以下のグレン・ディーセンによるぺぺ・エスコバルのインタビューの内容は、前提として次の記事の邦訳を参照されたし▶︎「ペペ・エスコバル「イランはいかにして多極化への突破口を開いたのか」2026年6月16日 How Iran engineered its multipolar breakthrough, Pepe Escobar, June 16, 2026
▶︎要旨
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並行図書館 / Parallel Library | Alzhacker @Alzhacker 2026/06/18 米国務省からの一本の電話で、私とラリー・ジョンソンが共同運営していたYouTubeチャンネルは抹消された。理由は、パキスタンの仲介者から入手したイランとアメリカの覚書交渉の機密を暴露したからだ。平和の舞台裏が、力ずくで闇に葬られようとした。しかし、その覚書こそ、アメリカの覇権が中東で被った最大級の敗北の証文なのである。 この文書は6月14日、トランプ大統領の誕生日に署名が発表された。トランプは「ホルムズ海峡の石油を再び自由にした」と自画自賛し、それを勝利の証と見せかける。 だが、私たちが掴んだ情報はまったく異なる。イランは一貫して主導権を握っていた。ペゼシュキアン大統領はパキスタンのシャバズ・シャリフ首相に電話し、「核の曖昧性を終わらせる実演も辞さない」と警告。これに慌てた米側は、過去にトランプが6回も署名を拒否してきた案件を、ついに受け入れる形へと追い込まれたのだ。 しかも、イランは最高指導者ではなく、最高安全保障委員会の13人による多数決で最終判断を行う手続きをとり、国内の強硬派をも納得させる盤石の態勢を敷いた。交渉は終始、トランプを苛立たせ、時間を稼ぐ側がアメリカではなくイランだった。 |
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では、トランプが歓呼する「勝利」の実態は何か。それは、枯渇したミサイルや兵器を補充し、中間選挙までの政治生命を保つための「戦略的休戦」にすぎない。 覚書はまず30日間の停戦、その後60日間の交渉期間を定める。イラン側はその間に、凍結された24億ドルのうち12億ドルの支払いと、制裁の部分解除を得る。すでにUAEからは現金2億ドルがテヘランに空輸されていた。米国は時間を稼ぎ、イランは資金を引き出す。表向きの和平とは裏腹に、これは互いに再戦を睨んだ猶予期間である。 イスラエルがレバノン南部のシーア派居住区ダヒーイェを攻撃した際、イランは即座に「レバノンは合意の一部だ。攻撃を続ければ、我々がイスラエルに直接報復する」と通告し、現にそれを飲ませた。アメリカに和平を守る力などない。力のあるイランが線を引いているのだ。 だが、本当の問題はそこではない。視点を地図の上へと移すと、まったく別の戦いが最終局面を迎えているのが見える。イランとパキスタンの国境が24時間開放され、陸路で物資が流れ始めた。中国が建設したグワダル港と、イランのチャーバハール港が、わずか80キロの距離で姉妹港として連結されようとしている。 これは「一帯一路」の海上補給線を、米軍が封鎖できない内陸回廊に切り替える巨大プロジェクトだ。15年間もアメリカに阻まれてきたイラン・パキスタン間のガスパイプラインも、今回の和平で建設が確定した。中国はパキスタンを仲介者に仕立て上げ、ロシアと共に背後から全体を統括していたのである。 |
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ここにこそ、アメリカが隠蔽したい敗北の核心がある。湾岸の産油君主国たちは、戦争中に米軍がペルシャ湾で自国の空母しか守らなかった現実を目の当たりにした。 彼らの安全保障が無価値だと判明した今、パキスタンは中国を後ろ盾に、サウジアラビアやUAEに対し「イランを含む新たな保護の傘」への参加を呼びかけ始めている。すでにサウジには8千人のパキスタン兵が駐留する。 ペトロダラーを支えた中東の盟主たちが、金と武器ではなく、鉄道とパイプラインで結ばれるユーラシアの引力に抗えなくなる日は、想像よりもずっと近い。トランプが「勝利」と呼ぶ停戦は、その潮目の最終的な転換を糊塗する糊にすぎない。 |
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— Pepe Escobar(政治アナリスト)、Glenn Diesen(地政学アナリスト) 対談 『Pepe Escobar: Iranian Victory & Rise of Greater Eurasia』(ペペ・エスコバル:イランの勝利と大ユーラシアの台頭) |
さらにグレン・ディーセンによるリチャード・ウルフインタビューも参照▶︎イランでの米国の敗北と米帝国の終焉(Richard Wolff: U.S. Defeat in Iran & End of the U.S Empire, 2026/06/17)
