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2020年10月3日土曜日

めぐる季節と散らし書き

 

高橋悠治「めぐる季節と散らし書き」


遠くからやってくるな

沈黙と語り合うようだ

ゆらめく閃光のようだ


閃光はゆらめかないだって?

光の裂け目の向こうに

世界がひろがるんだ

閃光は未来の扉さ


悠治はどもるんだ

沈黙を歌っている


文体とは、自らの言語のなかでどもるようになること。難しい。なぜなら、そのようにどもる必要がなければならないのだから。発語(パロール)でどもるのではない、言語活動(ランガージュ)そのものによるどもりなのだ。自国語そのものの中で異邦人のごとくであること。逃走の線をひくこと。(ドゥルーズ『ディアローグ』)