ああ、ボクは「いまさらマルクスなんて」云々と言ってくる人には、むかしはこう引用することにしてたんだが、久しぶりに繰り返しておくよ
マルクスは間違っていたなどという主張を耳にする時、私には人が何を言いたいのか理解できません。マルクスは終わったなどと聞く時はなおさらです。現在急を要する仕事は、世界市場とは何なのか、その変化は何なのかを分析することです。そのためにはマルクスにもう一度立ち返らなければなりません。〔・・・〕 次の著作は『マルクスの偉大さ La grandeur de Marx』というタイトルになるでしょう。それが最後の本です。〔・・・〕私はもう文章を書きたくありません。マルクスに関する本を終えたら、筆を置くつもりでいます。そうして後は、絵を書くでしょう。(ドゥルーズ「思い出すこと」インタビュー1993年) |
あわせてこう引用しといたら、よりわかりやすいかね。 |
◼️「悪い年」を超えて 坂本龍一 浅田彰 柄谷行人 座談会(『批評空間』1996Ⅱ-9) |
浅田) それにしても、こんなに人材が少ないなんて思ってた? ぼくなんか、同世代にもっと優秀な人材がいるはずだとずっと思ってたし、今も多少は期待しているけど……。 柄谷) 甘い(笑)。ぼくも昔はそう思っていて、もしかして俺が勝手に威張っているだけなんじゃないかと思ったりしたけどね(笑)。中上健次ともよくそういう話をしたことがあったけど、四五歳を越えたころにやっと見極めがついた。単に、いないんだよ。 坂本) 実際、世界的に見てそうだよね。 柄谷) しかし、世界的に人材が少ないとしたら、どうなってしまうのだろう? 浅田) 人口だけは多い(笑)。 |
柄谷) たしかに、フランス現代思想がどうのこうの言ったって、ドゥルーズ、フーコー、デリダで尽きてしまうじゃないか? それも本質的には六〇年代の仕事だった。〔・・・〕 しかし、見方を変えれば、かれらの仕事もマルクス、ニーチェ、フロイトの延長上にあるわけだし、ああいうものはずっと古びないとも言える。いまだにマルクスを批判していればいいと思っているやつがいるけどね。 浅田) 共産主義が崩壊した以上、反共ということにはもう意味がない。資本主義が全面化した以上、資本主義をいちばん鋭く分析したマルクスの仕事が残るにきまっている。 |