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2022年4月8日金曜日

政治とは殺人を避ける知恵である(丸山真男)

 丸山真男、じつにうまいこと言ってんなあ、アッタマがよかったんだろうなあ、とっても。


政治という領域は、極限状態においては殺すことを予想している〔・・・〕最終的には― 殺すという例は極端だけれども―その人の意志に反して、その人にある行動を取らせるという契機があるのが、政治行動の特色だ。

外交の努力の大部分は、戦争を抑えることにあるわけです。〔・・・〕大部分の政治はそれなんだ。しかし、暴力的対立を前提にしてるんです。そうでなければ、政治にね、それを避けるってことすら出てこないんです。いざとなりゃ暴力的対立になるという前提があるから、いかにしてそれを避けるかということになるわけです。それが政治の大部分の知恵になってくる。(丸山真男『自由について 七つの問答』第二部「私があなたと考えを異にする自由」1985)



こういうことだな、




前回のニーチェフロイト図とピッタンコだね




丸山真男は事実上、残滓まで考えていたはずだよ、外交や国際法には常に殺人欲動の残滓があると。

いたわりつつ殺す手を見たことのない者は、人生をきびしく見た人ではない。

Man hat schlecht dem leben zugeschaut, wenn man nicht auch die Hand gesehn hat, die auf eine schonende Weise - tödtet. (ニーチェ『善悪の彼岸』第69番、1886年)