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2021年7月5日月曜日

スッキリ間近

 もう言わなくなってるよ、数年前までは最悪だと言ってたほんのひと握りの連中も。


最悪ではないな、「これは最悪だ」と言えるうちは。The worst is not. So long as we can say “This is the worst.”(シェイクスピア『リア王』)



政治家だけじゃないね、インテリ、つまりツイッター芸能人に対してももう最悪なんて言いたくないね。


知識人の弱さ、あるいは卑劣さは致命的であった。日本人に真の知識人は存在しないと思わせる。知識人は、考える自由と、思想の完全性を守るために、強く、かつ勇敢でなければならない。(渡辺一夫『敗戦日記』1945 年 3 月 15 日)



「敗戦」してスッキリ出直すしかないよ。






ま、ここまできたら意図的に起こしちまえ、と考えてるヤツがひょっとしたらいるかもしれないけど。


ハイパーインフレはインフレとは異なる。別と考えたほうが良い。なぜなら、インフレとはモノの値段が上がることだが、ハイパーインフレはマネーあるいは貨幣の値段が暴落することだからである。貨幣とは本来は価値ゼロのバブルそのものであるから、いったん「価値がない」と思われればすぐに紙くず、あるいは仮想通貨(暗号資産)なら「ビットくず」になってしまう。


第3のインフレ、正確にはハイパーインフレは、実は、経済学にとっては、むしろ普通のインフレよりはありがたいものである。なぜなら、もちろん経済社会に与えるダメージは深刻で、インフレのように「ほぼ無害」であるのとは大きく異なるわけだが、しかし、なぜ起こるのかについては、原因が解明されているからである。


それは、その貨幣の信用が失われるからである。その通貨を発行している中央銀行、あるいはそれを支えるその国家、その経済、それらいずれかの(あるいはすべての)信用が失われる(疑問を持たれる)ことによるものだからである。だから、信用を失わないようにすれば良い。そうすればハイパーインフレは起きない。普通は世の中にいないが、ハイパーインフレを起こしたければ、信用を意図的に失えばよい。現実は悲惨でも、学問的、論理的には明快だ。(小幡 績「そもそもインフレはどうやったら起きるのか?」2021/06/13 )



ま、そんなヤツはいないとしたら、やっぱり日本人ってのは「風をみながら絶えず舵を切る」だけの種族だろうよ。


中国人は平然と「二十一世紀中葉の中国」を語る。長期予測において小さな変動は打ち消しあって大筋が見える。これが「大国」である。アメリカも五十年後にも大筋は変るまい。日本では第二次関東大震災ひとつで歴史は大幅に変わる。日本ではヨット乗りのごとく風をみながら絶えず舵を切るほかはない。為政者は「戦々兢々として深淵に臨み薄氷を踏むがごとし」という二宮尊徳の言葉のとおりである。他山の石はチェコ、アイスランド、オランダ、せいぜい英国であり、決して中国や米国、ロシアではない。(中井久夫「日本人がダメなのは成功のときである」初出1994年『精神科医がものを書くとき』所収)



日本人はもともと宿命的にそういう民族さ、ーー《日本という国は地震の巣窟だということ。大水、噴火、飢餓なども、年譜を見ればのべつ幕なしでしょう。この列島に住み、これだけの文明社会を構築してしまったという問題があります。》(古井由吉「新潮45」2012 年1 月号 )

5年後だってまともに見てる政治家やインテリはほとんどいないようにみえるね。


武藤国務大臣)……そのオーストラリアへ参りましたときに、オーストラリアの当時のキーティング首相から言われた一つの言葉が、日本はもうつぶれるのじゃないかと。実は、この間中国の李鵬首相と会ったら、李鵬首相いわく、君、オーストラリアは日本を大変頼りにしているようだけれども、まああと三十年もしたら大体あの国はつぶれるだろう、こういうことを李鵬首相がキーティングさんに言ったと。非常にキーティングさんはショックを受けながらも、私がちょうど行ったものですから、おまえはどう思うか、こういう話だったのです。私は、それはまあ、何と李鵬さんが言ったか知らないけれども、これは日本の国の政治家としてつぶれますよなんて言えっこないじゃないか、確かに今の状況から見れば非常に問題があることは事実だけれども、必ず立ち直るから心配するなと言って、実は帰ってまいりました。(第140回国会 行政改革に関する特別委員会 第4号 平成九年五月九日