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2023年6月1日木曜日

豆腐屋と魚屋と着物

◼️Everyday life in bygone days in Tokyo, 1966 昭和東京



◼️Tokyo. A model familylife in 1965 東京


むかしはこうやって豆腐や魚を買ったんだよな、

祖母や母は着物でさ。


僕はよくおつかいにいったよ、

ごく近場の豆腐屋や魚屋にさ

あれはやっぱり1960年代だったね


とってもノスタルジーだね

粕谷栄市の詩を思い出したよ



西片町 粕谷栄市


 夏の日、涼しい縁側で、片肘をついて、寝転んでいた

い。久しぶりに、おふくろのいる家に戻って、何もしな

いで、ゆっくりしていたい。


 一人前の左官職人になって、間もない私は、その日は、

仕事の休みの日だ。何もすることがないし、したいこと

もない。ただ、ぼんやり、横になって、片肘をつき、垣

根に咲いている、青い朝顔の花を眺めていたいのだ。


 考えていることといえば、まだ、よく知らない娘のこ

とだ。娘は、たしか、自分と同い年で、片西町の蕎麦屋

につとめている。色が白くて、小さい尻をしている。


 思えば、この私には、一生、そんな日はないのだけれ

ど。夢のなかの西片町の蕎麦屋に行くこともないのだけ

れど。もう、とっくに死んでいて、どこかの寺の墓石の

下で、若い左官屋の幻をみているのだけだけれど。