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2023年7月19日水曜日

それについて実際どう思いますか?

辺見庸は今ごろなんでこんなこと言ってるんだろ?



マイダンクーデターにも触れず、「侵略されたウクライナ」、「プーチン政権だけではない。NATOも充分に醜い」等々・・・。いまは病いを抱えた孤独な老齢者で、取得する情報も僅かなのかもしれないが、いくらなんでも彼の宇露戦争への認識の甘さに呆然とさせられる。まさか「大本営発表」を鵜呑みにするところまでおちぶれたとは思いたくないが、しかしほとんどそう感じざるを得ない。これが威勢のよかった左翼作家の末路なのか。


最近は宇露戦争についての「常識的」観点をもう掲げることはしなくなったが、やはりこういったことは繰り返し再掲すべきなのだろう。ここでは最も基本版を四つ抜き出す。


◼️ウクライナ軍総司令官 ヴァレリー・ザルジニーへのインタビュー

An interview with General Valery Zaluzhny, head of Ukraine’s armed forces   

The Economist 2022/12/15

ヴァレリー・ザルジニー:我々にとって、戦争は2014年に始まりました。私個人にとっては2014年7月です[For us, for the military, the war began in 2014. For me personally in July 2014]。そして、2014年の時点では、戦争が本当に何なのか、まったく知りませんでした。〔・・・〕


大規模な侵略が始まったときに私たちがしたことは、2014年の時点ですでに持っていた知識だけでなく、それ以降に得た技術や経験を実行することでした。そして、私たちが得た最も重要な経験であり、ほとんど宗教のように実践してきたことは、ロシア人や他の敵は殺さなければならない、ただ殺さなければならない[And the most important experience we had and the one which we have practiced almost like a religion is that Russians and any other enemies must be killed, just killed, and most importantly, we should not be afraid to do it. And this is what we are doing.、そして最も重要なことは、それを行うことを恐れてはならない、ということです。そして、 これが私たちがやっていることです。

2月24日に起こったことは、規模の拡大だけです[all that happened on February 24th was an increase in scale.]


◼️ダニエル・コバリク Daniel Kovalik: Why Russia's intervention in Ukraine is legal under international law, 23 Apr, 2022

2022年2月のロシア軍侵攻に先立つ8年間、ウクライナではすでに戦争が起こっていたという事実を受け入れることから、議論を始めなければならない。そして、キエフ政府によるドンバスのロシア語圏の人々に対するこの戦争は、ロシアの軍事作戦以前から約1万4000人(その多くは子ども)の命を奪い、さらに約150万人を難民化させた戦争であり、間違いなく大量虐殺であった。つまり、キエフの政府、特にそのネオナチの大隊は、まさに民族性の理由で民族的ロシア人を少なくとも部分的には破壊することを意図して、これらの人々に対する攻撃を行ったのである。


米国政府やメディアはこうした事実を必死に隠そうとしているが、否定できない事実であり、それが不都合になる以前には、欧米の主流メディアが実際に報道していたのである。

One must begin this discussion by accepting the fact that there was already a war happening in Ukraine for the eight years preceding the Russian military incursion in February 2022. And, this war by the government in Kiev against the Russian-speaking peoples of the Donbass – a war which claimed the lives of around 14,000 people, many of them children, and displaced around 1.5 million more even before Russia’s military operation – has been arguably genocidal. That is, the government in Kiev, and especially its neo-Nazi battalions, carried out attacks against these peoples with the intention of destroying, at least in part, the ethnic Russians precisely because of their ethnicity.  

While the US government and media are trying hard to obscure these facts, they are undeniable, and were indeed reported by the mainstream Western press before it became inconvenient to do so.




◼️遠藤誉「2014年、ウクライナにアメリカの傀儡政権を樹立させたバイデンと「クッキーを配るヌーランド」」2022/5/01

……この「マイダン革命」勃発には、オバマ政権におけるバイデン副大統領やその部下に相当するヌーランドが関係しており、親露政権を倒して親欧米政権を樹立することに奔走していた事実を疑う人は今では少ないだろう。

 なんと言っても、2015年1月31日、CNNのインタビューで、当時のオバマ大統領が「(ヤヌコーヴィチ政権転覆のための)クーデターに、背後でアメリカが関与していた」という事実を認めたのだから。〔・・・〕


ヌーランドが、新しく樹立させようとした親米のウクライナ政権に関して、人事まで決めていた会話が録音されてリークされた。そのお陰で、いま私たちはヌーランドの生の声を聴くことができる。会話の相手は前述の写真に出てくる駐ウクライナのアメリカ大使だ。

 リークされたのが「2014年2月4日」で、実際に会話が交わされたのは「2014年1月末」とのこと。

 ヌーランドが会話の中で列挙しているウクライナ政界の人物は「ボクシングの元ヘビー級世界チャンピオンであるクリチコ」や「ヤッツ(アルセニイ・ヤツェニュク)」などで、彼女は「ヤツェニュク」を、「経済経験のある人物」として評価している。のちに発足した親米のポロシェンコ政権で、「ヤツェニュク」は首相に就任している。

 親欧米というより、「親米」と書いたのは、ヌーランドが録音された会話の中で、"Fuck the EU"(EUのクソったれ!)と言っているからで、ヌーランドはEUに激しい不満を抱いているからだ。したがって、「アメリカの言いなりになってくれさえすればいい」と考えていたことが推測され、アメリカの傀儡政権を樹立させるために、バイデンやヌーランドが動いたと見るべきだろう。


