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2022年10月29日土曜日

金持ちが戦争を起こし、貧乏人が死ぬ

 

Trilliana 華 @Trilliana_xさんの本日付け(2022/10/29)ツイート。






《金持ちが戦争を起こし、貧乏人が死ぬ[Quand les riches se font la guerre, ce sont les pauvres qui meurent.]》( サルトル)


これだよな、少なくとも私が香港のデモに関して、つい最近までまったくその可能性に気づいていなかったことは。


《香港併合とは上海閥が城を奪われる事。そこで上海閥は米英(DS側)と組んで習🇨🇳に対抗した。あの百万人デモや若者による組織的な抵抗は、上海閥&米英が香港人の感情を利用して組織的に仕込んだものだった。もちろん香港人の抵抗は純粋。だがそれは表の面で、その実は習派vs上海閥🇺🇸🇬🇧の抗争だったのだ。


香港加油!と応援し🇨🇳の横暴に怒る私達は、それがDSが絡んだ○共同士の内部抗争である事を知らなかった。そして多くの若者が命を落とした。デモに参加しただけの15, 16の子ども達が逮捕され次々と海で遺体で発見された。純粋な若者達は上海閥+🇺🇸🇬🇧に利用され、○共の内部抗争の為に命を落としたのだ。


香港人の抵抗に理性を失い、弾圧した習🇨🇳は許すことは出来ない。しかし、🇺🇸🇬🇧と上海閥が暴動を焚き付けなければ若者達は死なずに済み、香港が香港でいられた日はずっと長かったはずだ。戦争とは常に弱者が騙され犠牲になる悲劇。自由で素敵な都市だった香港は輝きを失い、希望を持つ若者はもう居ない。》



今の私はこの巧みに言語化された観点を、少なくとも9割程度は受け入れてるようになっている。ウクライナ紛争後、敬意をもって何度も引用している中国研究者浅井基文氏には、なぜこういう分析が表面に出てこず、中国の公式見解「新しい秩序の未来」を顕揚しているばかりに見えるのが不思議でならない。少なくとも氏のような優れた中国研究者に反論してほしいのだけれどな。



……………


私が中露の同盟(そこにインドなどが加わった同盟)による新しい国際秩序の未来をナイーヴに顕揚している反米ネオコン派に対してまったく信をおいていないのは、主に中国という国のとてつもない覇権的資本主義にきわめて警戒しているからである。


別の言い方なら中国は露骨なベンサム主義の政体の国であるだろう。



◼️資本制生産様式におけるベンサム主義の必然性

(資本制生産様式において)労働力の売買がその枠内で行なわれる流通または商品交換の領域は、実際、天賦人権の真の楽園であった。

ここで支配しているのは、自由、平等、所有、およびベンサムだけである[Was allein hier herrscht, ist Freiheit, Gleichheit, Eigentum und Bentham.]


自由! なぜなら、商品──例えば労働力──の買い手と売り手は、彼らの自由意志によってのみ規定されているのだから。彼らは、自由で法的に同じ身分の人格として契約する。契約は、彼らの意志に共通な法的表現を与えるそれの最終成果である。


平等! なぜなら彼らは商品所有者としてのみ相互に関係し、 等価物を等価物と交換するのだから。


所有! なぜなら誰もみな、 自分のものだけを自由に処分するのだから。

ベンサム! なぜなら双方のいずれにとっても、問題なのは自分のことだけだからである。彼らを結びつけて一つの関係のなかに置く唯一の力は、彼らの自己利益、彼らの特別利得、彼らの私益という力だけである。

Bentham! Denn jedem von den beiden ist es nur um sich zu tun. Die einzige Macht, die sie zusammen und in ein Verhältnis bringt, ist die ihres Eigennutzes, ihres Sondervorteils, ihrer Privatinteressen. (マルクス『資本論』第1巻第2篇第4章「貨幣の資本への転化 Die Verwandlung von Geld in Kapital」1867年)

功利理論[Nützlichkeitstheorie」においては、これらの大きな諸関係にたいする個々人の地位、個々の個人による目前の世界の私的搾取[Privat-Exploitation]以外には、いかなる思弁の分野も残っていなかった。この分野についてベンサムとその学派は長い道徳的省察をやった。(マルクス&エンゲルス『ドイツイデオロギー』「聖マックス」1846年)



この意味で、直近のプーチンの演説(2022年10月27日のバルダイ・ディスカッション・クラブのフォーラム本会議於[参照])もひどく甘いんじゃないかね、とくに《ロシアは隣国同士の連携を土台とした大規模な空間のメカニズムをより積極的に指導することが重要だと考えている。その経済、社会システム、リソースのベース、インフラは互いを補完し、その対話により人類の真の団結が生まれる》なんてね


私は米英NATOの指導者たちに対してよりは百倍ぐらいはプーチン派だけどさ、こういうことをバルダイで言ったプーチンにね、《我々は歴史の分水嶺にいる。この先には第二次世界大戦の終結以来、恐らく最も危険で予見できない、とはいえ最も重要な10年間が待っている[We are at a historical crossroads. We are in for probably the most dangerous, unpredictable and at the same time most important decade since the end of World War II.]》・・・