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2021年6月21日月曜日

人間のもつどうしようもないみにくさ、いやらしさ


◼️人間のもつどうしようもないみにくさ、いやらしさ

一個のパンを父と子が死に物狂いでとりあいしたり、母が子を捨てて逃げていく

私は疲れきっていた。虚脱状態だった。火焔から逃げるのにふらふらになっていたといっていい。何を考える気力もなかった。それに、私は、あまりにも多くのものを見すぎていた。それこそ、何もかも。たとえば、私は爆弾が落ちるのを見た。…渦まく火焔を見た。…黒焦げの死体を見た。その死体を無造作に片づける自分の手を見た。死体のそばで平気でものを食べる自分たちを見た。高貴な精神が、一瞬にして醜悪なものにかわるのを見た。一個のパンを父と子が死に物狂いでとりあいしたり、母が子を捨てて逃げていくのを見た。人間のもつどうしようもないみにくさ、いやらしさも見た。そして、その人間の一人にすぎない自分を、私は見た。(『小田実全仕事』第八巻六四貢)




腹が減ったらこうなるのは止む得ないね。食い物だよ、原点は。


たかが歯痛でもエゴイズムが露出するからな。




◼️愛の喜劇

器質的な痛苦や不快に苦しめられている者が外界の事物に対して、それらが自分の苦痛と無関係なものであるかぎりは関心を失うというのは周知の事実であるし、また自明のことであるように思われる。これをさらに詳しく観察してみると、病気に苦しめられているかぎりは、彼はリピドー的関心[libidinöse Interesse] を自分の愛の対象[Liebesobjekten] から引きあげ、愛することをやめているのがわかる。


このような事実が月並みだからといって、これをリビドー理論[ Libidotheorie] の用語に翻訳することをはばかる必要はない。したがってわれわれは言うことができる、病人は彼のリビドー 備給[Libidobesetzungen]を彼の自我の上に引き戻し、全快後にふたたび送り出すのだと。


W・ブッシュは歯痛に悩む詩人のことを、「もっぱら奥歯の小さな洞のなかに逗留している[Einzig in der engen Höhle]」と述べている。リビドーと自我の関心[Libido und Ichinteresse]とがこの場合は同じ運命をもち、またしても互いに分かちがたいものになっている。周知の病人のエゴイズムなるものはこの両者をうちにふくんでいる。われわれが病人のエゴイズムを分かりきったものと考えているが、それは病気になればわれわれもまた同じように振舞うことを確信しているからである。激しく燃えあがっている恋心[intensiver Liebesbereitschaft]が、肉体上の障害のために追いはらわれ、突然、完全な無関心[völlige Gleichgültigkeit]にとってかわる有様は、喜劇にふさわしい好題目である。(フロイト『ナルシシズム入門』第2章、1914年)




間近に迫るハイパーインフレか財政破綻で、仮に一時的にせよ社会保障給付が止まってしまって、高齢者や生活保護受給者等が「我飢える、ゆえに我あり」にならないようにだけは細心の注意を払わないとな。そこが「髪の毛を代赫色に染めた少年たち」の最も重要な活躍のしどころだよ。



我思う、ゆえに我ありは、歯痛を見くびる知識人の言い草である。我感ず、ゆえに我ありは、もっとずっと一般的な効力があり、どんな生物にもかかわる真理である。私の自我は、本質的には思考によってあなたの自我と区別されるのではない。ひと多けれど、想念少なし。われわれは誰しも想念をたがいに伝達しあったり、借用しあったり、盗みあったりしながらほぼ同じことを考えている。しかし、もし誰かが私の足を踏んづけても、苦痛を感じるのは私ひとりだ。自我の根拠は思考ではなく、もっとも基本的な感情である苦しみである。(クンデラ『不滅』第四部「ホモ・センチメンタリス」)



いやあおどかしてすまんな、「ただちに」消費税30%にしたら、「ひょっとしたら」避けうる可能性はあるよ。他国よりちょっと高く、ってだけだ。






そもそも世界一の高齢化率の国で、10%の消費税ってまさかありえないだろ、MMT のたぐいの財政ファイナンスなる「竜宮城の玉手箱」を期待するわけにはいかないよ。

もともとMMTはインフレ許容理論だよ

経済学者にとって、年率40パーセント未満のインフレ率から経済への重大な悪影響を見出すことは困難である。economists are hard pressed to find significant negative economic effects from inflation at rates under 40 percent per year. (ランダル・レイRandall Wray「現代貨幣理論 Modern Money Theory」2012年)


ランダム・レイは、40パーセントなんて言ってるが、いったんそこまでいったら、40パーセントで止まった事例は経済史には皆無だ。






30%の消費税ってのはちょっと遠慮しすぎたかな、35%じゃダメかい?


実は「悪評高い」野田佳彦と大学時代同期だったんだが、あいつならすこし前にはそのくらいのことを「秘かに」考えてたはずだよ。今はもう諦めているだろうが。


「諦める」とはハイパーインフレ選択だ。


ハイパーインフレは、国債という国の株式を無価値にすることで、これまでの財政赤字を一挙に清算する、究極の財政再建策でもある。


予期しないインフレは、実体経済へのマイナスの影響が小さい、効率的資本課税とされる。ハイパーインフレにもそれが当てはまるかどうかはともかく、大した金融資産を持たない大多数の庶民にとっては、大増税を通じた財政再建よりも望ましい可能性がある。(本当に国は「借金」があるのか、福井義高 2019.02.03)


反消費税派ってのは、実は「革命家」なんだよ、貧富の差を一挙になくす道を選んでいるのだから。それに自覚的だったらユルシテヤルよ。


あとは混乱期が少なくとも数ヶ月ほどあるだろうから、それに備えて「髪を茶髪に染めとけ」と言ってんだがな。