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2024年8月30日金曜日

西側エリートが負けを認めるのは困難

 

以下、いくらかの振り返りのために、今まで引用してきた三人の識者の発言を列挙する(順不同)。


◾️ミアシャイマー「ネタニヤフの重大な過ち」John J. Mearsheimer: Netanyahu’s Grave Mistakes

interviewed by Judge Andrew Napolitano 2024/8/02  YouTube (01:38~)

世界中のほとんどの人々は、基本的にイスラエルロビーが議会を所有し、彼らが望むものはほとんど何でも手に入れることができることを十分に理解している。


◾️ミアシャイマー「イスラエルロビーと米国の政策」講演(2017年3月24日)

What Has Changed Since Publication of The Israel Lobby and What the New Administration Can Do Differently 、JOHN MEARSHEIMER ON MARCH 30, 2017

米国はイスラエルと、 現代史上類を見ない特別な関係にあり、それはほとんどロビー活動によるものである。(…) 援助は無条件に与えられる。言い換えれば、 イスラエルはヨルダン川西岸に入植地を建設するなど、 米国が反対することをしても援助を受けられるのだ。米国がほとんどあらゆる場面でイスラエルの行動を擁護することに深くコミットしている事態に気づかないのは、目も耳も不自由な人だけだろう。


◾️ミアシャイマー「失敗する運命ーーリベラルな国際秩序の興亡」Bound to Fail

The Rise and Fall of the Liberal International Order. John J. Mearsheimer 2019

「秩序」とは、加盟国間の相互作用を管理するのに役立つ国際機関の組織的なグループのことである。秩序には必ずしも世界のすべての国が含まれるわけではないため、秩序は加盟国が非加盟国に対処する助けにもなる。さらに、秩序は地域的または世界的な広がりを持つ制度で構成されることもある。大国は秩序を創造し、管理する。秩序の構成要素である国際制度は、事実上、大国が考案し、従うことに合意したルールである。ルールは許容される行動と許容されない行動を規定する。当然のことながら、大国は自分たちの利益になるようにルールを作成する。しかし、そのルールが支配国家の重大な利益と一致しない場合、支配国家はそのルールを無視するか書き換えてしまう。


◾️ミアシャイマー「バイデンの白紙委任状」John J. Mearsheimer: Biden's Blank Check, in an interview with Judge Napolitano, March 27, 2024.

われわれが望めばこの戦争を簡単に止めることができる。しかし実際のところ、ジョー・バイデンは戦争を終わらせたくはないのだ、彼がイスラエルに圧力をかけないのなら。彼はイスラエルに深刻な圧力をかけようとしない。


拘束力のある決議と拘束力のない決議が結びついた今回の事件は、イスラエルがほとんど何でもできるということを浮き彫りにした。イスラエルはやりたい放題だ。われわれはそれについてたくさん吠えるだろうが、結局のところ、私たちはイスラエルに真剣な圧力をかける気はないということだ。


◾️ミアシャイマー「西側諸国はいかにしてロシアを挑発したか」John J Mearsheimer: How the West Provoked Russia in an interview with Judge Napolitano  2024年3月23日

私は国家安全保障や外交政策に携わるウクライナ人のほとんどが自分達の時代が終わりつつある事に気づいている事に賭けている。西側諸国でも政治エリートの大半はウクライナが敗北しロシアが勝利することに気づいているはずだ。

しかし今はそれを公に認めたくないのだ。ロシアの勝利はウクライナだけでなく西側諸国にとっても敗北を意味する。だからこそ必死にそれを避けようとしている。しかしそれが成功することはないだろう。



西側エリートが負けを認めるのは困難だろうよ、認めたら犯罪人となって裁判にかけられるだろうから。だから彼らは世界大戦を選択するほかないんじゃないかね


ジェフリー・サックスやマイケル・ハドソンの言っていることも、演繹すれば同様な結論に達するね



…………………


◾️ジェフリー・サックス「ウクライナは最新のネオコン大災害」Ukraine is the latest neocon disaster By Jeffrey Sachs June 28, 2022

ネオコンの主要なメッセージは、米国は世界のあらゆる地域で軍事的に優位に立たなければならず、いつの日か米国の世界または地域の支配に挑戦する可能性のある地域の新興勢力、特にロシアと中国に立ち向かわなければならない、というものである。この目的のために、米国の軍事力は世界中の何百もの軍事基地にあらかじめ配置され、米国は必要に応じて選択の戦争を導く準備をしなければならない。国連は、米国の目的に役立つときだけ、米国が利用するものだ。


◾️ジェフリー・サックス「米国覇権の死は平和をもたらすか、それとも第三次世界大戦をもたらすか?」Jefferey Sachs: Will the Death of U.S. Hegemony Lead to Peace―Or World War III? in an interview with Mike Billington, May 15, 2024.

