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2024年9月1日日曜日

最も基本的な点:これは米国とロシアの戦争だ。 ウクライナとロシアの戦争ではない(ジェフリー・サックス)

 

ジェフリー・サックスは実に明確に言っている、最も基本的な点を。


◾️ジェフリー・サックス-タッカー・カールソンインタビュー  

Jeffrey Sachs: The Looming War With Iran, CIA Coups, and Warning of the Next Financial Crisis

With Tucker Carlson 2024年8月31日 動画

これは米国とロシアの戦争だ。 ウクライナとロシアの戦争ではない。 これが最も基本的な点だ。 これは米国が引き起こした戦争であり、米国の意図によるものであり、NATOの拡大を目的としたものだ。 


この基本的なことを理解し、なぜこのような間違った方向に進んだのか、そしてなぜこのような不条理で悲劇的な考えに至ったのかを理解できる大統領でなければ、この戦争を終結させることはできないだろう。 しかし、バイデンはそのような人物ではなかった。


バイデンは明らかに、この無謀なアプローチを30年前にすでに賛同しており、ロシアをどうにかして崩壊させようとするこの悲劇的な冒険の一端を担ってきた。 しかし、結局はウクライナを破壊することになった。  そう、私たちには新しい大統領が必要であり、このことが何であったかを正直に理解する大統領が必要なのだ。  


私たちが議論してきたこと、そして絶対に正しいことは、アメリカ国民はこのことが何なのか聞かされてこなかったということです。 まったく正反対のことを聞かされてきた。 そして今でも、NATO軍、明らかにアメリカ軍、連邦職員や連邦請負業者が何らかの形でロシアで戦っているということが理解されていないように思う。 だがロシアと戦っているのだ。 


これは絶対的に明らかだ。 我々は今ロシアと熱い戦いを繰り広げている。 なぜなら、我々の資金、装備、目的、目標、戦略、助言だけでなく、地上にいる我々の人員も熱い戦争に巻き込まれているからだ。 彼らは必ずしも我々のユニフォームを着ているとは限らない。 傭兵と呼ばれることもある。 身元がわからないこともある。 しかし、彼らが指揮を執っており、ロシアはそれを知っている。 それ自体が警戒すべき大きな理由だ。 特に、ロシアは反撃のためにポーランドやヨーロッパ、アメリカに核兵器を打ち込む必要はないのだから。 ロシアは、アメリカの重要なインフラを無防備にすることができる。  


ロシアが我々を攻撃すると決めた場合、我々は非常に脆弱だ。


そう、この戦争の最初から恐ろしい点は、米国がロシアのレッドラインを超えることは決して意味をなさないということだったのです。なぜなら、ロシアが戦場で勝利するか、戦場で敗北してエスカレートするかのどちらかだったからです。エスカレートにはさまざまな形があり、あなたがおっしゃるように、代理戦争を通じて世界中で米国の利益を攻撃する可能性もありますし、ロシアが明らかにしたように、ロシアが戦術核兵器を失い始め、エスカレートが常に見えている状態で、ロシアが本当に深刻な脅威にさらされている場合、エスカレートする可能性もあります。つまり、クリントン政権に始まり、ブッシュ、オバマ、トランプ、バイデンと続いた、NATOをウクライナに押し込むという冒険は、ロシアが平時に伝えられる最も明確で最大のレッドラインである「そんなことはしない」にもかかわらず、成功への道はありませんでした。 NATOとウクライナに対するロシアのワシントンの態度は、メキシコのリオグランデ川沿いのロシア軍基地に対する我々の態度と全く同じだ。それは「そんなことをしようとしないで」ということだ。これは明白で、微妙なことではなく、30年以上前から表明されてきたが、今や我々は知っており、ますます明らかになってきており、これからも明らかになるだろうが、クリントンは1994年にNATOがウクライナを含む東方進出するというこの計画を承認した。ズビグネフ・ブレジンスキーは1997年に記事でそれを提示したが、それはブレジンスキーのアイデアではなく、民間部門の同僚に、つまり、すでに決まっていたことを伝える彼のやり方であり、もちろん我々はウクライナまで行く、ということだと私は常に主張してきた。それが公になったのは2008年、ジョージ・W・ブッシュ・ジュニアがブカレストのNATOサミットでNATOをウクライナに拡大するという公約を押し進めたときだった。

