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2024年12月7日土曜日

泥沼で魚を捕まえる米戦略

 

ラブロフのインタビュー自体、新しいことはほとんど何もないがーープーチンが既にほぼ言い尽くしているーー、表現は巧みだね、《泥沼で魚を捕まえるcatch a fish in muddy waters》なんて。


◾️タッカー・カールソンによるセルゲイ・ラブロフインタビュー全編 」より

The full text of Sergey Lavrov's interview with Tucker Carlson 2024/12/06

質問:オバマ政権はトランプ新政権に多くの問題を残しました。選挙後のこの1か月で、次の地域ではさまざまな政治的出来事が起こりました。ジョージア、ベラルーシ、ルーマニア、そして最も顕著なのはシリアでの暴動です。これは状況をより困難にするための米国の取り組みの一部だと思いませんか?

セルゲイ・ラブロフ:率直に言って、新しいことは何もありません。歴史的に、米国は外交政策において何らかの問題を作り出し、それから「泥沼で魚を捕まえる」ことができるかどうかを見ようとしてきました。イラクの侵略、リビアの「冒険」、あるいは実際には国家の破壊、アフガニスタンからの逃亡です。今、彼らは「裏口」から戻ろうとしており、国連を利用して「出席」できるあらゆるイベントを組織しています。アフガニスタンを悲惨な状態に置き、アフガニスタンの資金を凍結し、返還したくないという事実があるにもかかわらずです。


米国の外交政策、というか彼らの冒険(そのほとんど)を分析すると、パターンが見えてきます。まず彼らは問題を作り出し、それからそれをどう使うかを考えます。ロシアの選挙をOSCEが監視したとき、それは常に非常に否定的な報告でした。ベラルーシとカザフスタンでも同じでした。今回、ジョージアのOSCE監視団は肯定的な報告を提出しました。選挙結果が気に入っていて、手続きの承認が必要な場合は、承認します。選挙結果が気に入らない場合は、無視します。


これは、米国やその他の西側諸国がコソボの一方的な独立宣言を承認し、自己決定権がこのように行使されていると述べたのと似ています。コソボでは国民投票は行われませんでした。一方的な独立宣言がありました。ちなみに、その後、セルビア人は国際司法裁判所に上訴しました。通常、その代表者は判決であまり具体的なことは言いませんが、ここでは領土の一部が独立を宣言した場合、当局と調整する必要はないと判断しました。


数年後、クリミアでは国民投票が行われました。多数の国際監視員が招待されました。彼らは国際機関からではなく、ヨーロッパ、アジア、旧ソ連圏の国会議員でした。西側諸国は、これは領土保全の侵害であるとして受け入れることはできないと述べました。


Question: …The Obama administration has left many problems for the new Trump Administration. In the last month since the elections, various political events have taken place in the region. There are riots in Georgia, Belarus, Romania, and then, most notably, in Syria. Don't you think this is part of the U.S. effort to make the situation more difficult?

Sergey Lavrov: To be honest, there is nothing new in this. Historically, the United States has sought to create some kind of problems in foreign policy, and then see if they can "catch a fish in muddy waters": Iraqi aggression, Libyan "adventure" or, in fact, the destruction of the state, flight from Afghanistan. Now they are trying to return through the "back door", using the UN to organize any events that they can "attend", despite the fact that they left Afghanistan in a deplorable state, froze Afghan money and do not want to return it.

If you analyze American foreign policy, or rather, their adventures (most of them), then a pattern is visible. First they create problems, and then they look at how to use them. When the OSCE observed the elections in Russia, it was always extremely negative reports. It was the same in Belarus and Kazakhstan. This time, the OSCE observer mission in Georgia presented a positive report. When you like the election results and need approval of the procedures, then you recognize them. If you don't like the election results, you ignore them.

This is similar to how the United States and other Western countries recognized the unilateral declaration of independence of Kosovo, stating that the right to self-determination is being exercised in this way. There was no referendum in Kosovo. There was a unilateral declaration of independence. By the way, after that, the Serbs appealed to the International Court of Justice. Usually its representatives are not very specific in their judgments, but here they decided that if a part of the territory declares independence, then it is not necessary to coordinate with the authorities.

A few years later, the Crimeans held their referendum. A large number of international observers were invited. They were not from international organizations, but parliamentarians from Europe, Asia, and the post-Soviet space. The Westerners said they could not accept this, because it was supposedly a violation of territorial integrity.






上とは「直接的には」関係がないが、マクレガー元大佐による韓国の戒厳令評を附記しておく。



Акичка@4mYeeFHhA6H1OnF

COL. Douglas Macgregor :  Can Biden Extend the War in Ukraine? 2024/12/05

ナポリターノ:韓国で起きた奇妙な出来事についてお話しいただけますか?

