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2025年7月28日月曜日

消費税についての「ごく常識的な」知と蛸壺ムラビト

 

この永江氏はごく常識的なことを言ってるんだがな、


巷間の消費税絶対悪カルトの蛸壺日本人は他国と比べてみることがないんだな、




より詳しくはーー、


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消費税など(消費課税)に関する資料

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所得税など(個人所得課税)に関する資料

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法人税など(法人課税)に関する資料

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国民負担率に関する資料


ここでは消費税だけ掲げておこう。



消費税減税して仮に経済が良くなるなら、なぜ他国はそうしないんだろう、という問いが微塵もないのが日本の蛸壺ムラ人だがね。


消費税をめぐっては、以前にも掲げたが、次のプリンストン大学経済学部教授の清滝信宏ーー《日本人が受賞していないノーベル経済学賞に最も近いところに居る学者と多くの専門家からみなされ、世界レベルの知性として知られる。》[参照]ーーが最も標準的でむしろ穏やかな見解だよ。





◼️プリンストン大学経済学部教授の清滝信宏インタビュー(インタビュアー:小林慶一郎) 

2024 年11 月21 日インタビュー実施 Japan SPOTLGIHT 2025 年1/2 月号に英文記事掲載  PDF

財政の持続性 

小林:次の話題は、財政の持続性です。この問題について、先生のご見解を伺いたいと思ったのですが、アベノミクスの過去 10 年間は長期金利が 0 だったので、利払いが増えていません。  


清滝:また、最近はインフレだから、インフレーション・タックスで何とかなっているけれども、それはあまりいい政策ではありません。結局、国債を持続させる標準的政策の一つは歳出カットです。もう一つは増税で、もう一つはインフレです。日本の場合には、年金や健康保険、介護などの支出がだんだん大きくなっていて、それをカットするのは望ましくないだろうと思います。できることは、働く期間を延ばすことです。日本人の寿命は伸びていますから。   


小林:健康寿命も伸びています。  


清滝:ええ、元気なお年寄りも結構いるわけだから、元気なお年寄りはもう少し働いてもらい、それで、年金の支給を少し削り、それから税金あるいは年金の保険料を払ってもらうので、収入が増えて支出が減るという意味では、定年を延長し、働く期間を伸ばすことが、一番有効だと思います。支出カットと収入増とを両方一度にやるわけです。  


もちろん、それだけだと恐らく足りないので、やはり消費税を上げるしかないでしょう。というのは、引退している人が増えてくると、結局、所得税を払わない人がたくさんいることになってしいますから。  


小林:現役の人しか払ってくれないわけですからね。  


清滝:ええ。それから、課税所得の最低限を上げてしまったりしたら、払わない人がどんどん増えてきます。そうすると、少ない人数でたくさん払うというのはそんな簡単ではありません。金持ちが払えばいいと言うけれども、日本の金持ちはそんなにたくさんいるわけではないし、場合によると、あまりかけたら外国に行ってしまいます。だから、そんなに簡単に所得税はかけられません。そうすると消費税で取るしかないだろうと思います。  


小林:法人税は難しいですよね。  


清滝:企業の場合も資本は移動するから、そんなに簡単にはかけられません。最近の企業は海外で稼いでいたりするから、子会社をたくさんつくって、そらちはそちらで払うということになると、法人税もそんなに簡単に取れないと思います。  


また、ラムゼイ原則といって、供給が弾力的なものにはあまり課税するなと、ゆがみが大きくなるから、と言われています。そういう意味で言うと、消費税が一番です。 


小林:消費税は、ゆがみが少ないわけですか。  


清滝:ゆがみがないわけではないけれども、他よりも少ない。それから課税ベースが大きい。また、消費税をやるときには内税にしないと駄目です。後からキャッシュレジスターで出されると、どちらの値段か分からなくなるから、値段は最初から税込みの値段しか付けないようにしないといけません。  


小林:アメリカやヨーロッパでもそうですか。  


清滝:イギリスやヨーロッパは全部そうです。アメリカの場合は、州の税金に関していうとセールスタックスは州によって全然違うから、見ていると後で足したりしています。値段が州によって違うから。けれども、ヨーロッパの付加価値税は全部内税です。だから値段に入っています。後から税金を追加するのは腹立たしく感じます。消費税は最初から価格に含まれていなければなりません。明確に 10%を上乗せすると、人々は嫌がるでしょうから。  


小林:日本はレシートを持っていくと、内税の場合もあるとは思いますけれども、だいたい消費税は別記載になっています。  


清滝:そちらのほうが安く見えるからやっているけれども、やってはいけません。  


小林:日本では消費税に対する嫌悪感があります。  


清滝::社会保障をきちんと実行しなければいけないので、消費税と社会保障とを一体化した形にすれば別に問題はないはずです。野田さんが首相のときに、民主党と自民党と公明党が三党合意で、税と社会保障の一体改革と言っていたでしょう。それは正しいです。やはり一体改革なのです。社会保障を続けようと思ったら、税収も増やさなければ続かなくなるわけです。両方を一度にやらなければいけません。   


