いやあいい写真だ(「路地裏」)。
人が何といおうと荒木経惟を愛するね、オレは。
何故やっちまわないんだ早いとこ
ぼくは自分にかまけてて
きみらがぼくの年令になるまで
見守ってやるわけにはいかないんだよ
ぼくは自分にかまけてて
きみらがぼくの年令になるまで
見守ってやるわけにはいかないんだよ
ーー「夜中に台所でぼくはきみに話しかけたかった」 谷川俊太郎
なぜやっちまわなかったんだろ、あの娘と。
人生ってのは悔いばかりだよ
それともやっちまわなかったから名残惜しいんだろうか
娘たちや若い人妻たちの、みんなそれぞれにちがった顔、それらがわれわれにますます魅力を増し、もう一度めぐりあいだいという狂おしい欲望をつのらせるのは、それらが最後のどたん場でするりと身をかわしたからでしかない、といった場合が、われわれの回想のなかに、さらにわれわれの忘却のなかに、いかに多いことだろう! (プルースト「ゲルマントのほうⅡ」)