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2021年11月1日月曜日

エコーチェンバーなるタコツボ現象

 


ははあ、こんな概念があるんだな。



エコーチェンバー現象(Echo chamber)とは、閉鎖的空間内でのコミュニケーションが繰り返されることにより、特定の信念が増幅または強化されてしまう状況の比喩である。エコーチェンバー化、またはエコーチェンバー効果(echo-chamber effect)とも言う。(Wikipedia)


ーーということらしいが、これは要するに蛸壺現象、蛸壺効果のことだろう。ツイッターでいえば、今までにも繰り返し指摘してきたが、「タコ壺クラスタ内での湿った瞳を交わし合い頷き合い」によって外部のモノが見えなくなる現象だ。


丸山真男による由緒正しい定義があるんだから、エコーチェンバーなんて言葉使わずに、たこつぼ現象、タコツボ効果でいいのにな。


自由が狭められているということを抽象的にでなく、感覚的に測る尺度は、その社会に何とはなしにタブーが増えていくことです。集団がたこつぼ型であればあるほど、その集団に言ってはいけないとか、やってはいけないとかいう、特有のタブーが必ずある。


ところが、職場に埋没していくにしたがって、こういうタブーをだんだん自覚しなくなる。自覚しなくなると、本人には主観的には結構自由感がある。これが危険なんだ。誰も王様は裸だとは言わないし、また言わないのを別に異様に思わない雰囲気がいつの間にか作り出される。…自分の価値観だと思いこんでいるものでも、本当に自分のものなのかどうかをよく吟味する必要がある。


自分の価値観だと称しているものが、実は時代の一般的雰囲気なり、仲間集団に漠然と通用している考え方なりとズルズルべったりに続いている場合が多い。だから精神の秩序の内部で、自分と環境との関係を断ち切らないと自立性がでてこない。


人間は社会的存在だから、実質的な社会関係の中で他人と切れるわけにはいかない。…またそれがすべて好ましいとも言えない。だから、自分の属している集団なり環境なりと断ち切るというのは、どこまでも精神の内部秩序の問題です。(「丸山真男氏を囲んで」1966年)


最近の東大のエラいセンセでもタコ壺現象やってるのは少し前に見たところ(参照)。



タコツボ現象とは、加藤周一の言い方ならこういうことだ。


聞きたいことは信じやすいのです。はっきり言われていなくても、自分が聞きたいと思っていたことを誰かが言えばそれを聞こうとするし、しかも、それを信じやすいのです。聞きたくないと思っている話はなるべく避けて聞こうとしません。あるいは、耳に入ってきてもそれを信じないという形で反応します。(加藤周一「第2の戦前・今日」2004年)