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2026年8月19日水曜日

加藤周一と中井久夫のセットーー日本ムラ人文化における「なしくずしから手おくれへの道」

 



しかしツイッターですこぶる勤勉に「今=ここ」の事態には何やら熱心に囀っているキミたちのほとんどは、上のような事態にまったく馬耳東風なようだが、その有り様にはまったくもって感心するよ。ま、これは経済戦争の話だが、日本の軍国主義化にもこれまた馬の耳に念仏のようだしなぁ・・・


◼️中国・ロシア「包括的戦略協力のさらなる強化と善隣友好協力の深化」に関する共同声明

人民共和国和俄邦关于一步加强全面作、深化睦友好合作的合声明、2026-05-21

双方は、現在、日本が「再軍備化」を加速させており、これが地域の平和と安定に深刻な脅威をもたらしていること、また国際社会や地域諸国がこれに強い警戒感を抱いていることを強調した。今年は東京裁判が開かれてから80周年にあたる。裁判所の調査過程において、日本の軍国主義者たちが犯した戦争犯罪の規模が極めて巨大であり、民間人に対するその行為の残虐さと恐怖の度合いは想像を絶するものであることが明らかになった。日本政府に対し、そこから教訓を汲み取り、自らの非人道的な侵略の歴史を踏まえ、第二次世界大戦のすべての成果を認め、「新軍国主義」や「再軍備化」に反対するよう強く促す。なぜなら、これらはかつて世界各国の人民と日本自身に甚大な災難をもたらしたからである。

双方强,当前,日本加速“再事化”,重威地区和平定,国社会和地区国家此高度警惕。今年是判开庭80周年。在法庭开展调查过程中,明日本国主分子犯下的争罪行模极其巨大,其针对平民的行径残酷与恐怖程度以想象。敦促日本政府从中汲取教,基于自身惨无人道的侵略史,承第二次世界大全部成果,抵制“新型国主”和“再事化”,因为这经给世界各国人民和日本自身来深重灾


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少し前にエロス系の加藤周一と中井久夫のセットを掲げたが、ここでは日本ムラ人文化のセットを掲げとくよ。

◼️加藤周一『日本文化における時間と空間』2007年

日本社会には、そのあらゆる水準に於いて、過去は水に流し、未来はその時の風向きに任せ、現在に生きる強い傾向がある。現在の出来事の意味は、過去の歴史および未来の目標との関係に於いて定義されるのではなく、歴史や目標から独立に、それ自身として決定される。


日本が四季のはっきりした自然と周囲を海に囲まれた島国であることから、人々は物事を広い空間や時間概念で捉えることは苦手、不慣れだ。それ故、日本人は自分の身の回りに枠を設け、「今=ここに生きる」の精神、考え方で生きる事を常とする。この身の回りに枠を設ける生き方は、国や個人の文化を創り出す土壌になる。〔・・・〕


社会的環境の典型は、 水田稲作のムラである。 労働集約的な農業はムラ人の密接な協力を必要とし、協力は、共通の地方神信仰やムラ人相互の関係を束縛する習慣とその制度化を前提とする。この前提、またはムラ人の行動様式の枠組は、容易に揺らがない。それを揺さぶる個人または少数集団がムラの内部からあらわれれば、ムラの多数派は強制的説得で対応し、 それでも意見の統一が得られなければ、 「村八分」で対応する。いずれにしても結果は意見と行動の全会一致であり、ムラ全体の安定である。


これをムラの成員個人の例からみれば、大枠は動かない所与である。個人の注意は部分の改善に集中する他はないだろう。誰もが自家の畑を耕す。 その自己中心主義は、ムラ人相互の取り引きでは、等価交換の原則によって統御される。 ムラの外部の人間に対しては、その場の力関係以外に規則がなく、自己中心主義は露骨にあらわれる。 このような社会的空間の全体よりもその細部に向う関心がながい間に内面化すれば、習いは性となり、細部尊重主義は文化のあらゆる領域において展開されるだろう。



◾️加藤周一「「なしくずし」の過程について」朝日ジャーナル 1980年7月4日

いくさはどういう具合にはじまるか。常に必ずしも宣戦布告をもって、ある日突然はじまるとはかぎらない。そうではなくて、まず国内に、「なしくずし」の軍国主義化がおこり、いわゆる「軍産コムプレックス」が次第に抜きさしならぬものとなる。〔・・・〕

