そもそも、ーージジェクとか専門家やらとかが結論出してないこと云々と言っているがーー、日本の似非専門家だけだよ、結論出していないのは。とくに最悪なのはチョビ髭のたぐいだな。まともな経済専門家はとっくの昔から結論出している。日本の「社会保障制度の持続可能性が著しく低下している」(武藤敏郎, 2013)のはコモンセンス。
たとえばジジェク だってすでにこう言ってるんだよ。
現在の政治は、福祉国家が現行のシステム内部でまだ維持可能だという思いこみで成り立っている。…だが次の事態は瞭然としている。それは、福祉国家が可能であった数十年を経た現在、…われわれはある種の経済非常事態が恒常的になった時代に突入していることである。この時代は、以前にもましてはるかに冷酷な財政引き締め策、給付の削減、医療教育サービスの減少、そしてこれまで以上に不安定な雇用の脅威をもたらしている。
… 現下の危機は早晩解消され、ヨーロッパ資本主義がより多くの人びとに比較的高い生活水準を保証し続けるだろうといった希望を持ち続けることは馬鹿げている。いまだ現在のシステムが維持可能だと考えている者たちはユートピアン(夢見る人)にすぎない。(ジジェク、A PERMANENT ECONOMIC EMERGENCY、2010年)
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世界的にもこう考えているジジェクなのだから、前回示したように(世界一の少子高齢化社会にもかかわらず)、《国際的に最低水準の税負担のまま赤字財政を続けたツケが国際的にも歴史的にも最悪の政府債務(昨年度末1115兆円)となっている》日本が現状の社会保障制度を維持できるわけがない。ピゲティだって10年前からこう言っている。
で、「コロナ後の悪夢のシナリオ」で示したように次のようなことを言ってしまう党首はたんなるユートピアンだということだよ。
ようするに志位は左翼ではなくポピュリスト政治家だということだ。大衆の票が欲しいだけだ。
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ポピュリズムが起こるのは、特定の「民主主義的」諸要求(より良い社会保障、健康サービス、減税、反戦等々)が人々のあいだで結びついた時である。(…)
ポピュリストにとって、困難の原因は、究極的には決してシステム自体ではない。そうではなく、システムを腐敗させる邪魔者である(たとえば資本主義者自体ではなく財政的不正操作)。ポピュリストは構造自体に刻印されている致命的亀裂ではなく、構造内部でその役割を正しく演じていない要素に反応する。(ジジェク「ポピュリズムの誘惑に対抗してAgainst the Populist Temptation」2006年)
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で、ボクの言い方だったら志位やら志位の応援団やらは「下翼」だということだ。