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2019年12月23日月曜日

彼女の股は空虚である



驚愕した陶器の顔の母親の口が
赭い泥の太陽を沈めた (吉岡実「僧侶」)






彼女の股は空虚である
ぼくはそこに乞食が物を乞うのをさえ見た

ぼくの精液は白い鳩のように羽搏く

氷のように曇った彼女の頬が見える
花のように曇った彼女の陰部が見える
そして鳥たちは永遠に
風のなかに住むだろう
狂った岩石のように。

盲目の鳥たちは光の網を潜る。

ーー瀧口修造「地上の星」