軍国主義へ向っての小さな事実の積み重ねは、かくして、次第に選択の幅をせばめ、いつか「手おくれ」の時期に到るのが、「なしくずし」のいくさの特徴である。そういうことは、政策決定の水準でおこるばかりでなく、またいわゆる「世論」の面でもおこる。 特定の政策は、特定の方向への世論操作を伴い、操作された世論は、次の政策決定の条件の一つとして働く。世論操作の有力な道具は、いうまでもなく、大衆報道機関であるから、「なしくずし」から「手おくれ」へ向う過程は、大衆報道機関の活動そのものにもあらわれざるをえない。


◾️加藤周一「遠くて近きもの・地獄ーー破局はいつも突然に 実感できぬ戦争の歩み」

『朝日新聞』1982/8/20『山中人閒話』所収ーー改題:「『なしくずし』という事」

たしかに政府は、右の「テロリズム」に寛大で、左からの批判に厳しかった。周知のように陸軍はそれを利用し、権力機構内部での影響力を次第に強めていたにちがいない。既成事実の積み重ね、政策の選択の幅の縮小、各段階での妥協の連続、ますます狂信的になってゆく軍国主義・・・しかしそれもまた「なしくずし」の過程であり、その過程のどこに決定的な段階、すなわち方向転換のための最後の機会があったかを、見きわめることは、誰にとっても困難であった。 一社会が「なしくずし」に破局に近づいてゆくとき、破局はいつでも遠くみえる。〔・・・〕

しかし太平洋戦争は、ある朝、突然、私たちの寝こみを襲った、もはやとり返しのつかない出来事として、おそらくは私自身を含めて数百万人の日本人の死を意味するほかはないだろう事業の始まりとして。それがどれほど私から遠くみえ、どれほどあり得ないことのように感じられていたとしても、そういう感じは、 いくさが起こるか起こらぬかとは、何の関係もない。


私は今そのことを思い出し、核兵器の時代に東アジアを舞台にした戦争を考える。 もしそういう戦争が起これば、今度は数百万人でなく、数千万人の日本人が死ぬだろう。そういう事は、太平洋戦争よりも、もっと想像し難い。しかし想像し難いことは起こり得ないことではない。



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◼️中井久夫『分裂病と人類』1982年

農耕社会の強迫症親和性〔・・・〕彼らの大間題の不認識、とくに木村の post festum(事後=あとの祭)的な構えのゆえに、思わぬ破局に足を踏み入れてなお気づかず、彼らには得意の小破局の再建を「七転び八起き」と反復することはできるとしても、「大破局は目に見えない」という奇妙な盲点を彼らが持ちつづけることに変わりはない。そこで積極的な者ほど、盲目的な勤勉努力の果てに「レミング的悲劇」を起こすおそれがある--この小動物は時に、先の者の尾に盲目的に従って大群となって前進し、海に溺れてなお気づかぬという。(中井久夫『分裂病と人類』第1章、1982年)

執着気質的職業倫理〔・・・〕この倫理、二宮に従えば「こまごまと世話をやいてこそ人道は立つもの」であるという認識に立つ倫理は、その裏面として、「大変化(カタストロフ)」を恐怖し、カタストロフが現実に発生したときは、それが社会的変化であってもほとんど天災のごとくに受け取り、再び同一の倫理にしたがった問題解決の努力を開始するするものである。反復強迫のように、という人もいるだろう。この倫理に対応する世界観は、世俗的・現世的なものがその地平であり、世界はさまざまの実際例の集合である。この世界観は「縁辺的(マージナル)なものに対する感覚」がひどく乏しい。ここに盲点がある。マージナルなものへのセンスの持ち主だけが大変化を予知し、対処しうる。ついでにいえば、この感覚なしに芸術の生産も享受もありにくいと私は思う。(中井久夫『分裂病と人類』第2章「執着気質の歴史的背景」1982年)


◼️中井久夫『「昭和」を送る』1989年

勤勉と工夫に生きる人は、矛盾の解決と大問題の処理が苦手なのだ。そもそも大問題が見えにくい。そして、勤勉と工夫で成功すればするほど、勤勉と工夫で解決できる問題は解消して、できない問題だけが残る。



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ひょっとして「勤勉と工夫に生きる」ムラ人の方々にはこれでは刺激が足りないかもしれないので、マイケル・ハドソンも付け加えておくよ。



◼️マイケル・ハドソン「軍を通じてのドルの海外送金」2023612

 Sending Dollars Abroad … via the Military By Michael Hudson, June 12, 2023

ーーバイデン政権に、 脱ドル化のプロセスを止めるための、直接的な軍事介入以外の手段はありますか?

