2018年1月8日月曜日

侯孝賢「黃金之弦」と小津安二郎「晩春」

とても久しぶりに小津の『晩春』を観た。観たといっても iPad の小さな画面でだが。

昨年の10月31日に「遠くからやってくる「侯孝賢とビクトル・エリセ」」との「日記」を記しており、これ以来、わたくしは2か月ほど「刺激保護膜」が崩壊してクルッタのだが、あの「遠くからやってくる」ものは、ビクトル・エリセとするより小津安二郎とするべきだった。

11月2日にも「樟がざわめく古い屋敷」との日記を書いているのだが、この、わずか5分あまりの短編「黃金之弦」(2011)のなかには、小津がふんだんにいるのにいまごろ気づいた。

◆La Belle Epoque. Hou Hsiao-hsien




たとえば侯孝賢のこの短編の冒頭と末尾に現れる「樟のざわめき」は、小津の『晩春』にある。






ーーいやあ老人性の脳軟化症じゃないのかな、オレ。こんなことを失念していたなんて。

廊下の奥の窓際にある籐の寝椅子だってあるんだから。