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2020年3月27日金曜日

コロナ対策ムラ


Hiroshi Nishiura@nishiurah
正直なところ、厚生労働省(5号館)ビルでは言論に関する自由の翼はおられますから、フリーで科学的な発言をすることはできていません。流行が終われば厚労省の身分から離れる立場の自分でも、自由に研究者として話してはおらず、「これは言わないでね」と言われるものがあります。それはあります。3/5 (西浦博 2020年03月27日)


ーーははあ・・・もはやいまさらだが。


情報とは権力である」と、あらためて感じた。課長でも教授でも、それなりの権力者は然るべき情報をバイパスされると「私は聞いていない」と怒るではないか。そして東電は、国民の代表である菅直人前首相にいちばん重要な情報を知らせていなかった。 

 あの時、国家の権力と世界の命運とは日本政府ではなく東電あるいは原子力ムラという国家寄生体に移っていた。菅氏は権力を奪われて孤独であった。海外はすでに恐怖していた。米国は早々に高度の警戒体制に入った。あっというまに放射性物質を含んだ雲が地球を一まわりするのはチェルノブイリで経験済みだった。菅前首相が東電本社に乗り込んだのはよくよくのこととみるべきである。 

 「ただちには人体に有害でない」と聞いた。「ただちには」に、いや「には」にすべてがかかっていたのだ。「ただちに」危険があれば、チェルノブイリを超えて原子爆弾である。なお、爆発直後にどの範囲まで汚染された灰がばらまかれたか、初期に試算がなされていたのに、その図が新聞に掲載されたのは何と9月に入ってからである。(中井久夫、神戸新聞コラム(2011. 9. 18)「清陰星雨」)
今起きている危機は、福島原発事故についてだけのことではないのです。私が最も絶望させられたのは、電力会社、政府の役人、政治家、メディア関係者が結託して放射能の危険を隠すために行った「沈黙による陰謀」とも呼ぶべき行為です。去年の3月11日以来、たくさんの嘘が明らかになりました。そしておそらくは、まだこれからも明らかになってゆくでしょう。これらのエリートたちが真実を隠すため陰謀を巡らせていたことが明らかになって、私は動揺しています。ぼくたちは、そんなに騙しやすい国民なのでしょうか? (大江健三郎「僕たちは、そんなに騙しやすい国民でしょうか。」ルモンド紙 2012年3月16日)