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2021年12月27日月曜日

ボクの「ビロードのスリッパ」

 



いやあ、ゴックン画像に出会っちゃった。ボクの自転車フェチの起源みたいな画像に。




ボクの衝撃記憶映像はもう少し穏やかで、中学時代の同級生の女の子の次のようなヤツだけど。



こういうのに出会うと、もうどうしようもなくなるんだ。ボクのビロードのスリッパのひとつだ。

ある男がいる。現在、女の性器や他の魅力 [das Genitale und alle anderen Reize des Weibes]にまったく無関心な男である。だが靴を履いた固有の形式の足にのみ抵抗しがたい性的興奮[unwiderstehliche sexuelle Erregung ]へと陥る。


彼は6歳のときの出来事を想い起こす。その出来事がリビドーの固着[Fixierung seiner Libido]の決定因だった。


彼は背もたれのない椅子に座っていた。女の家庭教師の横である。初老の干上がった醜いオールドミスの英語教師。血の気のない青い目とずんぐりした鼻。その日は足の具合が悪いらしく、ビロードのスリッパ [Samtpantoffel]を履いてクッションの上に投げ出していた。

彼女の脚自体はとても慎み深く隠されていた。痩せこけた貧弱な足。この家庭教師の足である。彼は、思春期に平凡な性行動の臆病な試み後、この足が彼の唯一の性的対象になった。男は、このたぐいの足が英語教師のタイプを想起させる他の特徴と結びついていれば、否応なく魅惑させられる。彼のリビドーの固着は、彼を足フェチ[Fußfetischisten]にしたのである。(フロイト『精神分析入門』第22章、1917年)


ないかい、きみらにはこういったリビドーの固着? これがマゾヒズムの起源のひとつなんだがな。


(性的生における)展開の長い道のりにおけるどの段階も固着点となる[Jeder Schritt auf diesem langen Entwicklungswege kann zur Fixierungsstelle](フロイト『性理論三篇』1905年)

無意識的なリビドーの固着は…性欲動のマゾヒズム的要素となる[die unbewußte Fixierung der Libido  …vermittels der masochistischen Komponente des Sexualtriebes](フロイト『性理論三篇』第一篇Anatomische Überschreitungen , 1905年)

男性はしばしば女性にたいしてマゾヒズム的態度、隷属さえ示す[Männer häufig ein masochistisches Verhalten gegen das Weib, geradezu eine Hörigkeit zur Schau tragen](フロイト『終りある分析と終りなき分析』第8章、1937年)


享楽は現実界にある。現実界の享楽は、マゾヒズムから構成されている。マゾヒズムは現実界によって与えられた享楽の主要形態である。フロイトはこれを見出したのである。 la jouissance c'est du Réel.  …Jouissance du réel comporte le masochisme, …Le masochisme qui est le majeur de la Jouissance que donne le Réel, il l'a découvert (Lacan, S23, 10 Février 1976)




足フェティシズムの最も簡潔な定式は、マゾヒズム的な秘密の覗きである[Die kürzeste formel für den Fussfet.wäre: in masochistischer Geheimseher. ](フロイト「足フェティシズムの事例」Ein Fall von Fußfetischismus, 1914年ーーオットー・ランク等同僚との未発表議事録)

毛皮とビロードはーーずっと以前から推測されていたようにーー、垣間見られた陰毛の光景への固着である[Pelz und Samt fixieren –; wie längst vermutet wurde –; den Anblick der Genitalbehaarung](フロイト『フェティシズムFetischismus』1927年)



享楽は欲望とは異なり、固着された点である。享楽は可動機能はない。享楽はリビドーの非可動機能である[La jouissance, contrairement au désir, c'est un point fixe. Ce n'est pas une fonction mobile, c'est la fonction immobile de la libido]. (J.-A. Miller, Choses de finesse en psychanalyse, 26 novembre 2008)

人の生の重要な特徴はリビドーの可動性であり、リビドーが容易にひとつの対象から他の対象へと移行することである。反対に、或る対象へのリビドーの固着があり、それは生を通して存続する[Ein im Leben wichtiger Charakter ist die Beweglichkeit der Libido, die Leichtigkeit, mit der sie von einem Objekt auf andere Objekte übergeht. Im Gegensatz hiezu steht die Fixierung der Libido an bestimmte Objekte, die oft durchs Leben anhält.] (フロイト『精神分析概説』第2章、1939年)