2022年3月25日金曜日

どうしてウクライナのネオナチ化が陰謀論とかマガオで言ってるマヌケ専門家が跳梁跋扈してんだろ?

 

ウクライナのネオナチ化」が陰謀論だなどと言っている国際政治学者は単なる脳軟化症に過ぎないよ。前回のTIME誌のYouTube映像や「「ウクライナのネオナチ」問題」等々に限らず、国際安全保障リアリスト派重鎮ミアシャイマー教授が2015年に「キエフのクーデターでファシストの傾向を持つ勢力やファシストが政権に入ったことは,重大な結果をもたらす」と強調している。




ひとりの名高い学者がこう言っているのであり、ミアシャイマーに反論があるのはかまわないが、ウクライナのネオナチ化を陰謀論と片づけるのは、たんなる反学問的態度以外の何ものでもない。


Why the Ukraine Crisis Is the West's Fault  The Liberal Delusions That Provoked Putin 

By John J. Mearsheimer 2014, PDF

QUESTION: Hi, thank you for taking this question and for also expanding your views on the coup, the February 22nd coup. Kind of following up from that, the Russian media has really been emphasizing the role of fascist and extreme right-wing groups in the Ukrainian government. How accurate is this, in your opinion? And how does that play out in terms of the -- you know, Putin's plans, et cetera? 

〔・・・〕

MEARSHEIMER: OK, I'm sorry. Yes, I think it's quite clear that fascist groups played a key role in the uprising between November 2013 and February 22, 2014. This is well documented. And furthermore, it's clear, when the new government took over after Yanukovych left, that that new government included four individuals who I think could legitimately be called fascists. 

And it's very clear that this concerns the Russians greatly. And there's no question this is what scared Yanukovych and played a key role in his leaving the country, in what I call a coup. 


ウィキ英語版の「ウクライナにおける極右政治(Far-right politics in Ukraine)」を見ても、ウクライナ政治がネオナチに支配されつつあるのは、少し前までの「常識」だったんだよ。

このウィキには次の記事もリンクされている。

➡︎「どうして誰も心配しないんだろ、ウクライナでネオナチが権力を掌握しつつあることに?」Why Does No One Care That Neo-Nazis Are Gaining Power In Ukraine?  Michael Colborne December 31, 2018


というわけで、「どうしてウクライナのネオナチ化が陰謀論とかマガオで言ってるマヌケ専門家が跳梁跋扈してんだろ?」

ーーこっちのほうがずっと不思議だよ。


人は忘れるのだ。深く考えなかったこと、他人の模倣や周囲の過熱によって頭にタイプされたことは、早く忘れる。周囲の過熱は変化し、それとともにわれわれの回想も更新される。外交官以上に、政治家たちは、ある時点で自分が立った見地をおぼえていない、そして、彼らの前言とりけしのあるものは、野心の過剰よりは記憶の欠如にもとづくのだ。社交界の人々といえば、ほとんどの事柄はおぼえていないにひとしいのである。

On oublie, du reste, vite ce qu'on n'a pas pensé avec profondeur, ce qui vous a été dicté par l'imitation, par les passions environnantes. Elles changent et avec elles se modifie notre souvenir. Encore plus que les diplomates, les hommes politiques ne se souviennent pas du point de vue auquel ils se sont placés à un certain moment, et quelques-unes de leurs palinodies tiennent moins à un excès d'ambition qu'à un manque de mémoire. Quant aux gens du monde, ils se souviennent de peu de chose. (プルースト「囚われの女」)




ツイッター社交界の人々はしょうがないけどな、何もおぼえていず、いやそれどころか何も知ろうとせず、その場限りの「おみこしの熱狂と無責任」やるのは。ーー《あの人間どもは、根拠に耳をかたむけるより身振りを眺めることを喜ぶものである・・・[ die Menschheit sieht Gebärden lieber, als daß sie Gründe hört...]》(ニーチェ『アンチキリスト』54節)



国民集団としての日本人の弱点を思わずにいられない。それは、おみこしの熱狂と無責任とに例えられようか。輿を担ぐ者も、輿に載るものも、誰も輿の方向を定めることができない。ぶらさがっている者がいても、力は平均化して、輿は道路上を直線的に進む限りまず傾かない。この欠陥が露呈するのは曲がり角であり、輿が思わぬ方向に行き、あるいは傾いて破壊を自他に及ぼす。しかも、誰もが自分は全力をつくしていたのだと思っている。(中井久夫「戦争と平和についての観察」2005年『樹をみつめて』所収)



いまのボクの想定は、国際政治学者のたぐいの大半も結局、同じ穴の貉なんだろうな、というものだよ。