マイケル・ハドソン)いいえ、 今のアメリカには軍事介入しかありません。硬直しています。アメリカは長年、 核兵器に多大な投資をしてきたため、 徴兵制を復活させ、 武装した軍隊を他国に侵攻させることはできません。 ベトナム戦争の時のように、学生の抗議が起きるからです。2015年の米国支援のクーデター後にウクライナ人がやってきているような自殺行為の戦争を、 他の国にもやらせることができない限り、 米国が本当に軍事的に戦うことができるのは核兵器だけなのです。しかし、他の国をウクライナのようなことをやらせるのは難しそうだ。 台湾人がそんなことをやりそうにない。 日本人だけがやる可能性がある

Dimitri Simes Jr. : Does the Biden administration really have any instruments at its disposal other than direct military intervention to try and stop the process of de-dollarization?

MH: No, that’s all that America has now. It’s muscle-bound because for years America has put all of its money into atomic war. So America can’t reintroduce a draft and have an army invading another country because you’d have student protests like you had in the Vietnam War. So all that America really has to fight with militarily is atom bombs. Unless it can get other countries to commit suicide, like the Ukrainians are doing after the American coup d’etat of 2015. But it looks like it’s going to have difficulty having other countries follow Ukraine. And I don’t see the Taiwanese doing this, only the Japanese might be willing to do this.


◼️マイケル・ハドソン「封鎖の虚勢」2026414

The Blockade Bluff By Michael Hudson Geopolitical Hour, April 14, 2026.

マイケル:さて、問題は、この迫り来る金融の冬に対して、他国がどう対応するかということです。日本については、中国と台湾の間で戦闘や侵攻が起きた場合、台湾を支援すると発表しています。「我々は核兵器が欲しい。我々は第二次世界大戦で原爆を投下されたにもかかわらず、何も学んでいない。中国に対して核兵器を使いたいのだ。頼むからアメリカよ、我々の基地を使って核兵器を配備し、中国を攻撃して台湾の独立を強行できるようにしてくれ」と事実上言っている。これは自殺行為です。そして、日本が武装化を試みようとした瞬間、日本は消滅するでしょう。それは明白です。

Michael: Well, the question is what are other countries going to do about this coming financial winter? For Japan, it’s announced that if there’s any fighting or invasion between China and Taiwan, it’s going to back Taiwan. It says, “We want atomic weapons. We didn’t learn-we were bombed in World War II. We want to use atomic weapons against China. Please, America, use our bases to mount atomic weapons so you can try to attack China and force Taiwan’s independence”. This is suicidal, and the moment that there is any attempt by Japan to industrialize, there will be no more Japan-that seems obvious.


◼️マイケル・ハドソン「最後の植民地戦争」2026528

The Last Colonial Wars By Michael Hudson, May 28, 2026

日本は再軍備を進めています。アメリカの核ミサイルを欲しがっています。中国が「日本が米軍基地や日本の沿岸に核ミサイルを配備した瞬間、東京も大阪も消滅する。我々は日本問題を永遠に解決する」と言うのも理解できます。

Michael Hudson: … Japan. It’s rearming. It wants American atomic missiles. I can understand China saying the minute Japan gets an atomic missile in a U.S. base or Japanese bank, there will be no more Tokyo. There will be no more Osaka. We are solving the Japanese problem forever.



経済戦争の方も付け加えておこうか。


◼️マイケル・ハドソン「スワップライン帝国」202686

The Swap-Line Empire By Michael Hudson, August 6, 2026

ベッセントは日本に対し、ある提案を持ちかけました。それは、米国債を売却する代わりに、連邦準備制度(FRB)にそれを担保として差し入れるというものです。言い換えれば、米国債の所有権を米国に移転し、スワップ協定を結ぶということです。米国がそれらを担保として預かり、担保として差し入れられた国債と引き換えに、日本にドルの信用(クレジット)を供与するのです。


日本は、米国がコンピュータ上で創出したこのドル信用を使って、外国為替市場で円を買い戻すことができます。こうして、暴落していた円相場は上昇に転じることになります。米国が「印刷」した、つまりコンピュータ上で作り出した信用を日本に与え、それを使わせるからです。


その一方で、米国は日本が保有していた米国債をすべて担保として手元に置くことになります。今後、不況が長引くにつれて、日本だけでなくグローバルサウスやアジアの国々も同様の問題に直面し、米国から資金を借り入れざるを得なくなるでしょう。


So Bessent has said, we have a deal for you, Japan. Instead of selling your treasury bonds, hypothecate them with the Federal Reserve. In other words, you transfer, we’ll make a swap agreement. You transfer ownership of these U.S. Treasury bonds to the United States, and we’ll arrange a swap agreement. We’ll hold these as your collateral, and the bonds that you put up for collateral, we will give you a dollar credit.

