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2020年1月23日木曜日

ニブサから逃れるための初歩訓練

池内恵@chutoislam「リベラル=おっさん仕草に気をつけろ」今日の戒め(2020年1月23日)




女性に対するセクシャルハラスメントについて、男性が声高に批難している場合は、とくに気をつけなければならない。「親フェミニスト的」でポリティカルコレクトネスの表面をちょっとでもこすれば、女はか弱い生き物であり、侵入してくる男からだけではなく究極的には女性自身からも守られなくてはならない、という古い男性優位主義的な神話がold male-chauvinist mythあらわれる。(ジジェク『ラカンはこう読め!』2006年)

そもそもグレタ・トゥーンベリ曰くの「わたしの声を聞いてほしいわけではありません。科学者の声を聞いてほしいんです」もせず、ただツイッター上で彼女の応援団をやっている連中自体、「表面的な、利用されやすい庶民的正義感のはけ口に終わるおそれがある(中井久夫)ーーいやこの問題に限らず、ほとんど常にツイッター装置での合唱団は、表面的な、庶民的正義感の吐露集団にすぎず、浅はかなお祭り騒ぎにすぎない。

人は忘れるのだ。深く考えなかったこと、他人の模倣や周囲の過熱によって頭にタイプされたことは、早く忘れる。周囲の過熱は変化し、それとともにわれわれの回想も更新される。外交官以上に、政治家たちは、ある時点で自分が立った見地をおぼえていない、そして、彼らの前言とりけしのあるものは、野心の過剰よりは記憶の欠如にもとづくのだ。社交界の人々といえば、ほとんどの事柄はおぼえていないにひとしいのである。(プルースト「囚われの女」)


ところで一部で評判になっている書で、こんなことが言われている。

21世紀の大いなる決定的出来事ーー人間の歴史における大いなる決定的出来事のひとつーーがあと30年ほどで起こる。世界人口が減り始めるのである。いったん減少が始まれば、2度と増加に転じることはない。(ジョン・イビットソン&ダレル・ブリッカー『Empty Planet(無人の惑星)』2019年)

「いったん減少が始まれば、2度と増加に転じることはない」が本当か否かは別にして、前段の記述と同様の予測をする機関がいくつかある。世界人口減少があるとすれば、そのとき環境問題はどうなるのか?