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2016年1月17日日曜日

バルコニーの銀ねずみの行末

二階のバルコニーを大きなねずみがゆっくり歩いている
のをみたのは午後二時ごろだったか
夕方五時すぎに水まきしていると
そいつが庭すみにころがっていた
腹に血のにじんだ噛み痕がなんすじかある
ふとりすぎのせいであっさりつかまったのか
飼犬のどれかがやったにきまっている

明日になって臭くならないうちに
ビニール袋で手袋するようにして
尻尾をつかんでぶらぶらさせながら
樹の枝や落葉を焼く囲い場に投げ捨て
葉っぱとともに燃やす

椰子の乾いた葉はよく燃える
焔が思い切り背伸びするのをしばらくみつめる

生れたばかりの子犬ぐらいの大きさがあるやつだった
腹まわりなど柔らかそうな肉がだぶたぶしている
どぶねずみというにしては毛が銀色に光っていて美しい
油と塩胡椒でもかけて犬たちの晩飯にすべきだったか

「ぼくの誕生日は、子どものころは「すいとん」ばかりでね、
母が関東大震災の悲劇を忘れないためっていうので云々」
と小澤征爾がいったのは還暦祝いの誕生日コンサートだった

焚火をながめていると
とてもいい匂いに包まれて
懐かしい人たちの声がきこえてきそうだ

でも過去をふり返るとめまいがするよ

「日記というものは嘘を書くものね。
私なんぞ気分次第でお天気まで変えて書きます」
といったのは円地文子だ
実家には彼女の源氏物語訳があった
誰もまともに読んだ形跡はなかったけれど

ええっとーー。
山口百恵と坂本龍一の誕生日ってのは
1月17日らしいよ

誕生日祝いは「すいとん」にしてくれ
と言うわけにはいかないさ
海外暮らしでね
子どもたちはケーキと線香花火の日って思ってるからな

さてとーー。
ちょっともう思いつかないな