フロイトが無意識、抑圧、超自我、神経症と記すとき、それぞれ二種類あるんだよ。 |
【本来の無意識と前意識】 |
精神分析は無意識をさらに区別し、前意識と本来の無意識に分離するようになった[ die Psychoanalyse dazu gekommen ist, das von ihr anerkannte Unbewußte noch zu gliedern, es in ein Vorbewußtes und in ein eigentlich Unbewußtes zu zerlegen. ](フロイト『自己を語る』第3章、1925年) |
【原抑圧と後期抑圧】 |
われわれが治療の仕事で扱う多くの抑圧は、後期抑圧の場合である。それは早期に起こった原抑圧を前提とするものであり、これが新しい状況にたいして引力をあたえる[die meisten Verdrängungen, mit denen wir bei der therapeutischen Arbeit zu tun bekommen, Fälle von Nachdrängen sind. Sie setzen früher erfolgte Urverdrängungen voraus, die auf die neuere Situation ihren anziehenden Einfluß ausüben. ](フロイト『制止、症状、不安』第2章、1926年) |
【超自我ーーエスの代理と外界の代理】 |
超自我は外界の代理であると同時にエスの代理である。超自我は、エスのリビドー蠢動の最初の対象、つまり育ての親の自我への取り入れである[Dies Über-Ich ist nämlich ebensosehr der Vertreter des Es wie der Außenwelt. Es ist dadurch entstanden, daß die ersten Objekte der libidinösen Regungen des Es, das Elternpaar, ins Ich introjiziert wurden](フロイト『マゾヒズムの経済論的問題』1924年) |
【現勢神経症と精神神経症】 |
おそらく最初期の抑圧(原抑圧)が、現勢神経症の病理を為す[die wahrscheinlich frühesten Verdrängungen, …in der Ätiologie der Aktualneurosen verwirklicht ist, ]〔・・・〕 精神神経症は、現勢神経症を基盤としてとくに容易に発達する[daß sich auf dem Boden dieser Aktualneurosen besonders leicht Psychoneurosen entwickeln](フロイト『制止、症状、不安』第8章、1926年) |
これらはすべて自我とエスに結びついている。
ーーと蚊居肢子は言ったので、あとは「嘘かまことか」確認することだな
まだ若いんだろ? |
若者全般へのメッセージですが、世間で言われていることの大半は嘘だと思った方が良い。それが嘘だと自分は示し得るという自信を持ってほしい。たとえ今は評価されなくとも、世界には自分を分かってくれる人が絶対にいると信じて、世界に働き掛けていくことが重要だと思います。(蓮實重彦インタビュー、東大新聞 2017年1月1日号) |
ここでは外界の代理としての超自我だけを注釈しておけば、この超自我は文化的超自我であり、自我理想のこと。 |
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文化的超自我は理想を発展させてきた[Das Kultur-Über-Ich hat seine Ideale ausgebildet](フロイト『文化の中の居心地の悪さ』第8章、1930年) |
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自我理想は指導者のなかに具現化された集団の理想と交換される[Ichideal…es gegen das im Führer verkörperte Massenideal vertauscht.](フロイト『集団心理学と自我の分析』第11章、1921年) |
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つまり文化的超自我は集団的超自我とも言い換えうる。
私は憲法九条死守論者としてこう引用しているがね。 |