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2023年5月5日金曜日

サバールのフォリアとモニカ・ピッチニーニ

 

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Antonio Martin Y Coll - La Folia (Jordi Savall, Hesperion XXI)


このサバールがやっているフォリア(スペイン舞曲)に惚れ惚れしちゃったな、偶然出会ったのだけれど。アントニオ・マルティン・イー・コールは日本語のWikiにもなく、ほとんど知られていない作曲家のようで、バッハと同時代(1650年生まれ)のようだが、舞曲でありながら祈りのにおいがぷんぷんしてきてさ、女への祈りだよ、モチロンーー《女なるものは、神の別の名である[La femme est un autre nom de Dieu]》(Lacan, S23, 18 Novembre 1975)ーー、実によい時代だったんだとあらためて思うね


どうして最近の演奏家はモーツァルトやらベートーヴェンやらショパンやらと野暮な音楽ばっかりやってんだろ? この2023年にヨーロッパの死は決定的になったが、死んだのは18世紀以降のヨーロッパであり、それ以前のヨーロッパ文化は永遠だよ、とくにイスラム文化に学んだ時期の文化はね。ワカルカイ、この今になってもベートーヴェンやらショパンやらをやってる連中ってのはシツレイながら「通夜」やってるようにしか見えないね



・・・というわけでサバールの他の演奏もこの機会にいくつか聴いてみたが、有名どころのモンテヴェルディの「ニンフの嘆き」がとても渋い演奏ですばらしい。最近はチャラいニンフの演奏が多いんだが。18世紀以降の文化に毒された「嘆き」がね、


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Monteverdi: Lamento della ninfa "Noa avea febo ancora"



ーーとくに2分20秒あたりから現れるソプラノのMonica Piccininiの声がとってもいい、いかにもサバール好みの歌手という感じだ。


実は4、5年前、彼女の歌うタールキニオ・メールラの渋さにウットリして、「ニンフの嘆き」も聴いてみたのだが、このグループとともに歌うモニカ・ピッチニーニよりもサバールグループとともの年輪を加えた彼女のほうがずっと好みだ。



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Tarquinio Merula - Canzonetta spirituale sopra la Nanna

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Claudio Monteverdi - Lamento della Ninfa - Monica Piccinini