シモネッタ・ステファネッリSimonetta Stefanelliの次にイカれたのは、ラウラ・アントネッリLaura Antonelliだった。
あの女の腋毛
あの女の腋毛
あの女の砂浜にまどろんでいる海
それにしても、アルベルチーヌのなかで生きていたのは、私にとっては、一日のおわりの海だけではなかった、それはまた、ときには、月夜の砂浜にまどろんでいる海だった。(プルースト『囚われの女』)
あの女のかくされた神秘
私はいまも思いだす、そのときの暑かった天気を、そんな日なたで給仕に立ちはたらいている農園のギャルソンたちの額から、汗のしずくが、まるでタンクの水のように、まっすぎに、規則正しく、間歇的にしたたっていて、近くの「果樹園」で木から離れる熟れた果物と、交互に落ちていたのを。そのときの天候は、かくされた女のもつあの神秘とともに、こんにちまでもまだ私に残っている、――その神秘は、私のためにいまもさしだされている恋なるもののもっとも堅固な部分なのだ。プルースト「ソドムとゴモラ」)