遠藤誉さんは1941年生まれだよ、辺見庸は、ーー1944年生まれだな・・・


◼️遠藤誉2022年3月10日記事における2008年以降のウクライナ年表


年表:ウクライナの中立は如何にして潰されたのか


ウクライナ

欧米側の動き

親欧米派

親露派

2008

1月の世論調査では、50%のウクライナ人がNATO加盟に反対、24.3%がNATO加盟を支持

1月、大統領立候補者オバマがウクライナのMAP加盟を歓迎すると発表


4月、ブッシュ大統領がウクライナ訪問、NATO 加盟を支持

4月、NATOブカレストサミットでドイツとフランスの反対によりウクライナのMAP加盟が却下された



9月、ウクライナ-EUサミット

4月、アメリカのブッシュ大統領がキエフを訪問した際、1000人程度のウクライナ人がキエフでブッシュに抗議活動

2009

5月、EUの東方パートナーシップに参加


7月、バイデン副大統領がウクライナ訪問、ウクライナのNATO 加盟を強く支持すると発言

2010


ヤヌコーヴィチが

3月、EU 訪問

6月、EUとの自由貿易協定に関する法整備

6月、NATO と軍事演習などをする協力計画を許可


10月、EUとの間のビザ免除ロードマップを締結

2月、ヤヌコーヴィチが大統領当選、ヤヌコーヴィチ政権発足

ヤヌコーヴィチが

3月、モスクワ訪問

4月、ロシア黒海艦隊の契約を延長

6月、中立を保ち、NATO に加盟しない法律を措定


2011


8月、ティモシェンコ元大統領を汚職で逮捕

ティモシェンコの逮捕は国策捜査だとして非難

2012

3月、EUとの連合協定を仮調印

7月、ロシア語の地位を守る法律を採決

ティモシェンコの釈放を要求

2013

11月21日夜、EUとの連合協定調印中止を受けて、野党党首の呼びかけによるマイダン革命勃発

11月21日、EUとの連合協定調印を中止


12月15日、ジョン・マケイン共和党上院議員とクリス・マーフィー民主党上院議員がウクライナを訪問し、野党党首と会談して、マイダン革命を支持した大衆を応援し激励した

2014

2月、ウクライナ騒乱、言語法廃止

6月、ポロシェンコ政権発足

10月、議会選挙後NATO加盟を優先事項に

12月、中立放棄を宣言、ポロシェンコがNATO加盟に国民投票を約束

2月、ヤヌコーヴィチ大統領ロシアへ亡命

3月、クリミア独立宣言、ロシアによるクリミア併合、ドンバス地方武装蜂起

4月、ドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国建国

9月、ミンスク議定書を調印


2014年初頭、バイデンがオバマにウクライナ問題を担当したいと申し出て、ウクライナに軍事援助(対戦車ミサイル)の提供をしたいと主張したがオバマにより却下された

2月、ヌーランドアメリカ国務次官補とパイアット在ウクライナアメリカ大使、ウクライナの政変を望み、野党指導者に期待する役割について話し合っている録音がリークされた

4月、バイデンがウクライナ訪問

4月、ハンター・バイデンがウクライナ最大の天然ガス会社の取締役に就職

6月、バイデンがウクライナ訪問、ポロシェンコ大統領就任式に参加

11月、バイデンがウクライナ訪問

2015

NATOと共同軍事演習を5回以上行う

2月、ミンスク2を調印

4月、アメリカがウクライナ軍を訓練

9月、NATOがウクライナ軍訓練に540 万ユーロを提供

12月、バイデンがウクライナ訪問、ウクライナ最高議会で講演

2016

1月、EUウクライナ自由貿易区発効


3月、ハンター・バイデンが取締役を務める会社を調査する検事総長が解任された(バイデン副大統領がポロシェンコを脅迫)

2017

6月、最高議会がNATO 加盟を外交優先政策と決定

7月、ポロシェンコがNATO とMAPについて交渉開始


1月、バイデン、副大統領離任前にウクライナ訪問

1月、大統領選挙中からNATO不要論を掲げたトランプが就任

2018

1月、ドンバス再統合法可決

9月、憲法修正案を許可、NATO とEU加盟を努力目標に



2019

2月、憲法改正、NATO とEU加盟を努力義務に

5月、ゼレンスキー政権発足




11月、マクロンがNATO は脳死状態と批判

2020

1月、ロシア語を禁じる法が施行

9月、NATO加盟の新しい国家戦略を許可



2021



1月、バイデン政権誕生

8月、アフガニスタン米軍撤退の惨状

9月20日、NATOを中心とした15ヵ国6000人の多国籍軍によるウクライナとの軍事演習を展開

10月23日、バイデンはウクライナに180基の対戦車ミサイルシステム(ジャベリン)を配備

12月7日、ロシアがウクライナに軍事侵攻した場合、米軍をウクライナ国内に派遣してロシアの軍事侵攻を阻むことについて、バイデンは「検討していない」と否定的な考えを示した

2022



1月26日、ウクライナのNATO 加盟を許さないなどのロシアの要求をNATO が正式に却下

作者:遠藤誉 2022/3/10



これらについてあなたがたはどう思いますか? 額面どおりにすべてを受け入れる必要はない。だが、宇露戦争への発言の出発点はこれらの情報をどう扱うのかにある、と私は思う。




今まで8年間のあいだ、アメリカとヨーロッパと日本はね、ウクライナ人がウクライナ人を殺しているのに、その事を誰もまったく気にしなかったですけど、ニュースも出なかったですよね。8年間。ずっと…ウクライナ人がウクライナ人を殺してる。それについて実際どう思いますか。(ルガンスク人民共和国リャザノワ・イリーナ、動画抽出ヴァージョン


※フル動画「日本の中立外交を要求する國民大会」【第一部 講演】各代表者 オザワ•ヤニナ(ドネツク人民共和国)リャザノワ・イリーナ(ルガンスク人民共和国)2022/5/8 nicovideo