ガザのガス田の話がでてるね、
➡︎動画
この大高未貴(大高美貴)さんの話は確かに要領よくまとまっていて明晰だね、英ガス採掘権2024年期限切れには触れてないにしろ。もっともイスラエルのガザ侵攻の目的をこれだけに限ってしまってはまずいとは思うが。
ジジェクのイラクの話を思い出したな、私は最近ジジェクにはあまり触れたくないんだが(?)、とはいえピッタリなのでやはり引用しておこう。
イラクへの攻撃の三つの「真の」理由(①西洋のデモクラシーへのイデオロギー的信念、②新世界秩序における米国のヘゲモニーの主張、③石油という経済的利益)は、パララックスとして扱わねばならない。どれか一つが他の二つの真理ではない。「真理」はむしろ三つのあいだの視野のシフト自体である。それらはISR(想像界・象徴界・現実界)のボロメオの環のように互いに関係している。民主主義的イデオロギーの想像界、政治的ヘゲモニーの象徴界、エコノミーの現実界である。 |
The three ‘true’ reasons for the attack on Iraq (ideological belief in western democracy (…) ; the assertion of US hegemony in the New World Order: economic interests – oil) should be treated like a ‘parallax’: it is not that one is the ‘truth of the others; the ‘truth’ is, rather, the very shift of perspective between them. They relate to each other like the ISR triad…: the Imaginary of democratic ideology, the Symbolic of political hegemony, the Real of the economy (ジジェク Zizek, Iraq: The Borrowed Kettle, 2004) |
「民主主義的イデオロギーの想像界」にシオニズムを代入すれば、あとはそのままokだ(イスラエルの覇権主義は「英米アングロサクソンバックの」と但し書きをしておくべきだろうが)。
このジジェクは柄谷行人が『トランスクリティーク』で示した次のボロメオの環の変奏だ(トラクリは2003年に英訳が出ており、ジジェクはとても強い影響を受けている)。
想像界象徴界現実界のパララックスとあるのも、柄谷がトラクリで取り上げたことから始まる。
以前に私は一般的人間理解を単に私の悟性[Verstand]の立場から考察した。今私は自分を自分のでない外的な理性[äußeren Vernunft]の位置において、自分の判断をその最もひそかなる動機もろとも、他人の視点[Gesichtspunkte anderer] から考察する。両方の考察の比較はたしかに強い視差[starke Parallaxen] (パララックス)を生じはするが、それは光学的欺瞞[ optischen Betrug]を避けて、諸概念を、それらが人間性の認識能力に関して立っている真の位置におくための、唯一の手段でもある。(カント『視霊者の夢(Träume eines Geistersehers)』1766年) |
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もちろん両者が示すボロメオの環自体の起源はラカンにある。
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※附記
イスラエルが狂っている以上にアングロサクソンが狂ってるんだよ
◼️アジア太平洋NATO:戦争の炎をあおる ジェフリー・サックス 2023年7月10日 |
An Asia-Pacific NATO: Fanning the Flames of War Jeffrey Sachs July 10, 2023 |
世界は狂ってしまったが、特にアングロ・サクソンの世界が心配だ。〔・・・〕 今、私たちの国の政治には、深く落胆させられるものがある。その深い狂気とは、米国に引き継がれた大英帝国の思考だと思う。私の国、アメリカは、20年前、30年前と比べても、いまや見分けがつかない。実のところ、誰がこの国を動かしているのかよくわからない。今のアメリカ大統領がそうだとは思えない。私たちは将軍たちによって、安全保障機構によって運営されている。国民には何も知らされない。外交政策について語られる嘘は、もうほとんど聞くことも読むこともできない主流メディアによって毎日、蔓延している。『ニューヨーク・タイムズ』、『ワシントン・ポスト』、『ウォール・ストリート・ジャーナル』、そして主要テレビ局は、日ごとに政府のプロパガンダを100%繰り返しており、それを打破することはほとんど不可能だ。 |
The world has gone mad but especially the Anglo-Saxon world, I'm afraid.(…) There's something profoundly disheartening about the politics of our countries right now. The deep madness, I'm afraid, is British Imperial thinking that has been taken over by the United States. My country, the U.S., is unrecognizable now compared even to 20 or 30 years ago. I'm not sure, to tell you the truth, who runs the country. I do not believe it is the president of the United States right now. We are run by generals, by our security establishment. The public is privy to nothing. The lies that are told about foreign policy are daily and pervasive by a mainstream media that I can barely listen to or read anymore. The New York Times, Washington Post, Wall Street Journal and the main television outlets are 100 per cent repeating government propaganda by the day, and it's almost impossible to break through.〔・・・〕 |
軍産複合体とその企業ロビーは、私が教えている東海岸の大学を乗っ取っている。私はハーバード大学で20年以上教え、現在はコロンビア大学で教えている。大学における情報機関の影響力は、私の経験では前例がない。 これらはすべて、あまり世間に知られることなく、ほとんどサイレント・クーデターのように起こっている。 議論もなく、公の政治もなく、正直さもなく、文書も公開されていない。すべてが秘密であり、機密であり、少しミステリアスである。 私はたまたま世界中の国家元首や閣僚と関わる経済学者であるため、公式の「物語」や蔓延する嘘を突き通すのに役立つ多くのことを聞き、多くのことを目にしている。 |
The military industrial complex and its corporate lobby have taken over the East Coast universities where I teach. I taught at Harvard for more than 20 years, and now I teach at Columbia University. The influence of the intelligence agencies on the campuses is unprecedented, in my experience. All of this has happened without much public notice, almost a silent coup. There is no debate, no public politics, no honesty, no documents revealed. Everything is secret, confidential and a bit mysterious. Since I happen to be an economist who engages with the heads of state and ministers around the world, I hear a lot of things and see a lot of things that help me to pierce through the official “narratives” and pervasive lies. |
例えば、コロナワクチンやウクライナ紛争をめぐってはまともなことを言っていたケネディジュニアはイスラエルに関してはこう言ってしまうのだからな、「イスラエルは我々にとって防波堤だ…中東に空母がある様なものだ。イスラエルが消滅すれば、ロシア、中国、BRICS+諸国が世界の石油の90%を支配することになり、米国の国家安全保障にとって壊滅的な事態となる[Israel is a bulwark for us... it’s almost like having an aircraft carrier in the Middle East. If Israel disappears, Russia, China, and BRICS+ countries will control 90% of the oil in the world and that would be cataclysmic for US national security.]」