足音の たんびにこしを つかい止め(末摘花)
いろおとこ 何処でしょつたか 飛び虱 (末摘花)
玉ふるる虱の珠にあき盲櫂榜ぎいでむその叉深野
恋の闇 下女は小声で ここだわな (末摘花)
ひきつけた 様な目付きで 下女よがり(末摘花)
下女越しのうつり虱をつぶしもせず仮廬の鞘のかたみ偲びつ
股倉のうつり虱に寝る夜落ちず水辺を渉る鷭の声聴く
股倉を すぼめて扶持を ねだるなり(末摘花)
後家の下女 鵜の真似をして 追ん出され (末摘花)
吾が掘りし野鳥は去りつ底ふかき阿漕の虱の珠ぞ残りぬ
吾が掘りし野鳥は去りつ底ふかき阿漕の虱の珠ぞ残りぬ