2022年3月28日月曜日

米ポチ症状

 細谷雄一とか前回の篠田英朗とかの「国際政治チャンネル」の連中ってのは、ホントにどうしようもない米ポチ国際政治学者なのであって、それをまったく感じないのなら、既に米ポチ症状にどっぷり浸かっているってことだよ。



ごくごく紳士的な浅井基文さんだって呆れ返っているよ、あの連中に。もはや笑うしかないんだ。




東アジアの平和に対するロシア・ウクライナ紛争の啓示

浅井基文 3/21/2022

ロシア・ウクライナ紛争に関しては、①ロシアがウクライナに対して武力侵攻を起こしたことをどう見るかという問題、②ロシアが今回の行動を起こすに至った(起こすことを余儀なくされた)原因は何か、という二つの問題があります。アメリカ以下のいわゆる西側諸国(残念ながら日本を含みます)はもっぱら前者を問題視し、ロシアの行動は国際法が禁止する侵略であると断じて、ロシアを糾弾しています。


しかし、私は、ロシアがウクライナに対する軍事侵攻を起こす前に、アメリカとNATOに対して行っていた外交努力(特に2021年12月の「不可分の安全保障原則」を具体化する安全保障に関する協定の提案)をフォローしていました。簡単に言えば、アメリカとNATO諸国はロシアに対してくり返し「安全保障不可分原則」を約束、確認してきたにもかかわらず、5回にわたる東方拡大と旧ソ連邦諸国におけるいわゆる「カラー革命」によって、ロシアの安全保障にとって死活的な「緩衝地帯」を次々と奪いあげ、今や残っている緩衝地帯は事実上ウクライナのみになっています。そのウクライナは、2014年以来「NATO加盟」を標榜する親西側の政権に支配されてきました。ロシアがアメリカに対して、東方拡大をウクライナまで広げないことの確約を求める安全保障協定の提案を行ったのは、ウクライナだけは緩衝地帯として確保したいロシアのギリギリの要求でした。ところが、アメリカとNATOはロシアの提案に応じませんでした。「時間はロシアに味方しない」と判断したロシアはウクライナ軍事侵攻に踏み切るまでに追い込まれた。それが私の判断です。

 


つまり、アメリカとNATOが「安全保障不可分原則」を遵守せず、「東方拡大」を無制限に推し進めてきたことが、ロシアのウクライナ軍事侵攻を不可避ならしめた根本原因だということです。アメリカとNATOがロシアの今回の提案を受け入れ、「緩衝地帯としてのウクライナは残しておく」と確約さえしていれば、今回の軍事侵攻は回避できたはずでした。重要なことは、今からでも、アメリカとNATOがロシアの提案を受け入れさえすれば、ロシアは軍事侵攻を終了する用意があるということです。今回の問題を作り出した張本人・元凶はアメリカとNATOであり、問題解決の真のカギを握っているのもアメリカとNATOです。〔・・・〕


伝統的にロシア(ソ連)に対して悪いイメージが支配する日本の政治・社会がロシアのウクライナに対する武力侵攻に対してロシア非難・批判一色に染まったのは、予想範囲内のことでした。しかし、一定の肯定的評価を得ている学者、研究者、ジャーナリストまでが一方的な非難・批判の側に組みする姿を見て、私は日本の政治・社会の根深い病理を改めて思い知らされました。〔・・・〕日本の政治・社会の際立った病理の一つは、「赤信号一緒に渡れば怖くない」という集団心理の働きが極めて強いということです。ロシア非難・批判一色に染まったのはその典型的現れです。


岸田政権の対ロ制裁措置に対するロシアの対日対抗措置
-EUの対ロシア・アプローチの間違いを「他山の石」にー

浅井基文 3/23/2022

ロシアのウクライナに対する軍事侵攻に対して、西側メディア(及びそれを受け売りする能しかない日本メディア)の「ロシア=侵略者、ウクライナ=犠牲者」宣伝に洗脳された日本社会が「ウクライナ支援」一色に染まる中、バイデン政権に忠誠を尽くすこと(G7の一員として行動すること)しか念頭にない岸田政権も負けじとばかり、ロシア政府関係者の資産凍結制裁措置(2月27日)、一部のロシア銀行に対するSWIFTからの締め出し(2月28日)、ロシアに対する最恵国待遇取り消し(3月12日、正式決定は16日)、ロシア外務省のザハロヴァ報道官、8名のロシア国防省次官を含む15人の個人に対する追加制裁(3月18日)等々を発動しています。〔・・・〕安倍晋三氏が「トランプのポチ」だったとしたら、岸田文雄首相は「バイデンのポチ」そのものです。


バイデン政権の対ロ包囲網「戦略」の本質

浅井基文 3/28/2022

ロシア・ウクライナ戦争に関する「事実関係」が完全に西側メディアの報道によって歪められてしまっている日本国内では、ロシアがウクライナに対する軍事侵攻を余儀なくされた根本原因がアメリカ主導のNATO「東方拡大」、特にロシアにとって最後の緩衝地帯であるウクライナをも「東方拡大」の対象にすることを排除しないバイデン政権の対ロ政策に対する危機感にあることを正確に認識する向きはほとんどありません。〔・・・〕


ロシアの軍事侵攻は、戦争を禁じた国連憲章第2条4項違反で許されないことは間違いありません。しかし、ロシアをそこまで追い込んだアメリカの対ロ政策、さらにいえば、相変わらず世界の「一極支配」にしがみつくバイデン政権の危険な本質を見極めないと、今後も私たちはアメリカそして西側メディアによって「思いのままに動かされる操り人形」であり続けることになってしまいます。私は、物事の現象面と本質面とを冷静に見極める判断力を私たち日本人が我がものにすることが何よりも求められていると考えます。〔・・・〕


ロシア・ウクライナ危機勃発後、アメリカはロシアに対する制裁を不断にエスカレートさせ、しかも、全世界にアメリカの味方になることを迫り、その結果、景気回復に悩んでいる世界経済にさらなる重荷を負わせ、各国民生は本来受けるべきでない損害に見舞われている。アメリカは今やグロテスクな巨人に成り下がった。制裁や戦争という手段だけが異常に発達し、平和と発展を促す建設のための手段は筋肉の萎縮を起こして機能退化してしまい、その結果、戦争反対をいいつつ至る所で戦争を引き起こし、平和をいいつつ気の向くままに平和を破壊している。