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2017年12月29日金曜日

わたしの生涯の何年かをむだにしてしまったなんて

「ぼくの生涯の何年かをむだにしてしまったなんて、死にたいと思ったなんて、一番大きな恋をしてしまったなんて、ぼくをたのしませもしなければ、ぼくの趣味にもあわなかった女のために」(プルースト「スワンの恋」)

《ぼくをたのしませもしなければ、ぼくの趣味にもあわなかった女のために》とは、もちろん「わたしをたのしませもしなければ、わたしの趣味にもあわなかった男のために」と言い換えることができる。

愛するということは、愛される者の中に包まれたままになっているこの未知の世界を展開し、発展させようとすることである。われわれの《世界》に属していない女たち、われわれのタイプにさえ属していない女たちを容易に愛するようになるのはこのためである。(ドゥルーズ『プルーストとシーニュ』)

(以下、削除)