このブログを検索

2017年9月12日火曜日

「へび女」

暑い。暑すぎる。頭のなかに朦朧とした靄が居座っている。

小学生六年のとき友達の家で楳図かずおの「へび女」を読んでひどく怖かったことをなぜか突然憶い出す。ネットでその漫画の画像を探してみたが、僅かしかない。


今みるとたいして怖くない。
イヤアホントニソウカナ・・・
当時はなぜあんなに怖かったんだろう。

まさかひょっとして次の類であるわけでもあるまい・・・

精神分析家は益々、ひどく重要な何ものかにかかわるようになっている。すなわち「母の役割 le rôle de la mère」に。…母の役割とは、「母の惚れ込み le « béguin » de la mère」である。

これは絶対的な重要性をもっている。というのは「母の惚れ込み」は、寛大に取り扱いうるものではないから。そう、黙ってやり過ごしうるものではない。それは常にダメージを引き起こすdégâts。そうではなかろうか?

巨大な鰐 Un grand crocodile のようなもんだ、その鰐の口のあいだにあなたはいる。これが母だ、ちがうだろうか? あなたは決して知らない、この鰐が突如襲いかかり、その顎を閉ざすle refermer son clapet かもしれないことを。これが母の欲望 le désir de la mère である

やあ、私は人を安堵させる rassurant 何ものかを説明しようと試みている。…単純な事を言っているんだ(笑 Rires)。私は即席にすこし間に合わせを言わなくちゃならない(笑Rires)。

シリンダー rouleau がある。もちろん石製で力能がある。それは母の顎の罠にある。そのシリンダーは、拘束具 retient・楔 coinceとして機能する。これがファルス phallus と呼ばれるものだ。シリンダーの支えは、あなたがパックリ咥え込まれる tout d'un coup ça se refermeのから防御してくれるのだ。(ラカン、S17, 11 Mars 1970)

チガウチガウ、キットチガウ・・・
とはいえわたくしの家庭はシリンダーがまったく機能していなかったことは確かである。

わたくしはそれまで比較的少年ジャンプのたぐいの漫画をよく読んだ。
家には漫画の本がたくさんあり、友達の溜まり場になっていた。
それまでは永井豪の「ハレンチ学園」を好む程度の純情な少年だった。


クラスに三大女と綽名される大柄で発育のよい少女三人がいた。
いまでも名前を憶えている。

彼女らへのスカートめくりは、ほとんどわたくしの専門(?)だったように思う。
自慢ではないが、当時はひどく女の子にモテた。
そのせいで、わたくしだけが特権的にその振舞いを許されたように思う・・・
ひとりは「可愛さ余って憎さ百倍」などとおっしゃるインテリ少女だった。

だがーーたぶんだが、つまり記憶違いでなければーー楳図かずおの漫画を読んだ後あたりから趣味がはっきり変わった。エロ雑誌を読むようになった。とくに団鬼六などの小説が掲載されているSMマガジンの類。あの頃から「変態」生活が始まった。

とはいえ誰でも多寡はあれあることであろう、股間に厄介なものを抱えて途方に暮れるってのは。