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2026年10月15日木曜日

ましてや、あたいの熟れたまんこに滑りこませようとする気概もみなぎらせぬまんま、魔羅のさきからどばどばと精を洩らしてしまうとは、お前さん、いったいぜんたい、どんな了見をしとるんですか。

 


立ち読み、新潮2016年4月号

◼️「伯爵夫人」蓮實重彦

あら、伯爵夫人のことでしたら、あの方はお祖父ちゃまの妾腹に決まっているじゃないの。蓬子はこともなげにそういってのけるが、まだ少女の面影をとどめた従妹の口から洩れる「めかけばら」という不穏な音の響きに、まだ誰にも触れさせたことはないという彼女自身の骨の浮いた白っぽい下腹を、二朗はついつい想い描いてしまう。一色海岸の別荘――次女である彼女の母親が、祖父から受けついだものだという――の、いくら戸締まりをしてもどこからか砂粒がまぎれこんでくる薄ぐらい納戸に二人して身を隠し、一回こっきりのことよと瞳を閉じた蓬子が、さわやかに毛の生えそろった精妙な肉の仕組みをじっくりと観察させてくれたのは、国境紛争が厄介な展開を見せ始め、父がかつてなく深刻そうに顔を顰めていたころのことだ。


 いずれ、手遅れにならないうちに、二朗兄さまの尊いものもとっくりと拝ませて下さいな、げんまんよ。そう口にしながらあっけらかんと笑いかけるためらいのなさが、心の機微とはいっさい無縁の背伸びした振る舞いでしかないと意識させてくれたから、二朗も妙な気にならずに医学的な興味に徹することができたのだが、離れた茶の間の柱時計がのんびりと四時をうつのを耳にしてそろそろころあいだなと思い、ぺちゃんこな胸を隠すように両腕で抱えた膝小僧に顎を乗せている蓬子のちっぽけな足に手をそえ、こびりついた砂粒をはらってやろうとやや無理な姿勢をとらせて土踏まずにふっと息を吹きかけると、いきなりぷへーとうめいて全身をわななかせ、今日のところはそこまでで堪忍しといて頂戴なと懇願するような瞳で訴えかける。



いやあ実にいいね。ほかにもいくつか拾っとくよ。


小鼻のふくらみや耳たぶにさしてくる赤みから女の息遣いの乱れを確かめると、兄貴のお下がりの三つ揃いを着たまま何やらみなぎる気配をみせ始めた自分の下半身が誇らしくてならず、それに呼応するかのように背筋から下腹にかけて疼くものが走りぬけてゆく。ああ、来るぞと思ういとまもなく、腰すら動かさずに心地よく射精してしまう自分にはさすがに驚かされたが、その余韻を確かめながら、二朗は誰にいうとなくこれでよしとつぶやく。


まだ使いものにはなるめえやたら青くせえ魔羅をおっ立ててひとり悦に入ってる始末。これはいったい、なんてざまなんざんすか。

そんなことまでやってのけていいなんざあ、これっぽっちもいった覚えはござんせんよ。ましてや、あたいの熟れたまんこに滑りこませようとする気概もみなぎらせぬまんま、魔羅のさきからどばどばと精を洩らしてしまうとは、お前さん、いったいぜんたい、どんな了見をしとるんですか。


そのうめき声が相手を刺激したものか、背中では魔羅の動きが加速する。つとめて正気を保とうとしながら、この姿勢では「熟れたまんこ」を駆使することもかなわず、 やがて肛門の筋肉も弛緩しはじめ、出入りする魔羅に抵抗する術さえ見いだせないまま、ふと意識が遠ざかりそうになる。あとはただ、倫敦の小柄な日本人を相手にした ときのように、父ちゃん、堪忍して、堪忍してと、小娘のように声を高めてしまうことしかできない。


わたくしのからだを小気味よくあしらいながら、足の小指と薬指のあいだまで舌と唇で念入りに接吻してまわり、「熟れたまんこ」にも胸の隆起にも触れようとはせず、こちらの呼吸の乱れを時間をかけて引きよせようとするところなど、 久方ぶりに本物の男と交わっているという実感に胸がときめきました。


魔羅は挿入せずに巧みな舌の動きで陰核を責めたてるので、からだをのけぞらしてうめきながら耐えるしかない。ほしいか、ほしければほしいというがよかろうといいながら、相手は焦らしにかかる。どうにでもなれと投げやりな思いにとらわれたわたくしは、乳を揉んで下さい、ちんぽを入れて下さいと懇願するしかない。揉むまいぞ、入れまいぞといいながら陰核をしゃぶりつくす大佐は、上目遣いで余裕のある薄ら笑いを浮かべる。その笑顔をふと美しいと思い、乳を揉んで下さい、ちんぽを入れて下さいとなかば本気で叫ぶしかない。



………


※附記


しかしいろいろ出てきて勉強になるな。











井の頭線東松原駅の新聞売りの婦人か。あるなこういうことは。