オベンキョウ用プレゼント

 前にも何度か触れたが、このAlexandre Stevensの二つの短い論文読んどけば、だいたいいけるよ、フロイト大義派（ミレール派）で現在ニューラカニアンスクールのボスやってるジイさんだけど、ボクがこの三年ぐらいのあいだに現代臨床ラカン派の中心概念「固着」やリアルな欲動の身体について書いてきたことの基本はここにほとんど全部ある。なんか言ってくるんだったら、これを消化してからにしてくれるかな。

◼️Alexandre Stevens
仏	Le corps marqué par la langue	2020/11
英	THE REAL OF THE BODY AS AN EFFECT OF LANGUAGE
仏	Fixation et Répétition — argument	2021/06
英	Fixation and Repetition - argument
Alexandre Stevens is a psychoanalyst with practices in Brussels and Paris. He is a member of the École de la Cause Freudienne (ECF), the New Lacanian School (NLS) and the World Association of Pyscho-analyis (WAP), and he is currently the President of the NLS (2020-2022).

フランス語版と英語版の両方を貼り付けたが、英語版読んどけばいいさ。僅か9ページと6ページの論だ。キミの問いの女性の享楽、この享楽が解剖学女性の享楽ではなく享楽自体であり、固着の反復であることも2020年のほうの論に書かれている。

Dans ce cours, Miller étend cette jouissance féminine à la jouissance en tant que telle, liée à ce que Freud appelle la "fixation".

In this course Miller will extend this feminine jouissance to jouissance as such, linked to what Freud calls "fixation".

日本ラカン業界もあと5年か10年もすれば、たぶんこれが「常識」になるよ、今はまだアンコールの性別化の式に囚われたまま寝言いってる連中ばかりのようだけど。アレはアレで二次的なものとしてはオモシロイのだが、享楽の本質ではまったくない。本来の享楽とはトラウマ的出来事への固着プラス反復［Fixation et Répétition］だ。

以上、糖果入り壺付きのオヘンジでした。

小さい愚行やはなはだ大きい愚行がわたしに加えられても、わたしは、一切の対抗策、一切の防護策を―――従って当然のことながら一切の弁護、一切の「弁明」を自分に禁ずるのである。わたし流の報復といえば、他者から愚かしい仕打ちを受けたら、できるだけ急いで賢さをこちらから送り届けるということである。こうすれば、たぶん、愚かしさの後塵を拝さずにすむだろう、比喩を使っていうなら、わたしは、すっぱい話にかかりあうことをご免こうむるために、糖菓入りのつぼを送るのである。（ニーチェ『この人を見よ』）