So you will use this dollar credit that we are creating on our computers in order for you to spend in the foreign exchange markets just to buy yen. And so the yen that had been plunging has now gone up because the United States has printed, giving Japan the computer credit to spend it.

But meanwhile, the United States is holding as a collateral all of these Japanese holdings of Treasury bonds. So what’s going to happen is that, as the depression goes on and as the foreign exchange of Japan, global South countries, and Asian countries, all countries are going to have a similar problem of having to borrow from the United States.〔・・・〕

ーーマイケル、もし彼ら全員があなたの言う通り「借金は返済しない、帳消しにする」と言い出し、それを受けて財務省が担保を差し押さえたらどうなるのでしょうか?米国が「よし、担保を没収する」と言った場合、その後はどうなるのですか?

Richard Wolff: Michael, what happens if the Treasury takes the collateral in the event that all of them say what you say, they’re not going to repay the debt, they’re going to cancel the debt. The United States says, “Okay, we take your collateral.” Then what?


マイケル・ハドソン:それは非常に重要な質問ですね。米国には彼らに支払いを強制する力はありません。米国が保有しているのは彼らの国債です。ですから、米国ができることといえば、こう言うことでしょう。「あなた方はこれらの国債を担保として我々に差し出しましたね。日本よ、我々がコンピュータ上で作り出し、あなた方に貸し出したドルはすべて使い果たされました。今や返済の時です。そこで、我々はあなた方の日本国債をすべて市場に放出します」。


そうなれば当然、日本国債の価格は暴落します。米国はその国債を売却して円を受け取り、その円をドルに換えて財務省の損失を補填するでしょう。その結果、円相場は再び急落することになります。為替レートが急落すれば、ドルや日本以外の通貨建てで価格設定された輸入品すべてについて、より高い代金を支払わなければならなくなります。


つまり、日本は実質的に「二重の不況」に陥ることになるでしょう。第一の不況は、石油貿易の停滞によって引き起こされます。すでに大幅な供給削減が行われており、それによって企業の操業停止や、日本の家計・企業の破綻が余儀なくされていますから。

そして第二の不況は、米国が「担保があるのだから資金を回収するために市場に放出する」と言い出した時に訪れます。これに対して日本ができることといえば、何らかの資本規制を導入するか、あるいは債務を全面的に拒否するくらいしかありません。


それが機能するためには、日本と同じ境遇にある他の国々と連携する必要があります。国々の集団が結束して立ち上がることで、実質的に他国――少なくとも石油を輸入しなければならない国々、つまり世界のほぼ全域――に対して、米ドルからの脱却(脱ドル化)を迫ることになるでしょう。これこそが、トランプの対イラン戦争が究極的に招いている事態です。他国が石油による「チョークポイント(戦略的要衝)」支配から脱却しつつある中でその支配を維持できていないだけでなく、ドル本位制の根幹そのものを崩壊させようとしているのです。

Michael Hudson: That’s the great question. The United States can’t make them pay. The United States is holding their bonds. So what the United States can do is say, “Well, you pledge these bonds to us as collateral. So now you’ve spent all of the dollars, Japan, that we’ve created on our computers to lend to you. And now we’ve got to be repaid. So now we’re going to throw all of your Japanese bonds onto the market.”


Well, of course, that’s going to crash the price of Japanese bonds. And the United States will sell the bonds, receive yen, turn the yen converted into dollars to reimburse the Treasury for all of this. And the yen’s exchange rate is going to plunge again. And a plunging exchange rate will mean, well, you’re going to have to pay a higher price for anything that’s imported and priced in dollars or any non-Japanese currency.

Well, this is going to essentially plunge Japan into, you could say, a double depression. The first depression will be the interruption of its trade in oil, where there are already huge cutbacks that are forcing closed downs of firms and insolvency by Japanese households and businesses.

And the second depression will be when the United States says, “Well, here’s our collateral; we got to get our money back and throw it onto the market.” And that there’s nothing Japan can really do about this except to create some sort of capital controls or outright rejection of its debt.

And for that to work, it would have to join with other countries that are in exactly the same boat as it’s in. And you’ll have a group, a whole collective group of countries taking a stand that will essentially force a de-dollarization of other countries, the rest of the world, at least the world that has to import oil, which is almost the entire world, away from the U.S. dollar.

And that is the ultimate way in which Trump’s war against Iran is not only failing to continue to use oil as a choke point, as other countries break free, but it’s blowing up the whole basis of the dollar standards.