◼️Everyday life in bygone days in Tokyo, 1966 昭和東京
◼️Tokyo. A model familylife in 1965 東京
むかしはこうやって豆腐や魚を買ったんだよな、
祖母や母は着物でさ。
僕はよくおつかいにいったよ、
ごく近場の豆腐屋や魚屋にさ
あれはやっぱり1960年代だったね
とってもノスタルジーだね
粕谷栄市の詩を思い出したよ
西片町 粕谷栄市 夏の日、涼しい縁側で、片肘をついて、寝転んでいた い。久しぶりに、おふくろのいる家に戻って、何もしな いで、ゆっくりしていたい。 一人前の左官職人になって、間もない私は、その日は、 仕事の休みの日だ。何もすることがないし、したいこと もない。ただ、ぼんやり、横になって、片肘をつき、垣 根に咲いている、青い朝顔の花を眺めていたいのだ。 |
考えていることといえば、まだ、よく知らない娘のこ とだ。娘は、たしか、自分と同い年で、片西町の蕎麦屋 につとめている。色が白くて、小さい尻をしている。 思えば、この私には、一生、そんな日はないのだけれ ど。夢のなかの西片町の蕎麦屋に行くこともないのだけ れど。もう、とっくに死んでいて、どこかの寺の墓石の 下で、若い左官屋の幻をみているのだけだけれど。 |