やあ、素晴らしい分析だな
|
◼️柴田英里「なぜ、ジェンダー問題はいつも炎上しているのか?【中編】」2026.06.07 |
|
〔・・・〕 |
|
ハッシュタグ・フェミニズムの構造は、「最もかわいそうな被害者」や「利他の精神に基づく懲罰(利他的懲罰)を与えるにふさわしい物語」を求める欲望を刺激します。客観的な事実よりも、エモーショナルな被害者性こそがバズを生むため、告発者が美しいこと、被害者が幼いこと、あるいは、わかりやすい「敵」が設定されていることすら、暗に重要視されるのです。その結果、差別の複合的な構造に目を向けることよりも、情動を刺激する視覚や表現が優先され、第3波において手放されたはずの「女性=被害者」という単純な二元論モデルが復活します。 |
|
ポピュラー化されたフェミニズムは、しばしば共感とともに他罰感情を呼び起こします。 この共感ベースの連帯には複数の問題がありますが、中でも見過ごせないのは、内輪への愛着や仲間意識が高まる反作用として、外部の人間を疎外・排除する傾向が強まる点です。愛着や仲間意識を起点とする排外的行動は、「社会正義」と何ら矛盾することなく機能し、むしろその排外的行動こそが「社会正義の達成」であると錯覚させることすらあります。 不適切な発言をした個人や企業をネット上で名指しで非難する「コールアウト・カルチャー」。あるいは、大規模な糾弾やボイコットによって対象を社会的に抹殺しようとする「キャンセル・カルチャー」。これらが内包する恫喝性や攻撃性が、当事者たちによって自省的に顧みられることがほとんどないのは、その苛烈な排除行動こそが、彼らにとっての「社会正義の執行」そのものと考えられるからです。 |
|
第2波フェミニズムの潮流から生まれた「女性学」は、1974年大学講座として開設され、以後、1980年代にかけて大学における新たな学問領域として定着していきました。さらに第3波フェミニズム期を通じて、ジェンダーやセクシュアリティに関する諸問題の研究として、社会学、人類学、法学、経済学、地理学、倫理学、文学、歴史学、哲学など従来の人文・社会科学の各領域に個別にまたは分野横断的に関わる学問として浸透しました。 学問領域で確固たる地位を築き、かつて自らが要求してきた政策課題を法律や行政のシステムへ組み込ませることに成功したフェミニズムは、本来は反体制派(カウンター・カルチャー)でありながら、皮肉にも強大な学問的・政治的権威そのものへと変貌したのです。〔・・・〕 |
|
ジェンダー主流化が国際的な潮流・国家の政策となり、フェミニズムがアカデミズムの領域で確固たる地位を築いた現代において、フェミニズムの言説は、この「イデオロギー的国家装置」として機能するようになりました。にもかかわらず、異なる意見や批判を、未だに「強者による女性蔑視」や「マイノリティ差別」という構図に収斂させ、無謬の被害者として振る舞いさえする。そこには、弁明の余地のない論理的破綻があるのです。 |
とはいえ基本的に、SNS利用によりフェミニズム宗教の醜悪さがいっそう顕著になったということだろうよ。
|
◼️ドリス・レッシング ーーノーベル文学賞作家であり、かつての英国フェミニズム運動のアイコンーーの2001年の発言 |
|
男たちはセックス戦争において新しい静かな犠牲者だ。彼らは、抗議の泣き言を洩らすこともできず、「継続的に、女たちに貶められ、侮辱されている」。[men were the new silent victims in the sex war, "continually demeaned and insulted" by women without a whimper of protest.]〔・・・〕 フェミニズムは批判できない宗教の一種になっている。もし批判したら大義への裏切り者になる。[It (feminism) has become a kind of religion that you can't criticise because then you become a traitor to the great cause] (ドリス・レッシング Doris Lessing, Lay off men, Lessing tells feminists, The Guardian, 14 Aug 2001) |
|
◼️カミール・パーリアーー米国フェミニズム文化の爆弾女ーーの2013年の発言 |
|
フェミニズムは死んだ。運動は完全に死んでいる。女性解放運動は反対者の声を制圧しようとする道をあまりにも遠くまで進んだ。異をとなえる者を受け入れる余地はまったくない。まさに意地悪女のようだ。〔・・・〕フェミニストのイデオロギーは、数多くの神経症女の新しい宗教のようなものだ。Feminism is dead. The movement is absolutely dead. The women’s movement tried to suppress dissident voices for way too long. There’s no room for dissent. It’s just like Mean Girls. 〔・・・〕Feminist ideology is like a new religion for a lot of neurotic women. (カミール・パーリア Camille Paglia on Rob Ford, Rihanna and rape culture, November 16, 2013) |
|
※参照 |
|
私は全きフェミニストだ。他のフェミニストたちが私を嫌う理由は、私が、フェミニスト運動を修正が必要だと批判しているからだ。フェミニズムは女たちを裏切った。男と女を疎外し、ポリティカルコレクトネス討論にて代替したのである。 I'm absolutely a feminist. The reason other feminists don't like me is that I criticize the movement, explaining that it needs a correction. Feminism has betrayed women, alienated men and women, replaced dialogue with political correctness. (カミール・パーリア Camille Paglia, Playboy interview, May 1995) |
ほぼ同じ理由で、柴田英里さんも他のフェミニストから嫌われてるんだろうよ。彼女はそれを面白がっている気味合いがないでもないように見えるが。
|
ま、いずれにせよフェミニズム教信者の共同体による宿命的現象であり、容易に是正し難いよ。 |
|
信者の共同体[Glaubensgemeinschaft]…そこにときに見られるのは他人に対する容赦ない敵意の衝動[rücksichtslose und feindselige Impulse gegen andere Personen]である。…宗教は、たとえそれが愛の宗教[Religion der Liebe ]と呼ばれようと、所属外の人たちには過酷で無情なものである。 もともとどんな宗教でも、根本においては、それに所属するすべての人びとにとっては愛の宗教であるが、それに所属していない人たちには残酷で不寛容になりがちである[Im Grunde ist ja jede Religion eine solche Religion der Liebe für alle, die sie umfaßt, und jeder liegt Grausamkeit und Intoleranz gegen die Nichtdazugehörigen nahe.](フロイト『集団心理学と自我の分析』第5章、1921年) |