あなたの見解では、この6時間にわたる戒厳令宣言の意義とは何でしょうか。また、もし何かあれば、在韓米大使館および米軍の反応はどのようなものでしたか?


マクレガー:

「私は、韓国で実際に何が起きたのかを考えることは良いことだと思います。

韓国は事実上、アメリカの帝国主義的な利益と影響力の軍事的植民地として扱われています。


私たちは韓国を真の主権国家として扱っているわけではなく、それは私たちが半島全体の軍事的支配を事実上有する特定の協定を結んでいるからです。


そして、戒厳令を宣言した責任者はユン大統領です。ユン大統領は数年前、非常に接戦の選挙で権力を握りました。実際、彼の勝利の差はごくわずかでした。


当時、CIAが彼の勝利を後押しするために裏で重要な役割を果たしたという話がありました。

敗北したの党はワシントンからの独立と真の国の主権を目指して進路を定めようとしていました。

彼らが最初にしたいと考えていたことの一つは、半島全体の軍隊の最高司令官として韓国人の四つ星将軍を任命することでした。


これは1997年に私が『Breaking the Phalanx』という本で提案したことの一つであり、その結果、2010年に私は韓国に招かれ、もし韓国が独立した場合、どのように軍を再編成すべきか、そしてその影響がどうなるかを調査しました。


もちろん、このような提案はアメリカの歴代政権にとっては受け入れがたいものであり、アメリカは韓国を支配下に置き続けるために尽力してきました。


トランプ大統領の時期には、状況を異なった視点で見る可能性がありましたが、彼が退任した後、韓国では新たな大統領が選ばれ、この大統領は事実上、CIAによって選ばれた人物でした。

彼は韓国では植民地の手先として広く認識されています。


彼は、選挙から数年後、今や自分の党が今後の選挙で勝つ可能性がないことを認識しています。


現在、彼の党は「国民の力党」と呼ばれています。それ以前は「自由韓国党」でしたが、いくつかの名前を持ち、実質的にはアメリカが韓国半島で政治的な出来事を操作するための仮面に過ぎません。


彼は有権者が何をしているのかを見て、選挙民が彼と彼の政策に対して決定的に反発していることを知りました。

その中で議論を呼んだのは、「ウクライナで北朝鮮の兵士が戦っている」との主張です。

しかし、それは完全な嘘です。

北朝鮮兵が戦っているというのは単なる大嘘です。

しかし、彼と彼の情報機関は、北朝鮮の兵士がロシア側で戦っているので、韓国人もウクライナ側で戦うべきだと主張しました。


しかし、これは国民に受け入れられませんでした。

ほとんどの韓国人は、北朝鮮兵がそこにいるとは信じていませんが、彼らがいるかどうかに関わらず、韓国人は戦いたくないと考えました。

彼らは、韓国人は世界中のどこであれ戦うべきではないと考えており、もちろん韓国外では戦うべきではないと考えています。


そのため、ユン大統領は非常に弱い立場にあります。彼は戒厳令を宣言することを決定しました。


情報機関の指導者に加え、韓国軍の支持も得ていたためです。トップの将軍のほとんどは、実質的にアメリカ軍の手先と言っても過言ではありません。


しかし、この計画は思い通りにはいきませんでした。


面白いことに、この戒厳令を宣言し、独裁者としての地位を確立しようとした試みは、ウクライナのゼレンスキーに見られるものと非常に似ています。

ゼレンスキーもアメリカの支援を受けて独裁者としての地位を築きました。


ユン大統領も同じことを試みましたが、韓国国民はそれを受け入れませんでした。


国会自体が反乱を起こし、ユン大統領は国会で過半数を持っていないことが明らかになりました。


国会は「戒厳令は必要ない。直ちに解除すべきだ」と言いました。

韓国軍も最初は介入するかと思われましたが、結局それは起こりませんでした。

なぜなら、戒厳令に正当性がなく、その必要性を裏付ける緊急事態はなかったからです。


一方で、アメリカ政府は公の場で何かを言うことはありませんでしたが、この出来事については把握していたようです。


アメリカ政府とソウルのアメリカ大使館、そして駐韓米軍は、この事態が起こるのを待ちながら、可能な限り支援していた証拠が多くあります。


言い換えれば、これは私たちが半島での支配を強化するために歓迎したものです」



結局、米ネオコンは世界のあらゆるホットスポットで問題を引き起こし、世界全体を戦争に引き摺りこもうとしているのである、覇権維持のために。



◾️ジェフリー・サックス「米国覇権の死は平和をもたらすか、それとも第三次世界大戦をもたらすか?