そう、この戦争の最初から恐ろしい点は、米国がロシアのレッドラインを超えることは決して意味をなさないということだったのです。というのも、ロシアが戦場で勝利するか、ロシアが戦場で敗北してエスカレートするかのどちらかだからだ。 エスカレーションにはさまざまな形がある。あなたが言うように、代理人を通じて世界中のアメリカの利益を攻撃することもあれば、ロシアが明らかにしたように、戦術核を取り除いてスタートし、エスカレーションが常に視野に入っている状態で、ロシアが本当に深く脅かされている場合もある。 つまり、クリントン政権から始まり、ブッシュ、オバマ、トランプ、バイデンと続いたベンチャーを成功に導く道はなかったのである。 NATOとウクライナ・ワシントンに対するロシアの態度は、メキシコのリオ・グランデ川にロシアの軍事基地が建設された場合の我々の態度とまったく同じだ。 そんなことはするなということだ。 このことは明白であり、30年以上にわたって表明されてきたことだが、今になって私たちはそれを知り、さらに多くのことが明らかになり、これからも明らかになっていくだろう。 ズビッグ・ブレジンスキーが1997年に発表した記事によれば、これはブレジンスキーのアイデアではなく、民間部門の同僚たちに、すでに決定していることを言おう、もちろんウクライナまで行くんだ、と言うのが彼のやり方だった。 2008年、ジョージ・W・ブッシュ・ジュニアがブカレストNATOサミットで、NATOをウクライナまで拡大することを約束した。  


2014年2月、NATOの拡大に反対し、ウクライナの中立を望んでいたウクライナの大統領を転覆させようと米国が謀ったとき、戦争の原因となった。その大統領は、東西に挟まれたウクライナであれば、頭を下げて中立を保つよう努めるべきだと理解していたからであり、そのことを理解していたので、我々は彼を打倒する必要があり、米国はそれを実行した。そして、戦争が始まった。つまり、これはどのシナリオでも予想通り失敗だった。皮肉なことに、現時点で展開されている特定のシナリオは、おそらくより安全なもの、つまりロシアが戦場で勝利しているというものである。なぜなら、ロシアが戦場で負けていたら、核戦争にエスカレーションしていただろうから。

This is a war Between the United States and Russia. It's not a War Between Ukraine and Russia. 

This is the most basic point. This is a war provoked by the US, with us intentions, with us aims for NATO enlargement. 


And it would take a president that understands the basics of this and why this was so wrong headed and such a, an absurd and tragic idea that dates back 30 years now inside the us security state to bring it to a close. But Biden was not that person.

 

Clearly, Biden bought into this whole reckless approach 30 years ago already and has been part of this tragic adventure that was somehow going to bring down Russia. But in the end, it's destroying Ukraine.  

So, yes, we need a new president, and we need a president that honestly understands what this has all been about.  

And the one thing that we've discussed and the one thing that's absolutely true is the american people have never been told what this is all about. 

They've been told exactly opposite. And I don't think even now there's an appreciation that NATO forces, clearly us forces, in some form, federal employees or federal contractors, are fighting in Russia. Fighting Russia. 


Oh, this is absolutely clear. We're at war with, we have a hot war with Russia right now. We are in a hot war because it's not only our financing, our equipment, our aims, our objectives, our strategy, our advice, but it's our personnel on the ground. They are not necessarily in us uniform. Sometimes they're called mercenaries. Sometimes they're just not identified. But they are calling the shots, and Russia knows it. And that by itself is a big reason for alarm. Well, especially because Russia doesn't need to lob a nuke into Poland or Europe or the United States to fight back. Russia could disable critical american infrastructure without being obvious about it.  


We're very vulnerable if Russia decides to strike at us.


