ラカンは最も偉大なフロイディアンだった [Lacan a été le plus grand des freudiens](ジャン=ルイ・ゴー Jean-Louis Gault, Hommes et femmes selon Lacan, 2019) |
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ラカンはフロイトを徹底的に読み込んだのであり、そのなかの僅かな「フロイト批判」の言葉を取り上げて、フロイトなしで済ませされるなどというのはとんでもない勘違いだよ。
「フロイトはもう古い」とか言っている精神科医や学者がウヨウヨいるが、終わってるね、連中は。マルクスが古い、さらにプラトンが古いと言ってるようなもんだよ。
◼️ラカンのセミネール(音声聞き取り版)➡︎「STAFERLA」 |
◼️ミレールのセミネール「L’orientation lacanienne: le cours de Jacques-Alain Miller」 |
ジャック=アラン・ミレールは、ラカンから引き継いだセミネールを30年やって2011年に終えた。2020年にそのセミネールをまとめて上梓し次のように言った。
もしラカン的オリエンテーションがあるとすれば、それはラカン的ドグマがないからであり、言語のように構造化された無意識さえもなく、入門書、座右の銘、大要、ドグマティズムを生じさせるような変更不能のテーゼもないのである。 あるのは、フロイト的出来事の基盤テキストとの継続的な対話、つまり、経験ーー経験を構造化する枠組を以ったそれーーとの絶え間ない遭遇の永遠のミドラーシュ(注釈術ーー捜し求めること)があるだけである。 |
S’il y a orientation lacanienne, c’est qu’il n’y a aucun dogme lacanien, pas même l’inconscient structuré comme un langage, aucune thèse ne varietur qui donnerait lieu à abécédaire, bréviaire, compendium, dogmatique. Il y a seulement une Conversation continuée avec les textes fondateurs de l’événement Freud, un Midrash perpétuel qui confronte incessamment l’expérience à la trame signifiante qui la structure. ーーJacques-Alain Miller. Publié le 09/12/2020 |
ここではミレールは「無意識は言語のように構造化されている」を否定している。これこそ最悪のドグマだったんだよ。現在からみれば、ひどい誤読したと言ってもよい、フロイトを。
➡︎ 「原無意識ーー話す存在[parlêtre]=話す身体[corps parlant]=異者身体[Fremdkörper]」