マタイの「愛ゆえに…Aus Liebe will mein Heiland sterben」は偏愛の曲のひとつなのだが、コロナ最盛期の2020年6月に「高橋さやか」という方がリモートアンサンブルをやっている。
(ソプラノ高橋さやか、フルート吉岡次郎、イングリッシュホルン大庭蓉子) |
やたらに上手い歌手だなあ、ひどく好みの声だなあ、と思って調べてみたら、なんとダルトン・ボールドゥインとフォーレの歌曲集のCDを出している。
ボールドゥインは、かつての名歌手ジェラール・スゼーやエリー・アーメリング等の伴奏で有名なピアニストだ。あのジェシー・ノーマンの伴奏さえしている。
最晩年のボールドゥインとはいえ、高橋さやかさんはこの彼に見込まれたのだから上手い筈だ。でもこういった彼女でさえ日本で売り出すのに苦労しているようだ。
ひどく上手くても何らかの機会がないと売れないんだろうな、最近のクラッシック業界というのは。