米国ーー私がこの語で意味するのは、軍産複合体、つまり安全保障機構・情報機関・国防総省・軍需企業、そして議会における彼らの支持者たちからなる少数の権力者たちだが、彼らが考える米国の覇権を維持したいと考えている。〔・・・〕構造的に、米国の安全保障体制は覇権を求めて戦っており、世界大戦を引き起こす可能性がある。


◾️ジェフリー・サックス「イスラエルに従属するアメリカ」Jeffrey Sachs: US Subservient to Israelinterview with Judge Napolitano , July 31, 2024.

イスラエルロビーは選挙資金や多くの議員の愚かさと無知さを通じて、イスラエルのジェノサイドのために何百億ドル、何千億ドルもの武器を購入してきた。これらのいわゆる議員の多くがいかに無知であるかを過小評価すべきではない。私たちはそれをはっきりと見たと思う。これは私たちの目の前で起こっているアメリカ政治の崩壊だ。


◼️ジェフリー・サックス「アジア太平洋NATO:戦争の炎をあおる」 2023年7月10日

An Asia-Pacific NATO: Fanning the Flames of War   Jeffrey Sachs July 10, 2023

軍産複合体とその企業ロビーは、私が教えている東海岸の大学を乗っ取っている。私はハーバード大学で20年以上教え、現在はコロンビア大学で教えている。大学における情報機関の影響力は、私の経験では前例がない。  これらはすべて、あまり世間に知られることなく、ほとんどサイレント・クーデターのように起こっている。  議論もなく、公の政治もなく、正直さもなく、文書も公開されていない。すべてが秘密であり、機密であり、少しミステリアスである。  私はたまたま世界中の国家元首や閣僚と関わる経済学者であるため、公式の「物語」や蔓延する嘘を突き通すのに役立つ多くのことを聞き、多くのことを目にしている。


◾️ジェフリー・サックス「アメリカの地政学的地位は崩壊しつつある」2024年5月17日

America’s geopolitical position is crumbling By Jeffrey D. Sachs May 17, 2024

リクード党(党首ネタニヤフ)の戦術的信念は、米国はどんな状況でも常にそこにいるということだ。なぜなら、イスラエルロビー(ユダヤとキリスト教福音派の両方)と米国の軍産複合体は常にそこにいるからだ。リクードの賭けは過去に常に成功しており、彼らはそれが将来も成功すると信じている。確かに、イスラエルの暴力的過激主義はバイデンへの米国の若い有権者の支持を失わせるだろうが、もしそうなれば、それは単に11月のトランプの選挙勝利を意味するだけなので、リクードにとってはなおさら良いことだ。


◾️ジェフリー・サックス「イスラエルはどう変わったか」Jeffrey Sachs, How Israel Has Changed in an interview with Judge Napolitano, May 20, 2024.

私たちはCIA、 国家安全保障会議、 ペンタゴン、 大手武器請負業者が外交政策を決定する帝国主義国家に住んでおり、議会は軍産複合体からの巨額の選挙資金提供によってほぼ完全に従属しています。 つまり、私たちはアメリカ国民の価値観ではない外交政策を持つ帝国主義国家に住んでいます。


そのような国に住んでいると、政府が毎日嘘をつくためには何よりも秘密が必要です。そのような状況では、嘘を暴露する者は最悪の敵となりなす。嘘を作る者でも物語を語る者でもなく、政府の視点では嘘を暴露する者が最悪の敵なのです。


◾️ジェフリー・サックス「JFK、陰謀論、イスラエルとパレスチナ、そしてガザでの戦争の終結」Jeffrey Sachs: JFK, Conspiracy Theories, Israel-Palestine, and Ending the War in Gaza in an interview with Robinson Erhardt, April 7, 2024.

陰謀とは、犯罪を犯したり国際法に違反したりするために集団で集まることを意味します。これは広く行われています。陰謀論はそれ自体が異端であったり馬鹿げているという考えは誤った理解です。


我が国の政府は常に陰謀を企て、国際法を常に侵害しています。そして、そのたびに、それは一人の人間の行為ではなく、国際法を侵害する集団の行為であるため、それ自体が陰謀なのです。


さて、陰謀論者や陰謀論を信じる人は頭がおかしいという考えを広めたのは誰でしょうか? そうです、陰謀を企てる人たちです。米国政府は、陰謀を信じる者は異端者か異端者を超えていると私たちに信じさせようとしているが、米国政府は明らかに常に陰謀を犯しています。 


CIA の活動面では、何を生業としていると思いますか? 政府を転覆させること、政府を転覆させようとすることです。それは陰謀です。それは非主流ではなく、核心です。



……………………


◾️マイケル・ハドソン「米国の共犯:イスラエル、援助、そして議員の循環フロー」US Complicit: Israel, Aid and the Congressman’s Circular Flow By Michael Hudson, August 1, 2024

