このブログを検索

2020年12月27日日曜日

ナルシシズムと自殺

 ナルシシズムと死ってのは「芥川と三島の「共通な出来事」」の極端な事例を外したって古典的な話だよ。たとえばナルシシストであればあるほど、失恋したとき死にたくなるんじゃないかね。

ナルシシズムの背後には、死がある[derrière le narcissisme, il y a la mort.](J.-A. MILLER, L'Être et l'Un, 06/04/2011)





自我の起源には死がある。…死はもちろん生物学的死ではない。厳密に自殺の死である。この理由で、ラカンは二つの形容詞を結びつけた。ナルシシズム的と自殺的である。


aux origines du moi, il y a la mort,[…] Cette mort, bien entendu, ce n'est pas la mort biologique. C'est exactement la mort suicide. Et c'est pourquoi Lacan peut lier les deux adjectifs: narcissique et suicidaire. (Jacques-Alain Miller, DONC,  26 janvier 1994)


ーーナルシシズムの自殺的攻撃[l'agression suicidaire du narcissisme]. (Lacan, Propos sur la causalité psychique , E174, 1946)


ま、要するにフロイト曰くの《ナルシシズム的屈辱 narzißtische Kränkungen》(1939)を受けたら、ナルシシストでなくても死にたくなることがあるだろうし、ナルシシストだったらなおさらだよ。そもそも人は多かれ少なかれナルシシストだろうし、芸能人のたぐいの有名人だったらナルシシズムとともに生きてるようなもんだろうからな。