2024年5月4日土曜日

多くのクラクラを与えてくれたアメリカ

 


Best 70 Rare Historical Photos from 1940 to 1970!より


いやあいいね とっても


大江のナオミさんを思い出しちゃったよ

ナオミさんが先頭で乗り込む。鉄パイプのタラップを二段ずつあがるナオミさんの、膝からぐっと太くなる腿の奥に、半透明な布をまといつかせ性器のぼってりした肉ひだが睾丸のようにつき出しているのが見えた。地面からの照りかえしも強い、熱帯の晴れわたった高い空のもと、僕の頭はクラクラした。(大江健三郎「グルート島のレントゲン画法」『いかに木を殺すか』所収)



しかしアメリカはいい国だったんだけどな

多くのクラクラを与えてくれたよ



元商船三井監査役、熊谷淑郎氏によれば、戦争末期も末期、昭和二十年七月、病院船「高砂丸」が米駆逐艦の臨検を受けた。乗艦してきた米水兵は皆船尾に翻る日の丸に向かってきちっと敬礼した。若き乗務員の熊谷氏には「目のくらむような驚き」だった。この時期、日本では米英の国旗を踏みつけていた。米国に兜を脱ぎたくなるのはこういう時である。(中井久夫「国際化と日の丸」神戸新聞 1991.12.26『記憶の肖像』所収)