新年は、死んだ人をしのぶためにある、 心の優しいものが先に死ぬのはなぜか、 おのれだけが生き残っているのはなぜかと問うためだ、 でなければ、どうして朝から酒を飲んでいられる? 人をしのんでいると、独り言が独り言でなくなる、 きょうはきのうに、きのうはあすになる、 どんな小さなものでも、眼の前のものを愛したくなる、 でなければ、どうしてこの一年を生きてゆける? ーー「きのうはあすに」 |
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おれたちはみな卑怯者だ、 百円の花を眺めて百万人の飢え死を忘れる、 強い者のまえでは伏し目になり、 弱い者のまえでは肩をそびやかす。 ーー「卑怯者」 |
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戦いと飢えで死ぬ人間がいる間は おれは絶対風雅の道をゆかぬ ーー「やせた心」 |
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(中桐雅夫『会社の人事』所収、1979年) ・・・とはいえいくら気張ったって ヒトは「風雅」の道に逃げるんだよ そうでないと人生やってけないね おれたちはみな卑怯者さ
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