Well, the horrible thing about this war from the start was that it could never conceivably have made sense for the United States to crosse Russias red lines, because either Russia would win on the battlefield as its doing, or Russia would lose on the battlefield and then escalate. And the escalation could be in many forms, like you say, it could be attacks on US interests around the world through proxies, or it could be, as the Russians made clear, if they’re losing tactical nuclear weapons to start and with escalation always in sight, if Russia was really profoundly threatened. So in the end, there was no path to success of a venture that started back in the Clinton administration, continued with Bush, Obama, Trump, and Biden which was to push NATO to Ukraine despite the clearest possible brightest, biggest red line that Russia could convey in peacetime which is don't do that. And Russia's attitude towards NATO and Ukraine Washington exactly analogous to what our attitude would be to a russian military base on the Rio Grande in Mexico. It would be don't try that. And this is obvious it's not subtle it has been expressed for more than 30 years but now we know and more and more comes out and will come out but Clinton approved this plan in 1994 that NATO would go east including to Ukraine. Zvig Brzezinski laid it out in 1997 in an article which I always asserted was not Brzezinskis idea but his way of telling his colleagues in the civilian sector lets say what was already decided and that is that yes of course we will go all the way to Ukraine. It became public in 2008 when George W. Bush junior pushed at the Bucharest NATO summit the commitment to enlarge NATO to Ukraine.  


It became a cause of war in February 2014 when the US conspired to overthrow a ukrainian president that was against NATO enlargement who wanted Ukraine to be neutral because that president understood if you are Ukraine between east and west try to keep your head down and stay neutral and he understood that so we had to overthrow him and the US did and that's when the war started. So this was predictably a failure on every scenario. The particular scenario that is unfolding right now for the moment is ironically perhaps the safer one which is that Russia is winning on the battlefield because if Russia were losing on the battlefield we would be seeing escalation to nuclear war.



これが、ほとんどの日本のリベラル左翼が戦争から2年半以上たってもおそらくいまだ認めていない最も基本的な点である。なぜ彼らはそうなのか?



世界市民の道徳的水準の低下にまさるとも劣らず、われわれを驚かせ、狼狽させたことは、彼らがしめしたある別の症状であった。それはつまり、もっとも優秀な頭脳すらもがしめした洞察の欠如であり、頑述さ、徹底的な議論の忌避であり、容易に論駁されうる主張に対する無批判的な追随のことである。実際、これは悲しむべき光景を出現させたのである…

Vielleicht hat uns aber ein anderes Symptom bei unseren Weltmitbürgern nicht weniger überrascht und geschreckt als das so schmerzlich empfundene Herabsinken von ihrer ethischen Höhe. Ich meine die Einsichtslosigkeit, die sich bei den besten Köpfen zeigt, ihre Verstocktheit, Unzugänglichkeit gegen die eindringlichsten Argumente, ihre kritiklose Leichtgläubigkeit für die anfechtbarsten Behauptungen. Dies ergibt freilich ein trauriges Bild…

(フロイト『戦争と死に関する時評』Zeitgemasses über Krieg und Tod, 1915年)



この第一次戦争大戦当時のフロイトは感情興奮のせいだと言っているのだが、どうも日本の現在のインテリはこれだけではなさそうに見えるね。



必要な洞察がある感情抵抗につきあたるや否や、もっとも聰明なひとびとですら、突如としてあたかも精神薄弱者のように、洞察を欠如した振舞をし、そしてこの抵抗が克服されれば、ふたたびすべての理解力が獲得されるのである。この戦争は、われわれの共同市民のもっとも優秀な部分をすらしばしば論理的盲目性へとおとしいれたのであるが、これもしたがって二次的現象であって、感情興奮の一つの帰結なのである。そこでわれわれは、この盲目性が、興奮が醒めると同時に消えさるのを希望することができるのだ。

Sie kann alle Tage zeigen, daß sich die scharfsinnigsten Menschen plötzlich einsichtslos wie Schwachsinnige benehmen, sobald die verlangte Einsicht einem Gefühlswiderstand bei ihnen begegnet, aber auch alles Verständnis wieder erlangen, wenn dieser Widerstand überwunden ist. Die logische Verblendung, die dieser Krieg oft gerade bei den besten unserer Mitbürger hervorgezaubert hat, ist also ein sekundäres Phänomen, eine Folge der Gefühlserregung, und hoffentlich dazu bestimmt, mit ihr zu verschwinden.

(フロイト『戦争と死に関する時評』Zeitgemasses über Krieg und Tod, 1915年)



日本の右翼は無視するとしても、リベラル左翼インテリのあの白痴ぶりの原因を徹底究明すべきじゃないかね。


それとも連中はもともと馬鹿だったんだろうか?


知識人の弱さ、あるいは卑劣さは致命的であった。日本人に真の知識人は存在しないと思わせる。知識人は、考える自由と、思想の完全性を守るために、強く、かつ勇敢でなければならない。(渡辺一夫『敗戦日記』1945 年 3 月 15 日)