Jefferey Sachs: Will the Death of U.S. Hegemony Lead to Peace―Or World War III? in an interview with Mike Billington, May 15, 2024.

米国ーー私がこの語で意味するのは、軍産複合体、つまり安全保障機構・情報機関・国防総省・軍需企業、そして議会における彼らの支持者たちからなる少数の権力者たちだが、彼らが考える米国の覇権を維持したいと考えている。〔・・・〕構造的に、米国の安全保障体制は覇権を求めて戦っており、世界大戦を引き起こす可能性がある。〔・・・〕

米国は世界を本当にはっきりと分断している。というのは「米国は我々の味方か、それとも敵か」と言っているのだから。繰り返しそう言っている。2003年以降のイラク戦争についても、今もウクライナとロシアに対する制裁についても。制裁を課すにあたっては、われわれ米国に賛成するか反対するかのどちらかなのだ。〔・・・〕

The U.S.—and by that I mean the military-industrial blob or complex, a small number of powerful people from the security establishment, the intelligence agencies, the Pentagon, the military companies, and their supporters in Congress—wants to preserve American hegemony as they see it.[...]Structurally, the U.S. security establishment is fighting for its hegemony and it could end up creating a world war.[...]

The U.S. really has starkly divided the world, because the U.S. has said, 'You’re with us or you’re against us.' It said that repeatedly. It said that with regard to the Iraq war in 2003 and onward, and it says it now with regard to Ukraine and the sanctions against Russia.

You’re either with us applying these sanctions or you’re against us.[...]


ヨーロッパ、ーー私を失望させるが、独立した主体になる能力を持っているヨーロッパは、現在、ほぼ完全に米国陣営に陥っている。


より良く知っているべき国々、そしてより良く知っているべき欧州連合は、まるで米国に完全に依存しているかのように振舞っている。

そして欧州連合は、経済と政治の連合であるEUと、米国主導の軍事同盟であるNATOをもはや区別していない。

恥ずべきだが真実なのだ、EUの首都とNATOの首都はどちらもブリュッセルにあり、同じ都市にあり、事実上同じものである。

Europe, to my disappointment, which has the capacity to be an independent actor, has for the moment fallen almost entirely into the U.S. camp.


Countries that should know better, and a European Union that should know better, act almost as if it’s simply a complete dependency on the U.S.


And the European Union no longer distinguishes between the EU, which is an economic and political union, and NATO, which is a U.S. led military alliance.


It’s a shame, but true, that the capital of the EU and the capital of NATO are both in Brussels, in the same city, and effectively the same thing right now.

したがって、世界が分裂すると、米国とヨーロッパ、そしてアジアのいくつかの同盟国、重要な国々、日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポールが事実上そのグループに入る。


そして、世界の残りのほとんどの国は、厳密には反米ではないが、「やめろ、世界を分裂させるのをやめろ、冷戦を作るのをやめろ、軍事拡張主義をやめろ、政権交代作戦をやめろ、その他すべてをやめろ。ただ仲良くしろ」と言っている。

それは世界の大多数、つまり150か国ほどだと思う。


欧州連合には 27 か国あり、米国、 それに非 EU 諸国、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどを加えると、おそらく 40 か国ほどが「米国陣営」にいることになる。


危険で、悲しく、馬鹿げた振る舞いだ、「我々はナンバーワンだ。そして、もし我々が全てにとってナンバーワンになれないなら、40 か国ほどのグループの中でナンバーワンになって、世界を分断する」というのは。これは米国人にとって、世界にとっても、ひどい取引だ。それが今の状況だ。

So when the world divides—you have the U.S. and Europe and a few allies in Asia, important countries, Japan, Korea, Australia, New Zealand, Singapore, effectively in that group.


And then you have most of the rest of the world, not per se against the U.S., but saying, 'Stop it, stop dividing the world, stop creating Cold War, stop your military expansionism, stop your regime change operations and all the rest. Just get along.'


That’s the vast majority of the world, I would say, 150 countries or so.


There are 27 in the European Union, plus the United States, plus the handful of non-EU countries, Britain, Canada, Australia, New Zealand and so forth, coming up to probably about 40 countries in the 'U.S. camp.'


It’s a dangerous, sad, ridiculous way to behave that 'we’re number one. And if we can’t be number one for everybody, we’ll be number one in our group,' among the 40 or so, 'and we’ll divide the world.'


It’s a lousy bargain for Americans. It’s a lousy bargain for the world. It’s pretty much where we are right now.