2016年10月5日水曜日

横川晴児とヨー・ヨー・マ

◆Mozart:Clarinet Quintet K.581/Cla:Seiji Yokokawa,Vc:Yo-Yo Ma



20年ほど前の時が、あるきっかけで蘇ってきたのだが、そこではモーツァルトのクラリネット五重奏曲も鳴っている。その鳴っている曲の演奏を YouTube で探したらーー以前も何度か探したのだがーー2年ほどまえにUPされている。それに昨晩行き当たった。

この演奏ーー横川晴児とヨー・ヨー・マ他ーーは1990年代前半のもので、ヴィデオに録音して何度も聴いた(たしかヨー・ヨーが「もののあわれ」と名付けて主催した演奏会で、彼は結婚式にも葬式にも通用する稀有のK.581と語っていた)。

この曲はわたくしの知るかぎり多くの演奏がクラリネットがでしゃばりすぎている(わたくしの趣味からすれば、という意味だが)。ところが上のものは横川晴児の控え目な親密さの感触がすばらしい。この音と仲間とのバランスを長いあいだ聴きたかった。

とくに二楽章の横川のクラリネットに眩暈のするような箇所がある。


実に結婚式でも葬式でもーー天国に行っても地獄に行ってもーーどちらでもいい気分になる。

そしてヨー・ヨーがあきらかに場を・空間を・親密さを作っている。

ヨー・ヨー・マはのちにいろいろ言われるようになるが、彼はやはり傑出した音楽家であり、その多作ぶり・公衆への迎合ぶりにはいささか辟易しないでもないが、ときに戦慄するような空間をつくってくれる音楽家だ。