小林:社会保険の保険料の負担が非常に若者の生活にとって高くなっているので、それを減らして税金で面倒を見ないと仕方がないという状況ですが。  


清滝:そうです。そうなったら、やはり消費税のほうがいいわけです。社会保険料をどんどん上げていくよりは、消費税のほうを少し上げた方が、課税範囲が広いし、全員が払うわけです。年金保険料だと、払わない人もいるし、そもそも働いている人の数が引退している人の数に比べて少なくなってきてしまったら、課税ベースがどんどん減ってしまうわけです。  


小林:消費税を今すぐ上げるのは政治的には結構大変です。   


清滝:やがては上げなければいけないと思います。そのときには年金や健康保険、介護保険を続けるためにこれは絶対に必要なのだということで、税と社会保障の一体改革が必要です。日本は、消費税に関して言うと、他の国に比べたら低いです。ヨーロッパなどに比べたらだいぶ低い。  


小林:10%ですからね。まだ 20%か 25%ぐらいまでは上げる余地があると思います。  


清滝:20%までで何とか引き上げなければなければいけません。あとは、定年を遅めにするのと移民を増やすことです。若い外国人労働者に入ってきてもらうしかない。もちろんやり方は難しいし、いろいろ軋轢もあるだろうけれども、人口はこれから減ってきてしまうから、既に建設業やコンビニなどに入ってきている外国人労働者を増やすことです。  


小林:いろいろな分野で移民は不可欠ですね。  


清滝:移民なしではやっていけないのではないでしょうか。田舎の旅館に行っても移民の人が必ず働いています。場合によっては居着いてもらわないと困ります。2、3 年働いて帰れというのは焼き畑農業のようになってしまうから続きません。  


小林:そうするとある程度は日本人として定着してもらうことを前提に、海外の人材を入れる政策を考えないといけない。  


清滝:一度に多くの人を入れたら弊害が多いです。しかし、海外の人材がいないとやっていけないと思うので、なるべく若いときに来てもらうほうがいいかもしれません。例えば大学生のころに来てもらい、日本が気に入った人がそのまま日本で就職する。本国に帰りたい人は帰国すればいい。ある程度、お互いが選べるということができるわけです。   


小林:高度人材に来てもらう。  


清滝:高度人材をすくい上げてしまっているのだから、ある意味ではうまいことをやっています。有力なアメリカの会社はほとんど移民か 2 世かがつくった会社でしょう。Google、Apple、Tesla もそうです。  


小林:財政に関して、30 年に亘る財政の長期予測を発表する独立財政機関というのが今言われていますけれども、ご意見はございますか。  


清滝:それは確かにいい考えだと思います。それで財政収支の予想を立てるのですね。  


小林:日本の今のやり方だと、内閣府が 10 年先までの予想を出していますけれども、30 年とか 50 年先までは出していなくて、アメリカやイギリスやオーストラリアはだいたい 50 年先の予想を毎年または隔年ごとに出しています。  


清滝:長期の予想を出しておく。しかも、中立的なところでやるのは良い考えです。 


小林:議会予算局のような調査機関でやろうというアイデアもあります。  


清滝:そのような第三機関のような感じでやるのはいいと思います。独立して中立の立場で予想を立てるというのはいいと思います。  


小林:実は、こういう話を日本ですると、政府機関からは大反対であったり、冷淡な反応しか示してくれません。  


清滝:自分の権限が減ると思うのですね。  


小林:国会議員の一部の人たちはやろうという話になりますが、なかなか日の目を見ない状況です。  


清滝:確かに既得権益があるから難しいかもしれないけれども、いい考えだと思います。 



こういったことは日本国内の経済学者はもう諦めてあまり言わなくなっているがね、彼らは蛸壺ムラビトを啓蒙するのはもうムリだと観念しつつあるからな


自由が狭められているということを抽象的にでなく、感覚的に測る尺度は、その社会に何とはなしにタブーが増えていくことです。集団がたこつぼ型であればあるほど、その集団に言ってはいけないとか、やってはいけないとかいう、特有のタブーが必ずある。

ところが、職場に埋没していくにしたがって、こういうタブーをだんだん自覚しなくなる。自覚しなくなると、本人には主観的には結構自由感がある。これが危険なんだ。誰も王様は裸だとは言わないし、また言わないのを別に異様に思わない雰囲気がいつの間にか作り出される。…自分の価値観だと思いこんでいるものでも、本当に自分のものなのかどうかをよく吟味する必要がある。

自分の価値観だと称しているものが、実は時代の一般的雰囲気なり、仲間集団に漠然と通用している考え方なりとズルズルべったりに続いている場合が多い。だから精神の秩序の内部で、自分と環境との関係を断ち切らないと自立性がでてこない。

人間は社会的存在だから、実質的な社会関係の中で他人と切れるわけにはいかない。…またそれがすべて好ましいとも言えない。だから、自分の属している集団なり環境なりと断ち切るというのは、どこまでも精神の内部秩序の問題です。(「丸山真男氏を囲んで」1966年)



おい、わかるか、いくらなんでもそろそろ出発しろよ、タコツボを断ち切ることだよ、壺内で湿った瞳を交わし合い、頷き合っていないでさ、



とにもかくにも、嘘を糧にしてわが身を養って来たことには、許しを乞おう。そして出発だ。Enfin, je demanderai pardon pour m'être nourri de mensonge. Et allons.


ーーランボー「別れ Adieu」