イスラエルは選挙資金提供者を通じて米国議会を買収している。 しかし、そこには循環的な流れがある。 議会はイスラエルに援助を与える。 イスラエルは得た援助の一部を使って、議員たちに支払うロビー活動に還元する。 つまり、彼らがイスラエルに与えるものはすべて、その一部が彼らの懐に入るのだ。 これが、市民連合とそれに関連するもののせいで、私たちが持っている循環の流れです。 つまり、機能不全に陥ったアメリカのシステムが腐敗しているのだ。


◾️マイケル・ハドソン「警察国家の触手としての大学」2024年4月29日

Universities as Tentacles of the Police State By Michael Hudson,  April 29, 2024

議会はイスラエルに莫大な補助金を与え、イスラエルはその一部を献金者に奉仕する政治家の選挙キャンペーンに再利用している。 これは、ウクライナが米国の「援助」を利用する際に、資金力のあるロビー団体を設立して顧客の政治家を支援するのと同じ方針である。


◾️マイケル・ハドソン「ドル覇権の愚かな運命」

The Dumb Luck of Dollar Hegemony, Michael Hudson, November 26, 2023

歴史家は、バイデンはおそらく現代史上最悪の大統領であり、オバマよりもひどいと言うだろう。 しかし実際はバイデンの問題ではない。というのも、バイデンは、彼の背後にいるディープステート全体のフロントマン、ネオコン・グループ全体のフロントマンに過ぎないからだ。そのまさにネオコンのメンタリティが、好戦的な金融資本主義の最後のあがきであり、米国全体の計画を自己破壊させるものだ。 ロシアや他の国々を切り刻み、分割し、征服する代わりに、彼らはロシアではなくアメリカを孤立させた。 ドル圏とともにヨーロッパを孤立させた。 そして、世界の他の国々全体を統合し、彼らには全く異なる方向にある共通の未来があることを悟らせたのだ。


◾️マイケル・ハドソン「金融資本主義の自己破壊的性質」Finance Capitalism's Self-Destructive Nature By Michael Hudson  July 18, 2022

金融資本主義とは、上位1%に属する人がいかにしてタダ飯を手に入れるかということだ。


◾️ジル・スタインとマイケル・ハドソン「エリート帝国主義の白黒」 2024年5月18日

The Black & White of Elite Imperialism with Jill Stein  by MICHAEL HUDSON May 18, 2024

ジル・スタイン:……私たちは今、経済エリートが政治エリートに命令を下しているような悪循環の中にいます。そして多くの場合、経済エリート自身が政治エリートであり、私たちの政治システムに入り込む億万長者なのです。そして、政治システムの内部で、彼らは富と寡頭政治家の利益をさらに集中させる政策を生み出しているのです。つまり、私たちは現在、寡頭政治と帝国主義の状況にあります。〔・・・〕


マイケル・ハドソン: そうですね、基本的に本当の有権者は寄付者層、つまりあなたが言った億万長者です。なぜなら、彼らは候補者を支援するために資金を提供することができるからです。お金でテレビの時間を買い、投票用紙に署名を集める人を雇うのです。 オリガルヒのための民主主義とも言えますが、それは寡頭政治と呼ばれるものです。 選挙で選ばれたわけでもない億万長者たちが、誰を支持するかによって予備選の投票権を決めるだけでなく、CIA、NSA、FBI、ディープ・ステート(深層国家)のような秘密政府も存在します。


◾️マイケル・ハドソン「軍を通じてのドルの海外送金」2023年6月12日

 Sending Dollars Abroad … via the Military By Michael Hudson, June 12, 2023

ーーバイデン政権に、 脱ドル化のプロセスを止めるための、直接的な軍事介入以外の手段はありますか?


いいえ、 今のアメリカには軍事介入しかありません。硬直しています。アメリカは長年、 核兵器に多大な投資をしてきたため、 徴兵制を復活させ、 武装した軍隊を他国に侵攻させることはできません。 ベトナム戦争の時のように、学生の抗議が起きるからです。2015年の米国支援のクーデター後にウクライナ人がやってきているような自殺行為の戦争を、 他の国にもやらせることができない限り、 米国が本当に軍事的に戦うことができるのは核兵器だけなのです。しかし、他の国をウクライナのようなことをやらせるのは難しそうだ。 台湾人がそんなことをやりそうにない。 日本人だけがやる可能性がある。


◾️マイケル・ハドソン「なぜ米国はイスラエルを支持するのか?」Why does the US support Israel? By  Michael Hudson 2023/11/12

私たちが目にしているのは、ウクライナ人最後の一人までロシアと戦い、イスラエル人最後の一人までイランと戦うという脅迫である。さらに米国は台湾に武器を送り、中国に対して最後の台湾人まで戦いたくないか、と言おうとしている。それが世界中で行われている米国の戦略である。

自国の支配のために他国を煽って戦争をさせようとしているのだ。〔・・・〕


イスラエル、そしてガザでの全攻撃をめぐってニュースになっていることは、サラエボでの銃撃戦が第一次世界大戦の始まりであり、セルビアでの銃撃戦がすべての始まりであったように、この戦争の序章、引き金にすぎない。