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まァたしかに1990年以降の世界のイデオロギーはとんでもなかったよ。冷戦終焉後に教養を身につけた世代ーー当時20才としたら現在55才以下の世代ーーは、この今おおむねボロボロだろうよ。もちろん冷戦時代に育った、より年配の世代でもおバカはいくらでもいるがね。 |
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第二次大戦後の世界は全体として、アメリカのヘゲモニーの下で“自由主義”的であったといえる。それは一九世紀半ば、世界経済がイギリスのヘゲモニー下で“自由主義”的であった時期に似ている。しかし、このような世界体制は、一九七〇年代になって揺らぎ始めた。一つには、敗戦国であったドイツや日本の経済的発展とともに、アメリカの圧倒的ヘゲモニーが失われたからである。 しかし、一般に注目されたのは、一九九一年にソ連邦が崩壊し、それとともに、「第二世界」としての社会主義圏が消滅するにいたったことのほうである。このことは、「歴史の終焉」(フランシス・フクヤマ)として騒がれた。愚かしい議論である。このような出来事はむしろ、「歴史の反復」を示すものであったからだ。 そのことを端的に示すのは、一九八〇年代に、それまで「第一世界」を統率し保護する超大国とし“自由主義”を維持してきた米国が、それを放棄し“新自由主義”を唱え始めたことである。つまり、ソ連の「終焉」より前に、資本主義経済のヘゲモンとしての米国の「終焉」が生じたのだ。それは、一九世紀後半にイギリスが産業資本の独占的地位を失い、それまでの“自由主義” を放棄したこと、 すなわち、 “帝国主義”に転化したことと類似する。 (柄谷行人『力と交換様式』2022年) |
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この『力と交換様式』の柄谷は『世界史の構造』の次の図の簡潔な説明だね。 要するに1990年以降の新自由主義の別名は帝国不在の帝国主義なんだよ。権威あっての自由主義だったのでありーー《権威とは、人びとが自由を保持するための服従を意味する[Authority implies an obedience in which men retain their freedom]》(ハンナ・アーレント『権威とは何か』1954年)ーーこの事態をいまだ微塵も理解せずに、中露イランは権威主義だから悪いとマガオで言ってるリベラルインテリがいまだふんだんにいるからな。 |
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西洋はリベラル少数独裁制で構成されており、ロシアは権威主義的民主制だ[L'Occident est composé d'oligarchies libérales, la Russie est une démocratie autoritaire](エマニュエル・トッド『西洋の敗北(Emmanuel Todd, La Défaite de l'Occident)』(2024)をめぐるインタビュー) |


