何度も繰り返しているが、「人間の構造「自我エス残滓」」や「抑圧は翻訳の失敗」「原抑圧文献」などに記した通り、原抑圧は固着 Fixierung のことだよ。で、ラカンの現実界(現実界の享楽)はこの原抑圧としての固着だ。私も人のことはあまり強くは言えないがーーようやく4年ほどまえに悟っただけなのでーー、なぜこれが今まで充分に認知されてこなかったのかが、フロイトをいくらか詳しく読み込むと不思議でならないね。
で、原抑圧は最初の抑圧(一次抑圧)ということであり、欲動の固着(リビドーの固着)。通常、原抑圧が排除であるのはほぼ認知されているが、この排除とは欲動をエスに置き残すこと。この「置き残し」Zurückbleiben の別名が「残滓」Resteだ。で、この残滓の別名が異物とも訳されてきた「異者としての身体」Fremdkörper。
簡潔に語彙抽出すれば次の通り。
これはどこをどうひっくり返しても決定版なんだ。ところが、日本フロイトラカン業界では私の知る限り、いまだしかと認知されておらず、こう言ってよければ、連中のフロイトラカン注釈書は全滅。
以上。