らの言語のなかでどもるようになること。難しい。なぜなら、そのようにどもる必要がなければならないのだから。発語(パロール)でどもるのではない、言語活動(ランガージュ)そのものによるどもりなのだ。自国語そのものの中で異邦人のごとくであること。逃走の線をひくこと。(ドゥルーズ『ディアローグ』)